リヴァーラン城
父ホスター・タリーの葬儀に参列したキャトリンは、弟のエドミュア・タリーの火矢がホスターを乗せて河を進む小舟に届かないことに気を揉む。やがて、ホスターの弟で”漆黒の魚(ブラックフィッシュ)”の異名を持つブリンデン・タリーがしびれを切らせてエドミュアから弓を奪った。ブリンデンは右へ左へと揺れる旗をじっと見て風を読むと、一投でホスターを火葬した。
葬儀が終わるとロブ・スタークはエドミュアとブリンデンを前に、ストーン・ミルでの戦いについて言及。作戦の真意を理解せず、闇雲に戦って208人もの兵を失い、意味のない人質を穫って満足しているエドミュアに対する苛立ちを隠せない。最期には「タイウィン・ラニスターくらい辛抱ができれば」と敵将を称える有様だった。
キャトリンは父の最期を看取ってくれたブリンデンに感謝し、亡き父との思い出を語る。ブリンデンも長く続いた兄との確執の原因が小さな行き違いだったと最期にわかって良かったと話す。そして「もうウィンターフェル城に戻ることは叶わない」と肩を落とすキャトリンを「諦めるな。また会えると信じろ。母親なら、息子のために強くあれ」と励ました。
キングズ・ランディング
サーセイとティリオン、小評議会の参議たちを集めて、タイウィン・ラニスターは「2万人の北部人がジェイミーが逃亡したと知って数週間が経っているというのに、なぜ足取りがつかめないのか?」と苛立ちをぶつける。
「どこよりも多くの密告者を抱えていながら、努力が足りない!」と叱責されたヴァリスは、ロブ・スタークがリヴァーラン城にいる今、ハレンの巨城(ハレンホール)の留守はルース・ボルトンが務めていると報告。
タイウィンは「それは気にせず、ハレンの巨城(ハレンホール)の城主としてライサ・アリンと結婚しろ。すぐに高巣城(アイリー)へ行き、彼女を口説け」とピーター・ベイリッシュに命じる。うまく事が進めば、ロブ・スタークは叔母まで敵に回すことになる。
誰もが賛同するなか、ティリオンは、王の婚礼という巨額の出費が見込まれる時期に財政を担うベイリッシュが王都を離れるのはよくないと異を唱える。するとタイウィンはもっともな意見だとうなずき、ティリオンを新たな大蔵大臣に任命した。
大蔵大臣となったティリオンは王家の財政事情を調べるためにベイリッシュからこれまでの帳簿を預かり、従士のポドリック・ペインに部屋に運ぶように命じる。その後を追ってロスが部屋を出ていくと、ベイリッシュは「あなたのおかげてロスをサーセイから取り戻すことができた」と礼を言った。
しかし「数回寝たことがあるだけで、もともとはサーセイの勘違いから始まった」とティリオン。ベイリッシュは誤解を生んだ要因を知りたがったがティリオンは「本人に聞け」と言って部屋を出ていく。
要件を済ませたティリオンはブラックウォーター湾の戦いでの功績を称え、女性を知らないポドリックに3人の高級娼婦と楽しむ時間をプレゼントする。
ポドリックは、分厚い帳簿を丹念に調べていたティリオンが王家にはタイウィンだけでなく、ブレーヴォスの鉄の銀行(アイアンバンク)にも多額の借金をしていることを知った頃、部屋に戻ってきた。
そして、財布を返した。その中身が減っていないことに気付いたティリオンは、娼婦たちが大蔵大臣に気を遣ったのかと考えたが、ポドリックが「娼婦たちはみんな喜んでいました」と答えたので、お金を払わずに娼婦を抱いたことがないティリオンとブロンは詳しく事情を聞かせろと詰め寄る。
王の道
多勢に無勢でボルトン家の傭兵たちに囚われたジェイミー・ラニスターとブライエニー・タースは「おまえが早く鎖を切っていたら」「噂のジェイミー・ラニスターの剣もたいしたことはなかった」と馬上で罵り合う。
巨漢で美しいとは言えないブライエニーであっても男たちは欲望のはけ口として彼女を見ていて、日が暮れてあたりが闇に包まれると暴行を加え、森の奥へと連れていった。
捕まった時からこうなることは覚悟していたはずだ――。
ジェイミーは目を閉じ、ブライエニーの叫び声を聞き流そうとするが、どうしてもそうすることができず、傭兵部隊の頭――ロックに話しかけた。
「あの女の父親はセルウィン・タース公だ。タース島はウエスタロスで唯一のサファイヤの産地と知っているよな?娘を無傷で返せばサファイヤをもらえるはすだ」
欲深い男はブライエニーへの暴行をやめさせた。
ロックにジェイミーはささやく。
「俺を解放すれば、おまえも息子もその息子も一生不自由なく暮らしていけるだけのお金が手に入る。土地も称号も思いのままだぞ。それに北部軍はこの戦いに勝てない」と。
ロック は頷いてジェイミーの鎖をほどき、食事を用意させると言った。
しかし解放する気はまったくなく、ジェイミーを大木の切り株の上に組み敷き、髪をつかんで剣を向けた。
「誰よりも賢いつもりでいるのか?ラニスターだと言えば皆が跪いて靴を舐めるとでも思っているのか?親父の力では解決できない問題もあるということを忘れるな」
ロックは大きく腕を振り上げ、その手に持った剣をジェイミーの手首に叩きつけた。
ホット・パイはパンを焼いたら女将に褒められたからこの旅籠に残ると言い、アリアに狼の形をしたパンを渡して別れを告げる。
ソロスは「おまえは捕虜ではではない。スターク家の娘は狙われているから、仲間として守ってやろうって話だ」と笑い、アリアを馬に乗せる。サンダー・クレゲインはアンガイが馬車に乗せた。
最初の人々の拳
”最初の人々の拳”到着したマンス・レイダーは、切断した馬の頭部が渦巻き模様に並べられているのを見て「いつもながら芸術的だ」と感心する。
しかし、狼潜り(ウォーグ)のオレルが見たといいう冥夜の守人(ナイツ・ウオッチ)の偵察隊の死体がどこにも見当たらない。「ここにいた300人が今、どうなっているのかわかるな?」というマンスの問いかけにジョンは頷くが、生き残っている可能性も棄てきれない。
マンスは言う。
「冥夜の守人(ナイツ・ウオッチ)の精鋭たちは死んだ。北へ行くという大きな賭けに出て敗れたんだ。そしてモーモントが今、どんな姿でいるにせよ、”壁”へ戻るには遠すぎる」
そしてマンスは20人を連れて”壁”を登れとトアマンドに命じる。黒の城(カースル・ブラック)への案内役として同行させるジョンについては「使い物にならなかったら”壁”から放り投げていい」とマンス。作戦は夜襲。”壁”は片側しか見張りがいないうえに身を隠せるくぼみもあるので黒の城(カースル・ブラック)の近くに潜み、夜を待つのだ。
「合図は?」と聞いたオレルにマンスは答える。
「毎晩、”壁”の上に鷲を飛ばせ。そのときが来たら、北では見たこともないようなでかい火を焚いてやる」
クラスターの砦
ジオー・モーモントら生き残った100人は、クラスターの砦で食事にありつく。
その間、ずっと聞こえていた女の叫び声が気になったサムウェル・ターリーは、その声の主を探す。すると、往路でここへ寄った時に「助け出してほしい」と頼まれて以来、ずっと気になっていたジリが、まさに今、赤子を産み落とそうとしていた。
やがて大きな泣き声が響き渡る。出産の瞬間をサムは見届けた。
「どっち?教えて!」懇願するジリ。産婆が何も言わないので自分で確かめると、女の子ではなかった・・・・・・。
北部の居城
明け方になってシオンは、姉ヤーラの使いだという若者に助けられ、馬を手に入れる。若者は東に行けば姉上が待っているという。
シオンは「鉄諸島の貴族にしてやる」と約束し、馬を追った。
若者に言われたとおり東(陽が昇る方向)に逃げたシオンだったが、ヤーラの姿はなく、代わりに矢が飛んできた。馬を追って森の中を突っ走るシオン。しかし先回りされて攻撃を受け、男色の騎士に強姦されそうになる。
それを救ったのは、またしてもあの若者――ルース・ボルトンの落とし子(私生児)ラムジー・スノウだった(※正体が明らかになるのはシーズン4の第2話です)。
彼は騎士たちを全員弓で射貫くと「冬が来ます」と言ってシオンに手を差し伸べた。
ドラゴンストーン城
スタニス・バラシオンは、行き先も告げずに島を離れようとするメリサンドルを引き留め、レンリーと同じ方法でジョフリーとロブ・スタークを亡き者にせよと命じる。
しかしメリサンドルは身も心も弱っている今、それをやれば陛下の命に関わると拒絶。そしてもっといい方法があると話す。それは生け贄を捧げること。『光の王』(ロード・オブ・ライト)が求めているのは、王と同じ血を持つ者だという。
アスタポア
今夜ここを発ち、ペントスとミアで傭兵を探すと独断で決めたバリスタン・セルミーに、ジョラー・モーモントは意義を唱える。デナーリスの兵としてふさわしいのは、感情に左右されずデナーリスが望む者だけに死を与えられる”穢れなき軍団(アンサリード)”であり、剣を握ると野獣のごとく残酷になり、無辜の民を犯して虐殺する男たちではないと考えているからだ、
一方のバリスタン・セルミーは、鉄の玉座をつかむにはお金で買った奴隷ではなく、王を信じ、王のために命を賭して戦える屈強な兵士が必要と主張。そう、デナーリスの兄レイガー・ターガリエンの軍のように――。
しかしレイガーは、気高く戦い、そして死んだのだった。
最終的にデナーリスは、アスタポアにいる8,000人の”穢れなき軍団(アンサリード)”と通訳を務めていたミッサンディを買うと決め、奴隷商人のクラズニス・モ・ナクロツと交渉。2人の”女王の楯(キングズ・カード)”が止めるのも聞かず、最も大きなドラゴン一頭と交換するということで商談をまとめた。そしてジョラーとバリスタンには「今後、人前で私の意見に意義を唱えるなら、二度と相談しない」と言い含める。
デナーリスが侍女となったミッサンディに「戦場で飢え、病み、殺されるかもしれない。恐怖はないか」と聞くと、彼女は高地ヴァリリア語で答えた。
「ヴァラー・モルグリス」
「そう。男は皆、死ななければならない――。でも、私たちは女よ」
デナーリスの言葉にミッサンディは笑みを浮かべた。
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