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【ネタバレ解説】ゲーム・オブ・スローンズ シーズン8(最終章)『#2 七王国の騎士』

【ネタバレ解説】ゲーム・オブ・スローンズ

ウィンターフェル

生者のために戦うという約束を果たすため、たった一人でウィンターフェルへやってきたジェイミー・ラニスターは、デナーリス・ターガリエン、ジョン・スノウ、サンサ・スターク、ブランの前に立ち、サーセイがエッソスの黄金集団(ゴールデン・カンパニー)を買収したことを報告。死の軍団との戦いに生き残ってもサーセイに殺されるだろうと告げる。

そのジェイミーに父エイリスを殺されているデナーリスは敵意を燃やし「仲間になるとみせかけて喉を切り裂くつもりなのでは?」と言い放つ。ティリオン・ラニスターが「こうなることを分かっていてここまで来た。信じてやってもいいのでは」と弁護するが、サンサも黙っていない。キングズ・ランディングで父エダードを刺し、窮地に追い込んだ過去を許せないからだ。

「戦争中だった。自分のしたことに後悔はない」
謝罪を拒否したジェイミーを、彼に塔から突き落とされたブランが静かに追い込む。
「愛のためなら何でもする」
顔色をなくしながらもジェイミーは、デナーリスに問われてサーセイを裏切った理由を話す。
「この戦いは忠誠を超えている。生存の問題だ」

援護に立ち上がったのはブライエニー・タースだった。彼女は勢いよく立ち上がるとジェミーの隣へ並び立った。そして彼が右手を失ったいきさつを話し「彼が守ってくれなかったら、彼が武器と装甲を与えてくれなかったら、あなたの命はなかった。彼となら共に戦えます」とサンサに主張した。
「あなたが信じるなら、彼を迎え入れるわ」
サンサの独断にデナーリスは嫌悪感を覚えるが「戦士は一人でも多い方がいい」と言ったジョンの顔を立てる形で仕方なく了解。ジェイミーは入場時に奪われた剣をグレイ・ワームから受け取った。何も言わず立ち去っていくサンサ。すぐにそのあとを追うジョンを見送るデナーリス。ジェイミーは北部軍が一枚岩ではないことを感じ取っていた。

「おまえは裏切者でなければ愚か者だ!」
散会後、デナーリスはサーセイが兵を寄越さないことを知らなかったティリオンに激怒。
「役に立たないのなら違う“女王の手”を探す」とヴァリス、ジョラー・モーモントの前で言い放った。

アリアはドラゴングラス製武器の量産を指揮するジェンドリーを訪ね、死の軍団と戦いについて聞き、自身が考案した武器の製作を急がせる。

ジェイミーは神々の森でブランに会い、塔から突き落としたことを詫びる。ブランは「僕を突き落とさなければ、あなたは変わらなかった。僕もブランドン・スタークのままだった」と話す。そしてこの戦いが終わる保証はないとも言った。

戦いの準備が進む城内を歩きながらティリオンは、サーセイの裏切りを読めなかったのは、彼女が身ごもっていたからだとジェイミーに話す。そしてサーセイの本性を知りながら愛し続けてきたジェイミーを称え、サーセイが俺を殺せなかったことに不満を感じるならそれで満足だと漏らす。

攻撃の陣形では左翼を担当することになっているブライエニーは、登り坂での戦いなら抵抗できるとジェイミーに話す。いつもと違い、最後まで茶化すことなく聞いたジェイミーにブライエニーは不信感を覚えるが、ジェイミーは「ウィンターフェルに来たのは……」に続く言葉を飲み込んで言った。
「あなたの指揮下で役に立てれば光栄です」

ジョラーは居室にデナーリスを訪ね、ヴォランティスからミーリーンへ向かう途中、幾度、海に放り投げようと思ったかしれないほど嫌いだったティリオンが“女王の手”になったと知った時の胸の内を話す。その上で、過ちを犯しながらも学んでいるティリオンの頭脳を信頼しているともいい、デナーリスにこの戦いでティリオンを生かすためにある提案をする。

内密に話がしたいというデナーリスの申し出を受けたサンサは、ジェイミーを迎え入れたのは誰よりもブライエニー・タースを信じているからだと説明。デナーリスがティリオンの失態を嘆くと「家族とは複雑なものです」と慰めた。さらに男たちを率いている女という共通点がありながら対立しているのは、ジョンが原因だと推測するデナーリスに言った。

「彼はあなたを愛している」
「それが気に入らないと?」
「男は女のために馬鹿なマネをする。簡単に操れるわ」
「人生の目的は鉄の玉座ただひとつ。私の家族を壊した簒奪者から奪い返す。あなたの家族も危なかった。彼らに完全に壊されるところだった。私の戦いは彼らを潰すことだったのよ。ジョンに出会うまでは。そして、今、鉄の玉座から遠く離れたここにいる。ジョンとともに彼の戦をたたかっている。それで誰が誰を操ったと?」
サンサはデナーリスの顔を凝視してから答えた。

「――あなたがここに来た時に感謝するべきだった。私が間違っていたわ」
「ここにいるのは、あなたの兄を愛しているから。彼を信頼している」
しかし、サンサが知りたいのはその先だった。死の軍団を倒し、サーセイを倒した後は……。
「私が鉄の玉座に就く」
きっぱりと言ったデナーリスにサンサが問う。
「私たちは奪われた北部を奪還した。そして他の誰にも忠誠を誓わないと断言した。北部はどうなる?」
言葉を選ぶデナーリス。しかしその答えをサンサは聞けなかった。学匠が来客を告げたのだ。

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来客はシオン・グレイジョイだった。シオンは姉のヤーラが鉄諸島の奪還へ向かったことをデナーリスに報告。そしてウインターフェルのために戦いたいとサンサに願い出た。涙を浮かべて抱き合う二人をみて、デナーリスは誰も立ち入ることのできない絆を感じる。

ダヴォス・シーワースはシチューの配膳役を買って出て、ウィンターフェルに避難してきた北部の民と子どもたちに分け隔てなく接する。そのなかに、顔に大きな傷を負った少女がいた。
「兄も戦士だったから自分も戦いたい」
迷いのないその顔に在りし日のシリーンの姿を重ね、ダヴォスとジリは地下へ向かうちいさな背中を見送った。

角笛を聞いて中庭に飛び出してきたジョン・スノウは、最後の炉端城(ラスト・ハース)で合流し、死の軍団に先んじて到着したエディソン、ベリック・ドンダリオン、トアマンドをサムと共に迎え、再会の抱擁を交わす。彼らはアンバー家を加えた死の軍団が夜明け前にここへ到達することを告げた。表情を固くするジョンに構わず、トアマンドは言った。
「ところで、あのでかい女は生きているか?」

「死の軍団は夜の王(ナイトキング)が生み出し、奴の命令だけに従う。奴を仕留めない限り、勝ち目はない」
最後の作戦会議の席でジョン・スノウは改めてそのことを告げる。そして三つ眼の鴉であるブランは、居場所を知られている自身が囮となって神々の森で待つと話す。人間の世を消滅させたい夜の王(ナイトキング)は、人間の記憶そのものであるブランを必ず消しにくるからだ。

ブランの護衛は、アリアとシオンが願い出た。おまえを守らせてくれ。シオンの言葉にブランは黙って頷いた。
デナーリスは、ダヴォスとともに合図を送る役目を果たすことになっていたティリオンに、地下の民を守るよう指示。身体ではなく、頭脳を生かせ。それはティリオンを“女王の手”として信頼するジョラーが、デナーリスに提案したことだった。

そしてジョンは、夜の王(ナイトキング)に悟られない距離、ブランのところへ向かった時にすぐさま後を追える距離で亡者(ワイト)たちと戦いながらブランを守ると話す。

ところで夜の王(ナイトキング)はドラゴンの炎で焼けるのか?
アリアの疑問に答えたのはブランだった。
「分からない。今まで誰も試したことがないからね」

散会後、その場に残ったのはブランとティリオンだった。思えば、半身不随となったブランのために特製の鐙と鞍を設計させたのはティリオンだった。
「妙な旅路を生きてきたな」
「確かに。他の人と比べるとね」
「聞かせてくれ」
話せば長いというブランの隣に、ティリオンは椅子を寄せて腰を下ろした。

いよいよ日が暮れ始めた中庭で、グレイ・ワームは戦いの後のことをミッサンディと話す。
「デナーリスが王座に就けば俺たちの居場所はない。俺は彼女の敵を倒すために戦うが、彼女が勝ったとして、ここで生涯を過ごせるか?他にやりたいこと、見たいものはないか?」
「ナース。浜辺がまた見たい」
「連れて行こう」
グレイ・ワームはミッサンディを守ると約束する。

城壁の通路には、冥夜の守人(ナイツ・ウオッチ)として黒の城(カースル・ブラック)で苦楽をともにしてきた3人―――ジョン、サムウェル・ターリー、エディソンが顔を揃えている。傍らにはジョンの大狼(ダイアウルフ)ゴーストの姿もある。
地下でジリと赤ん坊のサムを守っていてもいいんだぞと言うジョンに、サムは胸を張って答える。
「ホワイト・ウォーカーを最初に倒したのは俺だ。ゼン族も殺した。ジリを何度も守り、知識の城(シタデル)から何冊も本を盗んだ。“最初の人々との戦い“でも生還した。戦場では俺が必要だ」
エディソンは思わず笑って首を振る。
「サムウェル・ターリー。白き魔物退治のサム。色男。世界が終わる暗示はもう十分だ」
嫌な冗談だが、サムは神妙な顔で答える。
「黒の城(カースル・ブラック)でのあの日々を忘れるな。俺たち。グレン。ピップがいた」
「残ったのは俺たち3人」
「最後の男は殺された仲間を焼け」
彼らが見渡すウィンターフェルには闇が拡がっている。

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ティリオンとジェイミーが暖炉の前で酒を飲みながら初めてウインターフェルへ来た当時の思い出話をしていると「温かい場所を探しているうちにここへ」と言って、ブライエニーが入ってきた。従士のポドリック・ペインも一緒だ。
「戦いの前だ。少しだけにしておけ」
ブライエニーの忠告を聞き流し、ティリオンはポドリックのグラスになみなみとワインを注いでにんまりと笑う。そこへダヴォスとトアマンドも加わり、暖を取りながら決戦前夜を一緒に過ごす。
「あなたがいて良かった。東の物見城(イーストウォッチ)で生き抜いて良かった」
ブライエニーの言葉に機嫌を良くしたトアマンドは10歳で巨人の妻を寝取り、それ以後の3ヵ月、彼を子どもと勘違いした巨人の乳で育ったという逸話を話し、持参した“巨人の乳”を飲み干す。

最後の夜をじじいと一緒に過ごすのは嫌だと言ってサンダー・クレゲインとベリック・ドンダリオンがいる城壁を離れたアリアは、地下で弓の感触を確かめた後、頼まれていた剣を持ってきたジェンドリーと肌を合わせる。「死ぬ前にどんな感じか知っておきたい」と言われて断れることができる男はいない。

「伝統なんてクソだ」
女性というだけでブライエニーが騎士になれないと知ったトアマンドは、そう吐き捨てた後、「俺が王なら君を即座に騎士にする」と言った。それを受けたジェイミーは「王は必要ない。騎士がいれば彼女を騎士にすることは可能だ」と断言。酒をテーブルに置き、ブライエニーにひざまずくように指示して剣を抜いた。ブライエニーは席を立ってジェイミーの前に進み、男たちも席を立って見守る。
ひざまずいたブライエニーの右肩に剣を置き、ジェイミーは静かに告げる。
「戦士の名において、そなたを勇者とする」
左肩に剣。
「父の名において、そなたを公平な者とする」
頭上に剣。
「母の名において、罪なき者を守る者とする」
剣で右肩を撫で、ジェイミーは続ける。
「立て。七王国の騎士、ブライエニー・タース」
ゆっくりと立ち上がるブライエニー。
ジェイミーの粋な計らいに、男たちは喝采する。
ブライエニーは涙を浮かべ、ジェイミーの前で白い歯を見せて笑った。

「聞いてください。あなたはモーモント家の未来なのです」
中庭ではジョラーが鎧に身を固めているリアナ・モーモントの説得に当たっていた。リアナは地下に隠れていてほしいというジョラーの願いを聞き届けるつもりはないらしく「従兄上もお気を付けて。幸運を」と言い残して去っていった。ジョラーはやれやれという顔で見送る。
そんなジョラーに、サムウェル・ターリーはオールドタウンの生家から持ち出したヴァリリア鋼の名刀『ハーツペイン』を差し出す。
「父がそうしたように、私も人の領域を守る」
ジョラーはそういって受け取り、サムは最後の言葉を贈った。
「勝利を願います」

酒が底をつき、いよいよ決戦に向けて身体を休めるしかないという段になって、ティリオンに促される形でポドリックは歌う。

今は亡き王たちの城で
ジェニーは亡霊たちと踊る
彼女が亡くした者 見つけた者
そして彼女を最も愛した者
長い間 行方が知れず
名前さえ忘れ去られた者たちと
湿った古い石の上で彼女は踊り
哀しみと苦しみが飛ばされた
そして彼女はずっと離れられず
ずっと離れられず
ずっと離れられず
ずっと離れられず……

ジョンは地下墓所のリアナ像の前で、ついに自らの出生の秘密をデナーリスに話す。
「俺の本当の名は、エイゴン・ターガリエン」
鉄の玉座の正当な後継者は、目の前にいる。
動揺を隠せないデナーリスの耳に、死の軍団を来襲を告げる角笛の音が届いた。

『ゲーム・オブ・スローンズ』のジェイミー・ラニスター/ニコライ・コスター=ワルドーの良作3本
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