ミーリーン
ミッサンディとグレイ・ワームは共通語のレッスンを機にお互いの過去について話し、距離を縮めていく。デナーリスはそんな二人をに温かい目で見守る。
ミーリーンの地下には奴隷たちが集まり、デナーリスを信じて自由への道を切り拓くか否か、議論を戦わせる。
奴隷に変装した数人の”穢れなき軍団(アンサリード)”を連れ、その場に潜入したグレイ・ワームは「自由な1日は奴隷の一生より価値がある」と説得。戦おうにも武器がないと言って躊躇する奴隷たちに剣を差し出した。
「親方1人につき3人の奴隷がいる。誰もおまえらに自由を与えることはできない。自由がほしいなら、自分の手でつかみ取れ」
そして奴隷たちは親方を倒し、首輪を外してデナーリスを崇めた。
「ミサ!」と。
デナーリスは生きたまま里程標(りていひょう)にされた163人の奴隷たちの苦しみを思い知らせるために、同じ数の親方を里程標にせよと命じる。
バリスタン・セルミーは「町は落ち民はあなたのものになったのだから、卑劣な行為に慈悲で応えては」と進言するが、デナーリスは「卑劣な行為には正義で応える」と一蹴。ミーリーンには、張りつけにされた親方たちの慈悲を乞う声がこだました。

キングズ・ランディング
人気のない海岸での剣術の稽古をしながら、ジェイミーはブロンに弟がジョフリーを殺したと思うか?と訊く。
ブロンは「殺すのはあいつらしくない。ましてや毒殺などあり得ない。やったと思うのなら、会って直接訊ねたらどうだ」と答え、ティリオンに雇われるきっかけになった高巣城(アイリー)の決闘裁判について話した。
「俺が代理人になったのは、奥方(レディ・ライサ)が即日決闘を望んだからだ。あいつはあんたを指名した。すぐに馬で駆けつけてくれると固く信じていたからだ。今度は戦う?」
ジェイミーは答えなかった。
ジェイミーは”王の楯(キングズ・カード)”の総帥である以上、ティリオンをここから逃がすことはできないし、サーセイは真犯人が現れて証拠を出したところティリオンの首を跳ねようとする――。ジェイミーが牢獄を訪れてみても、話がそれ以上進むことはなかった。
狭い海(ザ・ナローシー)
高巣城(アイリー)へ向かう船内で、ピーター・ベイリッシュはサンサにジョフリー暗殺の真相を明らかにする。ドントスに渡されてサンサが身につけていた首飾りの宝石のひとつに、毒が仕込まれていたのだ。
サンサが半ば呆れて望みは何?と訊くと、ベイリッシュは笑みを浮かべて答えた。
「すべてです。ラニスター家との関係は生産的なものでした。しかしジョフリーは、王冠を被っている上に凶暴で信頼が置けなかった。信用ならぬ友だった。私の新しい友は、気まぐれではありません。ジョフリーの悲劇を、新しい友が切に願ったのです」
ベイリッシュの新しい友――それはどうやら、レディ・オレナらしかった。
キングズ・ランディング
レディ・オレナは、ジョフリー暗殺事件の裁判を待たずにハイガーデンへ戻るとマージェリーに告げる。
その上で、自身が若かった頃、性戯がどれだけ巧みだったかを聞かせ、サーセイがジョフリーの死を悼み、犯してもいない罪で弟を責めている隙にトメンを落として結婚しなさいと伝える。
「何も心配しないで必要なことをすればいいの」
レディ・オレナは、マージェリーの首飾りを触りながらそう言った。
サーセイはジェイミーを呼びつけて「今すぐ人殺しのサンサを追いかけて首を持ち帰って」と悪態をついた挙げ句、トメンの部屋の前の警護を4人にせよと命じる。
しかしその夜、トメンの部屋にはマージェリーが。マージェリーは「私はあなたの妻になるそうです」と言い、トメンの額にキスをして出て行く。トメンはぐっすりと眠った。
ジェイミーはタイウィンから譲り受けたヴァリリア鋼の剣と漆黒の鎧をブライエニー・タースに渡し、彼女が仕えたレディ・キャトリンの娘サンサを守ってほしいと頼む。ブライエニーはその剣を”誓約を果たすもの”(オウス・キーパー)と名付け、彼女の従士となったポドリック・ペインとともにキングズ・ランディングを離れた。
黒の城(カースル・ブラック)
「野人は両手で武器を持つ者が多いから、まず武器を奪い五分に持ち込むんだ」
ジョン・スノウは中庭でグレンを相手に野人との戦い方を実践してみせる。それを見ていたオリー(野人たちに親を殺されて黒の城(カースル・ブラック)へ助けを求めに来た少年)がやろうとするが、ジョンが止め、代わりに別の二人を指名する。
そのうちのひとりは、ロック――。ロブ・スタークの命を奪ったルース・ボルトンの命を受けて、ブランとリコンを探し来たボルトン家の傭兵。そんなことを知る由もないジョンは、戦い慣れているロックは戦力になると歓迎する。
しかし、ジョンのやることはすべて気に入らないアリザー・ソーンは彼らを散会させ、ジョンには雑士(スチュワード)の仕事をしろと命じる。そして腰巾着のようにアリザーについて回っている新参者のジャノス・スリントは、メイスター・エイモンが間もなく行うであろう選挙によって、ジョン・スノウが新たな総帥になることを警戒する。
アリザー・ソーンがクラスターの砦への出兵を認めたので、ジョンは食事のテーブルについた冥夜の守人(ナイツ・ウオッチ)たちに声をかけ、一緒に来てくれる者を募る。
「クラスターの砦までは片道100キロ。マンス・レイダーの軍もいる。だが行かねば。マンスに後れを取れば全員死ぬかも知れない。反逆者たちは黒の城(カースル・ブラック)の現状を知っている。マンスたちに知られたら終わりだ。そして、このことをよく考えてくれ。冥夜の守人(ナイツ・ウオッチ)が兄弟なら、モーモント総帥は父だった。我々のために生き、臆病な部下たちに裏切られ命を落とした。総帥のため、俺たちの手で正義をもたらそう。志願者は?」
真っ先に立ち上がったのはグレンだった。次いで、エディソン・トレッド、そしてロックも立ち上がった。クラスターの砦を目指せばブランとリコンを見つけられると踏んだのだ。ジョンは新兵は連れていけないと断るが、誓いをたて、アリザーが認めたため同行することになった。
クラスターの砦
カール・タナーはジオー・モーモントの頭蓋骨を器にしてワインを飲み、ラストと他の反逆者たちはクラスターの妻たちを犯し続けていた。元殺し屋のカールは傍若無人に振る舞い、クラスターの最後の息子をホワイト・ウォーカーに捧げに行けと命じる。
ラストは森の奥深くまで入り、泣き続けている赤子を置き去りにして戻る。
その赤子の泣き声は、クラスターの砦の近くで野宿をしていたブラン・スタークたちにも届いた。ブランは大狼(ダイアウルフ)のサマーに潜り、赤子の声がする方向へ偵察に出かける。サマーは檻のなかに閉じ込められているジョン・スノウの大狼(ダイアウルフ)ゴーストの姿を確認したあと、罠に落ちて動けなくなる。
翌朝、ブランたちはクラスターの砦へ向かい、茂みの影に隠れがながらウオッチの反逆者だちの姿を確認。女たちが犯され、傷つけられていると知ったミーラ・リードは「奴らはもう守人じゃない。危ないからここを離れよう」と言う。
しかしブランはサマーを連れ戻すと言い、ジョジェン・リードもそれに同意。ミーラは諦めてサマーが罠にかかった東側へ向かおうとするが、周囲を偵察していた守人の反逆者たちに取り押さえられてしまう。
ホーダーは鎖を巻かれて大腿部に槍を受け、ブランたちは屋敷のなかに運ばれてカールに尋問される。ブランは殴れても黙秘を続けるが、てんかんの発作を起こしたジョジェンを助けるために正体を明かす。
ジョン・スノウの弟と知ったカールは「今日も退屈な日になると思っていたがな」と言って薄笑いを浮かべる。
常冬の大地
クラスターの最後の息子を預かったホワイト・ウォーカーは、亡者(ワイト)の馬に跨がり、彼を常冬の大地と呼ばれる遙か北の地まで連れてくる。氷の柱が円形に突き刺さっているサークルの中央に寝かされた赤子を抱き上げたのは鎧を纏い、額に角を持つホワイト・ウォーカーだった。
かれが人差し指の爪で赤子の頬を刺すと、赤子の眼の色がブルーに変わった。
ゲーム・オブ・スローンズ season4『第4話/誓約を果たすもの』の地図と登場人物



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