()ネタバレを含みます。ドラマを見て確認したいことがあった時などにお役立てください。
公正な裁判を求めてアメリカ大使館に投降したハッカニをグロムに引き渡し、カブール支局に戻ったソールは、キャリーがグロモフとともに空港から消えたと報告を受ける。
平然と「マックスを捜しに行ったのだろう」と答えるソールに、マイク・ダンはFBIに報告すると憤るが、ソールは表情を変えず「キャリーを捜して連れ戻せ」と伝える。
パキスタンのカイバル・パクトゥンクワ州を移動する車中で、ハッカニの投降についてグロモフに聞かれたキャリーは答える。「ヘリを撃墜したのはハッカニじゃない。でも今頃CIAは、反逆者の私が、タリバンと繋がっているあなたに大統領のヘリ移動の情報を流したと確信しているでしょうね」
グロモフは多くを語らず車を走らせる。
協力者に案内され、車はやがて小さな村に到着する。そこはかつてCIAがパキスタン軍統合情報局(ISI)の謀略とは知らずに無人機爆撃を指示し、結婚式に参加していたアーヤン・イブラヒム(ハッカニの甥)の姉と母など12人の民間人の命を奪った場所だった。
簡素な墓標を前に「知っていて連れてきたのね」と怒りをあらわにするキャリーにグロモフは言う。
「俺たちはアメリカの爆弾で犠牲者が出た町へ来る。そしてモスク(イスラム教の礼拝堂)を再建し、人々の生活が元に戻るのを助けて友人になる。そういう仕組みだ。ここへ来たのは偶然じゃないが、君をバカにしてはいない」
そしてグロモフはマックスの居場所がわかったと告げた。
すべての裁判はグロムの意のままになると分かっていながらも、ソールはスコット・ライアン、主席補佐官のデヴィッド・ウエリントンを交えて公正な裁判を行うための打開策を探る。そして女性裁判官のタジク・カディールに会い、ハッカニの無実を証明する機密情報(息子ジャラールとの無線通信の音声)をどうすれば裁判で証拠として使えるか相談しようと決める。
しかし、その場に現れたベンジャミン・ヘイズは、明日、ワーナーの遺体が基地に戻ってくるのに暗殺犯を救う方法を議論していることが信じられないと言い、機密事項や諜報活動について明かすことは許さないと主張。代わりの施策を出せと伝えて部屋を出ていった。
ベッドに拘束されたマックスと再会したキャリーは、フライトレコーダーはコハトという町にあることを聞く。そして銃弾が残っている背中をみて抗生物質を打とうとするが、その直後、マックスはタリバンに連れ去られてしまった。怒りをぶつけるキャリーを制し、グロモフは協力者の頬に札束を押しつけて行き先を聞く。
ワーナーの棺を迎えるためデラウエア州のドーバー空軍基地に出向いたヘイズは、同行したウエリントンと並んで歩きながら「人の目を盗み、CIAと危機管理室で相談するな。彼らは秘密結社でリーダーはワーナーを死に追いやった男だ」と非難し忠誠を要求。ウエリントンが「誰かが彼らから情報を引き出さなければならない」と反論すると「ならば漏らさず情報を集めて報告しろ」と命じた。
ウエリントンは身の振り方を考えはじめるが、ファーストレディだったドリスは慰めの言葉を遮って言った。
「爆弾を落としておいて空の棺を運ばせたのは、自分の威信のためでしょ」
ヘイズはグロムをこの場に呼んだことに憤怒するドリスの手を振りほどき、グロムを迎えた。
「ようやく会えましたね、大統領」
何としてもハッカニの裁判を遅らせたいソールは、タリバンとの和平の件で対立を続けてきたパキスタン軍統合情報局(ISI)タスニーム・クレイシと元中将ブンラン(バニー)・ラティーフに会う。そして「ハッカニが処刑されたら経験の浅い我が国の大統領は戦争を選び、その戦火は間違いなくパキスタンに及ぶ」と説得し、協力を求める。
バニ-は「アフガン戦争、9.11後。アメリカは都合のいい時だけ友達だと言って我々を利用してきた。また同じ過ちを繰り返すのか」と非難するが、最終的には「戦火はもう見たくない」という理由でソールの要請に合意した。
ソールとタスニームはその夜、女性裁判官のタジク・カディールと面会。「ハッカニが大統領の暗殺を指示していない証拠を持っているが、機密情報のため提出できない」と説明。タジクは呆れて追い返そうとするが、タスニームはテーブルに置かれたノートPCを捜査して証拠となる映像を見せる。それはタスニームが指示した襲撃によって燃え上がった車だった。
「8日前、ハッカニはこの車に乗っているはずでした。彼が和平を望んでいると知り、私が襲撃させたのです。それでも彼は和平を実現して祖国へ還るという意思を変えなかった。彼は大統領を殺していません」
タジクは裁判を延ばせるとしても1週間が限度だと答えた。
マックスを連行したタリバンを追って、周囲に身を隠す場所のない荒野の一軒家にたどり着いたキャリーは、グロモフの衛星電話を使ってカブール支局へ連絡。マイク・ダンに現在地とタリバンの人数を伝え、特殊部隊に救出を要請してほしいと頼む。
やがて、一軒家に2台の車が到着する。高台に場所を移して注視していたキャリーの目に映ったのは、ハッカニに捨てられてタスニーム・クレイシに拾われた男――ジャラールだった。ハッカニの息子は発熱して衰弱しているマックスに訊く。「ヘリを撃った者を見たのか?」
ジャラールの目的は人質交換だと察したキャリーは、再度マイクに連絡。特殊部隊の出動を急がせてほしいと頼むが、この状況がロシアに漏れていることを怖れるマイクは、マックスの貢献と命を棚上げし、手は尽くしている答えて交信を打ち切った。特殊部隊は来ない。諦めたキャリーはグロモフの銃を持ってマックスの様子を見に行く。
翌朝、投獄中のハッカニに面会したソールは、審理が延期されることを伝え、その間に無実を証明する証拠を捜すと話す。
しかし、傍聴席はハッカニの死を願う人々で埋め尽くされており、裁判長席に着いたのはタジクではなかった。老齢の裁判長は牢に入れられたハッカニを睨みつけて速やかに判決を下す。
「死刑」
傍聴席の民衆は快哉を叫ぶ。
席を立ったソールは、ウエリントンに電話を入れ、刑の執行を止めさせるようヘイズに頼めと伝える。
ウエリントンは難しいと答える。ヘイズは昨日、グロムと会談してアフガニスタン政策の刷新を決めたばかりだからだ。
保身のためにヘイズに忠誠を誓った首席補佐官は、執務室に外交政策コンサルタントのジョン・ゼイベルが来ていることを告げ、電話を切った。
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