第3話『偽りの友』 あらすじ
()ネタバレを含みます。ドラマを見て確認したいことがあった時などにお役立てください。
グロムの説得という任務を終えてドイツに戻るはずだったキャリーは、昨夜エフゲニー・グロモフが接触してきたとマイク・ダンに打ち明け、サミラ・ノーリの件を含めて何か魂胆があると主張。マイクは48時間以内に接触がなければ諦めろと言って調査を許可する。
タリバンに拘束されたソールは、ISIがホテルでの会談を知っていたのは内通者がいるからだと主張。「誰に話した?」というソールの言葉から記憶を辿り、部下を問い糾したハッカニは、あってはならない結論に行き着く可能性が高いことに気づいて震撼する。
ハッカニの悪い予感は当たっていた。ソールとの会談日時を知る一人――息子のジャラールはその頃、パキスタンでタスニーム・クレイシと会っていた。そこへ、ハッカニから無線が入る。ISIに襲撃されて死んだと思っていた父からの呼び出しにジャラールの心は乱れ、この密約を突き止められた時、どう対処すればいいかとタスニームに相談する。タスニームは「父の死を知り、後継者の件を話し合っていたと話せばいい」と平然と答える。
グロモフのメッセージを受け取ったキャリーは、彼の真意を知るため監視なしでの会談を提案。キャリーが寝返っている可能性もあると考えているマイクは、キャリーが墓穴を掘った時の映像を残すため、一班だけ監視チームを動かすと決定。キャリーにもそう伝えた。
「アメリカ人の話を聞いて、お父さんは君を疑っている。ISIと会っていると思っている。バカげてると否定しておいたが、オレも怪しまれている。きっと殺される」
ペシャワールのアジトでハッカニの部下からそう聞いて身の危険を感じたジャラールは、通常回線でタスニームに電話。危険を察知したタスニームはすぐに電話を切ったが、息子が彼女を呼ぶ声はヘッドフォンをしたハッカニの耳に届いていた。
ハッカニはソールを解放し、真っ暗な丘で裏切り者はジャラールだったと打ち明ける。ソールは息子は処刑の対象から外していいと説得。しかしハッカニは「それでは私の威信が揺らぐ」と言い、タリバンから身を引くことを示唆する。
「父さんは道に迷った老いぼれだ!敵と交渉している!」
翌朝、アジトの屋上へ連行され、正直に話せと言って見下ろすハッカニに、ジャラールはそう叫んだ。
そんな息子にハッカニは膝を折り、静かに語りかける。
「我々が戦場で勝利を収めることはない。我々は強いから、けっして負けない。しかし、弱いからけっして勝てない」
ハッカニは処刑を思いとどまり、犬のように道に棄てろと部下に命じた。
キャリーは広場でグロモフと会う。スピーカから大音量の声を流しているため二人の会話がまったく拾えず、マイクは舌打ちせずにいられない。念を入れて噴水へ移動するキャリーに「さすが」とジェナは笑う。
グロモフはロシアの収容所にキャリーを置き去りにしたことを詫び、サミラ・ノーリの件はその罪滅ぼしだったと話す。そして、収容所で首つり自殺を図ったキャリーを助け、回復を見守ったと話す。さらにフラニーのことも。ニコラス・ブロディとの間にできた我が子を、風呂に沈めて本気で殺そうとしたこともある――。それだけ言うとグロモフは去っていった。
ソールはハッカニに対してタリバン兵の恩赦、新政府での地位、パキンスタン軍との決別などの条件を提示。
「おまえとは長い付き合いだ。だから信じる。アメリカに約束を守らせろ」
ハッカニはそう言い、休戦し和平交渉のテーブルに着くことを承知した。
ソールは交渉の結果をカブール支局から大統領のラルフ・ワーナーに報告。ラルフは同席したキャリーの労もねぎらい、和平を国民にアピールするための策はないかと聞く。キャリーは「キーン(前大統領)の戦略だけど」と前置きして、アフガニスタンへ来て兵士たちと話し、ダウド大統領と共同会見すれば降伏という印象を持たれないと提案。ソールも賛同した。
大統領との接見を終え、マイクにグロモフとの会談の感触を聞かれたキャリーは、早く報告書の作成にかかりたいのに、という苛立ちをにじませながら答える。
「彼が寝返るか?彼は今の待遇に不満なの。シモーヌの亡命で降格させられた。私たちにこけにされたから。アフガニスタンは、そのペナルティーボックスなのよ」
キャリーはまだドイツには戻れないと告げ、報告書の作成にとりかかった。
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