ホームランド シーズン6の背景
シーズン6の初回放送日は2017年1月15日。シーズン5終了から数か月後のニューヨークを舞台に、史上初の女性次期大統領と反政府勢力との戦いが描かれます。
背景にあるのは、イランと6カ国(米・英・仏・独・ロ・中)が2015年7月に結び、国連の安全保障理事会でも決議された「核合意」。
合意内容は、イランが濃縮ウランや遠心分離機を大幅に削減し、これを国際原子力機関(IAEA)が確認した後、見返りとしてイランへの経済制裁を段階的に解除するというもので、IAEAの定期的な査察によってイランが合意事項を順守していることが確認されました。
(※2018年5月、オバマ前大統領の功績をすべてひっくり返したいトランプは核合意からの離脱を発表しました)
ホームランド シーズン6の登場人物
()ネタバレを含みます。ドラマを見て確認したいことがあった時などにお役立てください。
キャリー・マティソン
(クレア・デインズ)
デューリング財団を退社して帰国。イスラム教徒を差別から守るNPO法人の代表に。次期大統領エリザベス・キーンの政策アドバイザーも務める。フラニーとの穏やかな日々は、セクーの逮捕と爆死、クインとの同居によって激変。何よりも大切なフラニーを理不尽な理由で児童福祉局に奪われ、キーンにも見限られて、裁判所命令で精神鑑定とセラピーを受け、判事の裁定を待つという状況に直面。鬱状態に。それでも、ジャバディを入国させ、イランの核合意の真実をキーンに伝えるというソールの作戦に参加。その一方でクインが見つけた謎の男やキーンを凶弾するブレット・オキーフの背後にいる黒幕に近づき、キーンを狙ったテロを防ぐが……。その先にはさらに過酷な現実が待っていた。
ソール・ベレンソン
(マンディ・パティンキン)
イランの核合意違反疑惑を調べるため、アブダビで革命防衛軍の主計官ファルハド・ナフィシと、ヨルダンでジャバディと密談し、モサド(イスラエル諜報特務庁)による捏造とダール・アダルの関与を確信。娘を奪われて失意のどん底にあったキャリーに、キーンの前でジャバディに証言させるため力を貸してほしいと頼む。会談は実現するが、ジャバディが裏切りイランの核合意違反を認めたため作戦は白紙に。アダルを反逆罪で訴追するにはベルリンでの機密文書漏洩責任を問うしかないという状況になるが、そうすれば自身がロシアのスパイ(アリソン・カー)と恋仲だった事実が公になり、CIAでのキャリアは終わる。懊悩した末、ミラに協力を頼んで出国を決意するが……。
ピーター・クイン
(ルパート・フレンド)
元CIA工作員。ベルリンで浴びたサリンガスの後遺症とPTSD、複雑な感情を抱えながらキャリーと同居。向かいの家から監視している男の目的と正体を探るが、”自爆犯”のセクーを釈放させたとして一斉に牙を剥いたマスコミからフラニーを守るため発砲。FBIに逮捕されるが、アダルから要請を受けたアストリッドによって救出され湖畔の山荘で暮らし始める。そこでも謎の男の追跡を続けるが、逆に追い詰められてアストリッドを喪い、自身も深手を負う。それでもアダルと接触して男の居場所を突き止め、アストリッドの復讐を果たす。しかし、その背後では彼をキーンを狙うテロリストに仕立てる計画が進んでいて……。
ダール・アダル
(F・マーリー・エイブラハム)
CIA長官。シリアからの撤退、CIAの改革を公言する次期大統領エリザベス・キーンを失脚させてCIAの歴史と誇りを守るため、トヴァ(モサド)、ブレット・オキーフ、ジェイミー・マクレンドンと共謀して秘密工作を実行。セクーを生け贄にし、ソールを裏切り、キャリーを遠ざけ、クインを欺き、コンリンを葬り、ジャバディを売り渡してミッションの完遂をめざす。しかし、自ら見出し、愛し、育ててきたクインが爆弾魔の汚名を着せられて死ぬことに耐えられずキーンの危機を救い、反逆罪で収監された。
エリザベス・キーン
(エリザベス・マーヴェル)
中東への軍事介入はもはや無益だと公言し、シリアからの撤退、CIAの改革を政策に掲げる次期大統領。9.11後、陸軍士官学校へ進んだ息子をイラク戦争(3度目の従軍)で亡くしていることもあり、戦争を終わらせるのが使命だと考えている。それ故に反対勢力からは陰湿で非道な攻撃を受け、誰を信頼すれば分からない状況に。それでも最大の敵はダール・アダルと確信してからは信念を貫き、ブレット・オキーフの対談要請を受けて勇敢な議論を展開し、退陣を要求するデモ隊からも逃げなかった。しかし、ジョージ・パリス、ロブ・エモンズが爆殺されたことで恐怖心に支配されたのか、就任後、ただちに政敵の粛正を開始。暗殺未遂の容疑で200名以上の一斉逮捕を敢行した。そのなかにはソール・ベレンソンも含まれていた。
マジッド・ジャバディ
(ショーン・トゥブ)
イラン革命防衛軍の中将。アメリカへの亡命を希望し、ソールの手引きでイラン訪米団に紛れて入国。裏切り者として拘束されるが危機一髪で切り抜け、24時間体制の警備と4,500万ドルを自由に使う権利を条件に、キーンの前で核合意は有効で北朝鮮の件はデマだと話すと約束。しかし当日は手のひらを返し「核合意は無効で、イランは北朝鮮と組んでいる」と証言。イランはアメリカの友人ではないと警告した。一生怯えて暮らすのは耐えられないという理由でまたしてもソールを裏切り、アダルに乗ったのだ。しかし、その先には絶望と後悔が待っていた……。
ブレット・オキーフ
(ジェイク・ウェーバー)
次期大統領エリザベス・キーンの政策に反対する政治活動家。1,500万人のユーザーを獲得しているサイト「リアルトゥルース」でキーンの言動のすべてを凶弾。軍隊を骨抜きにされ、同盟を放棄されること、世界国家としての威信を損なうことを危惧し、戦場から真っ先に逃げていくキーンの息子(アンドリュー・キーン)の映像を巧みな編集で捏造。生還した退役軍人たちには指揮官としてのアンドリューがいかに臆病だったかを証言させ、キーンの心をへし折った。その一方、ダール・アダル、ジェイミー・マクレンドンから資金提供を受けて密かに光ファイバー網集積施設を開設。有能なエンジニアを大量に採用し、膨大な数の偽ユーザーを作り出して世論を操作し、思想を弾圧する。
セクー・バー
(J.マロリー・マクリー)
ニューヨークに住むイスラム教徒の青年。母と妹との生活を守るため、高校を中退して配送会社で働いている。友人のサードの協力を得て自らのサイトで自爆犯や反米勢力への賛辞を続けていたところ、過激派に洗脳されていると見なされFBIに拘束される。キャリーが裁判所命令を無視して情報提供者(サード)と接触したため15年の刑が決定的となるが土壇場で無実となり釈放される。しかし、キャリーをキーンから遠ざけ、キーンにテロは常に近くにあるのだと理解させる、という身勝手な理由で、ダール・アダルが雇った傭兵に自爆テロに見せかけて殺害された。
サード・マスード
(レオ・マンザリ)
セクーの友人。元は麻薬売買を行うギャング団のリーダーで、レイ・コンリンに仲間を売ってFBIの協力者になった。キャリーの追求を受け、ナイジェリアにいる父親に会いに行くセクーに5000ドルを貸したのも、テロリストへの支援金を持っているとFBIに疑わせるためだったと白状した。
マックス
(モーリー・スターリング)
フリーランスの技術者で盗聴・監視のスペシャリスト。ファイヤーウォール、ネットワークにも強い。パキスタンでのファラ・シェラジの死からようやく立ち直り「暇だから」と言って、フラニーの子守、クインの介助、サード・マスードの行方捜しなど、キャリーの頼みを快く引き受ける。レイ・コンリンの死後は、彼が突き止めていた光ファイバー網の中継所に潜入。ブレット・オキーフとダール・アダルがキーンを排除するため共謀している証拠映像をキャリーに送る。
レダ・ハーシェム
(パトリック・サボングイ)
キャリーが代表を務めているNPO法人の弁護士。FBIに嵌められて15年の刑が決定的となったセクーに司法取引を持ちかける。キャリーの情熱と手腕を認めつつも、CIA時代のやり方でセクーの釈放を勝ち取ってしまったことを危惧する。
レイ・コンリン
(ドミニク・フムサ)
セクーを逮捕したFBI捜査官。セクーを支援するキャリーと争うが、サードを使って貶めた証拠を突きつけられたため非を認めて釈放。セクーの爆死後はクインが撮影した謎の男(ポーティウス・ベリ)とセクーとの関係を調査。世界最大級の光ファイバー網の中継所が元FBI、CIA、NSAの職員を高額報酬で大量採用している事実を掴むが、その直後、自宅で殺害された。
ファルハド・ナフィシ
(バーナード・ホワイト)
イラン革命防衛軍の主計官。核合意違反の調査に来たソールに北朝鮮との共謀を否定。遠心分離機を導入したのも30年に及ぶ制裁を解除するためで核兵器が欲しいわけではないと話す。しかしこの証言がソール対策としてモサドが用意したシナリオであることは見抜かれていた。その後、8年にわたってモサドのために働き、イランが核合意を破って北朝鮮と共謀しているという情報を流していたとして、ジャバディに処刑された。
ポーティウス・ベリ
(C.J.ウィルソン)
ジェイミー・マクレンドンを介してダール・アダルが雇った傭兵。向かいの家からキャリーを監視していた黒い帽子の男。セクーを自爆テロに見せかけて爆殺し、光ファイバー網の中継施設に近づいたFBIのレイ・コンリンを射殺。独善的な性格らしくアダルの指示を無視してクインとアストリッドを狙い、キャリーにも襲いかかったが、クインに殺害され、顔を叩き潰された。
ジェイミー・マクレンドン
(ロバート・ネッパー)
国防総省の中将。クインがデルタ部隊に所属していた時のリーダー。7万人の兵を投入すればシリアのISILは2週間で壊滅できると提案するが、検討する様子すらなかったため次期大統領エリザベス・キーンの排除を計画。webサイトを使ってクインをテロリストに仕立てたうえで、ホテルでデモ隊に囲まれた大統領の警備に加わるという名目でキーンに近づき、実行部隊に車両の爆破を指示。キーンを乗せて脱出をはかったクインを一斉射撃した。
アストリッド
(ニナ・ホス)
連邦情報局(BND)の諜報員。ピーター・クインの元恋人。ダール・アダルから連絡を受け、FBIに拘束されていたクインを極秘裏に救出。アッパー・シャトーゲイのセーフハウスに匿う。
ドリット
(ジャクリーン・アンタラミアン)
ソール・ベレンソンの妹。ユダヤ人の誇りを取り戻してくれた夫(ソールは妄信者と侮蔑している)と死別し、UAEのアブダビで暮らしている。
トヴァ・リヴリン
(ハダー・ラッツォン・ロテム)
モサド(イスラエル諜報特務庁)の幹部。エリザベス・キーンが大統領就任後の政策として掲げる中東への軍事介入の再考、シリアからの撤退が現実になれば国家の存続に関わるため、ダール・アダルと組んで暗躍。
エタイ・ラスキン
(アラン・コルデュナー)
モサド(イスラエル諜報特務庁)の諜報員。西岸地区でジャバディと密会した疑いのあるソールをアブダビで拘束。帰国を遅らせる。
ロジャー
(イアン・カーン)
NSA(アメリカ国家安全保障局:国防総省の情報機関)の諜報員。キャリーにFBIのコンリンと協力者のサードとの通話の録音データを提供してほしいと頼まれるが拒否。上司にもキャリーと接触したと正規の手順で嘘偽りなく報告した。しかしダール・アダルによって音声ファイルは持ち出され、セクーは釈放され……。
ジョージ・パリス
(デヴィッド・ソーントン)
アメリカ合衆国訟務長官(連邦最高裁判所で連邦政府が当事者となっている訴訟に際し、政府のために弁論を行う官職。アメリカ合衆国司法省所属の公務員)。キーンを献身的に支え、キャリーの意見にも真剣に耳を傾けていたが、特殊部隊が中東に移動する時に使っている拠点を視察中、セクーの死が陰謀だったことを示す証拠とともに消滅した。
ロブ・エモンズ
(ヒル・ハーパー)
次期アメリカ合衆国大統領首席補佐官。キーンを狙った爆弾によって死亡。
デヴィッド・ウェリントン
(ライナス・ローシェ)
アメリカ合衆国大統領首席補佐官(ホワイトハウス職員のトップ。必要な時にいつでも大統領に会う権限を持つ)ロブ・エモンズの後任。キーンの後、ラルフ・ワーナー、ベンジャミン・ヘイズにも仕える。
ヴィクトル
(ロナルド・ガットマン)
合衆国に潜伏しているSVR(ロシア対外情報局)の諜報員。ソールの依頼でモサドのトヴァについての情報を集め、ダール・アダルとの密会写真を提供。大統領が替わるという重大な局面でのけ者にされているソールはSVRにとって用済みかもしれないと考えはじめる。
クリスティーン・ロナス
(マリン・ヒンクル)
児童相談所職員。クインが発砲事件を起こした後、虐待の疑いがあるとしてキャリーに接見し、フラニーは心に傷を負っていると主張。口調は穏やかだが役所の職員らしく融通が利かず、キャリーの言い分をほとんど却下し、ルールに従って事を進め、調査のための措置としてフラニーを州の施設で保護する。
メルセデス
(レイチェル・ティコティン)
CIAニューヨーク支局長。ソールにモサドのトヴァに関する調査を依頼されるが、長官であるダール・アダルの命令に従い、調査を遅らせた上に偽りの報告をする。
ネイト・ジョセフ
(セス・ナムリッチ)
CIAニューヨーク支局の諜報員。ソールを尊敬し、トヴァの調査に協力する。
ミラ・ベレンソン
(サリタ・チョードリー)
ソールの元妻。ベルリンでの不始末(アリソン・カーとの関係)を暴かれることに耐えられず、アテネへの逃避を決めたソールをサポートする。
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