ネヴァダ
ケースファイルを抱えて保安官像の前でたたずんでいたクーパーは、心優しい警官に送られて帰宅。ジェイニー・Eに叱られながら夕食をとり、サニー・ジムにおやすみを言うため2階へ上がる。しかし、ジェイドと街を歩いている写真をみたジェイニー・Eに呼び戻されてリビングへ。
そのうち電話が鳴った。相手はダギー・ジョーンズが借金をしていた男だった。ジェイニー・Eは5万ドルと聞いて声を震わせるが、明日の昼12時半にお金を持っていくと告げて受話器を置いた。そして車や財布や身分証明書がないことを責めたあと、持ち帰った仕事を今すぐやりなさいと命じた。
クーパーがケース・ファイルと向き合うと、赤い部屋が現れてマイクが言った。
「君は…目を覚ませ。死ぬな」
するとファイルに不思議な光が現れた。クーパーはその光に導かれるまま、鉛筆を走らせる。
サウスダコタ
FBI捜査官のアルバート・ローゼンフィールドは、上司のゴードン・コールの命を受け、土砂降りの雨の夜に車を走らせる。向かったのは『マックス・フォン・バー』。目当ての女性はカウンターでタバコを吸っていた。
「ダイアン」
アルバートが声を掛けると美しい白髪の女性が振り向いた。
彼女こそ、デイル・クーパーの元部下。ツイン・ピークスに来たデイルが事件の経過をレコーダーに残すとき、必ずその名を呼んでいたダイアン・エヴァンスだった。
ツイン・ピークス
レッドは上物のコカインを吸って興奮するリチャード・ホーンに「残りはメリーアンのところで受け取れ」と指示。そしてツイン・ピークスが気に入ったらしく、カナダからブツをここに移してもいいと話す。そして、自分は肝臓に問題があり、『王様と私』という映画が気に入っていると話し、リチャードに「しっかり仕事をしろ。お前のことはよくしらないが、いつも見ているぞ」と伝えた。
坊や扱いされ、関係が対等でないことを知らされたリチャードは車を運転しながら自分を鼓舞する。しかし苛立ちが収まらずアクセルを踏み込む。
『RR(ダブルアール)ダイナー』ではお気に入りのパイを2皿も平らげた巨漢の女性ミリアム・サリヴァンが、チップをはずんでコーヒーを購入し、帰っていった。彼女は保育園で働いているらしい。
『ニュー・ファット・トラウト・トレーラーハウス』の管理人カール・ロッドは、いつものようにビルの運転する車で街へ出かける。この日はリンダの郵便物を取りに行くという男を乗せてやった。リンダは車椅子で生活しているらしく、男は「政府が半年待たせてやっと電動車椅子をくれた」と話す。

カールが公園のベンチで一服していると、若い母親と小学生くらいの男の子が追いかけっこをしながら目を前を通った。母親は子どもをしっかりつかまえて横断歩道で待つが、運転手が「渡っていいよ」と合図をしたので子どもを先に渡らせようとする。
次の瞬間、子どもはトラックに跳ね飛ばされた。子どもの命を奪ったのは、停まっている車を追い越し、対向車線をフルスピードで走ってきたリチャードだった。「どけって言っただろうが!」振り返ることもなく走り去るリチャード。その彼の顔とトラックを、『RR(ダブルアール)ダイナー』のコーヒーを手に歩いていたミリアムが目撃していた。
カールは即死した息子から放出された黄色い光が、天に昇って消えていくのを見た。
「神よ…」
カールは横断歩道へ歩み寄り、母親の肩にそっと手を置いた。歩道で嗚咽する人々のなかに『6』と刻印された電柱がジリジリと音を立てていることに気づいた人はいなかった。
ネヴァダ
ダンカン・トッドはメールに添付された赤い四角形を確認すると、指紋を残さないように注意を払いながらデスクの後方にある金庫を開け、A4サイズの封筒を取り出した。その上部には灰色のちいさな楕円形が描かれている。
モーテルの一室で、ウイスキーを舐めながら賽の目をノートに書き留めていた殺し屋アイク・”ザ・スパイク”・シュタットラーは、ドアの隙間から滑り込んできた封筒に気づき、手を止める。上部に楕円形のマーク。どうやらダンカンが送ったものらしい。”ザ・スパイク”は中味を確かめる。入っていた写真は2枚。一枚はロネット。もう一枚はダギー・ジョーンズだった。殺し屋はアイスピックを握り、写真の顔に突き刺した。
クーパーを自室に呼び、ケースファイルを確認したブッシュネル・マリンズは「なんだ、この子供じみた落書きは」と呆れ果てる。しかし、やがて落書きにしか見えない書き込みがエース調査員アンソニー・“トニー”・シンクレアの巧妙な嘘を見事に指摘していることに気づき、感嘆する。ブッシュネルはコーヒーをすするクーパーに「このことは誰にも漏らすな」と命じて握手を求めた。
約束の時間に公園に現れたトニーとジミーに、ジェイニー・Eはダギーが借りている金額と理由を訊く。そしてフットボールの賭けで負けたこと、元金は2万ドルだったことを知ると、2万5,000ドルを渡して背中を向けた。
ツイン・ピークス
トミー・“ホーク”・ヒルは保安官事務所のトイレで先住民の顔をモチーフにしたコインを落としたのをきっかけに、扉の合板の隙間に隠されていた書面を見つける。それはローラ・パーマーの日記の一部に違いなかった。マーガレットが言った、ホークの祖先が関わるデイル・クーパーに関するものでなくなったものは、これだったのだ。
シェリフ・”フランク”・トゥルーマンは、保安官事務所にやってきて車のことで不満をぶつけるドリスをやさしくなだめる。大声でオフィスへ向かうドリスの姿を見て嘲笑するチャドに、オペレータのマギーは「何も知らないくせに」と釘をさしてから息子の自殺が原因だと話す。それでも茶化すチャドに背中を向け、マギーは仕事を再開する。
『Bang Bang Bar』では、Sharon Van Etten が “TARIFA” を演奏している……。

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