ゲーム・オブ・スローンズ シーズン6『第10話 冬の狂風』ネタバレ解説 | VODフリーク

ゲーム・オブ・スローンズ シーズン6『第10話 冬の狂風』ネタバレ解説

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ゲーム・オブ・スローンズ シーズン6『第10話 冬の狂風』ネタバレ解説

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キングズ・ランディング

ゲーム・オブ・スローンズ シーズン6『第10話 冬の狂風』ネタバレ解説

審判の日――髪を短く切られてベイラー大聖堂に立ったロラス・タイレルは「審判は必要ありません」と述べ、自らが犯したすべての罪を認めて告白した。レンリー・バラシオンを含む数々の男たちと褥(しとね)をともにしたこと。神々の前で嘘をついたこと……。

ロラスは7人の司祭と民衆が見守る前で膝をつき、唯一の望みはこの身を七神に捧げることだと言った。そして、タイレルの名と地位を放棄し、騎士の称号とハイガーデンの継承権を棄て、妻を娶らず、子もつくらないと誓った。

雀聖下(ハイ・スパロー)はロラスに「今後は七神に身を捧げなさい。そして異端者や背教者から信仰を守るために戦いなさい」と告げた。そしてロラスの額には短剣で七芒星が刻まれた。
「おいっ!何をする!!」
それをみて取り乱したメイス・タイレルを鎮めたのは王妃マージェリーだった。
「信仰こそが道です。父上」

その頃、審判を受けるはずの太后サーセイは、まだ赤の王城(レッド・キープ)にいた。そして聖堂に向かおうとするトメンの前にはグレガー・クレゲインが立ち塞がった。サーセイはトメンを居室から出してはならない、とグレガーに命じていたのだ。

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ロラスの審判が終わっても姿を見せないサーセイを連行するため赤の王城(レッド・キープ)へ向かったランセルは、後ろを振り向きながら石段を駆け下りていく子どもが気になり、後を追いかける。子どもは松明を手に、聖堂の地下を駆けていく。
狭い通路を抜けた先に落ちていた松明を拾ったランセルの目に映ったのは、通路の両側にびっしりと並べられた木樽だった。
(これは、いったい――)

状況を把握しようとしたランセルは腹部に激しい痛みを感じて倒れた。死角から飛び込んできた子どもに刺されたのだ。子どもはランセルの顔の前に膝をついてから、無言で去っていった。
力を振り絞って顔を上げたランセルは、通路の突き当たりに小さな炎が灯っていることに気づき、腕だけで前に進む。刺された場所が悪かったのだろう。脚にはもう力が入らなくなっていた。

同じ頃、パイセルもまた子どもに導かれて赤の王城(レッド・キープ)内を移動していた。扉の向こうで待っていたのはクァイバーンだった。
「わたしはあなたに恨みはありませんが…・・お許しください」
パイセルの前には、手に短刀をもった子どもたちがいた。10人はいる。
事態を察知したパイセルにクァイバーンは言った。
「新しきものを生み出すためには、古きものを葬らなければ」
子どもたちは一斉にパイセルに襲いかかり、力の限り剣を浴びせた。

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「なにかおかしいわ……!」
サーセイとトメンが現れないことに不吉な予感を覚えたマージェリーは、今すぐここを出るべきだと雀聖下(ハイ・スパロー)に進言。しかし、本人が不在でも審判はできると考えている雀聖下(ハイ・スパロー)は真剣に聞こうとはしない。
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通路の中程まで這い進んだランセルは、ようやく事態を理解した。木樽から流れ出た『鬼火(ワイルドファイア)』の液だまりに、ロウソクが立っているのだ。ロウソクは短くなっており、その炎はすぐにでも液だまりに接しようとしていた。

(通路の両側の木樽も『鬼火(ワイルドファイア)』か……あれに引火すれば、ひとたまりもない)
ランセルの脳裏に浮かんだのは、圧倒的な軍勢を誇りながらブルーウォーター湾に仕掛けられた『鬼火(ワイルドファイア)』で焼き尽くされたスタニス軍の船団だった。ランセルは最期の力を振り絞ってロウソクとの距離を詰める。

ゲーム・オブ・スローンズ シーズン6『第10話 冬の狂風』ネタバレ解説
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「みんなここを出るのよ!!」
マージェリー大声が叫んだため、民衆は騒然となり我先にと出口へ急ぐ。そのなかにはメイス・タイレルもケヴァン・ラニスターもいた。マージェリーはロラスの手を引いて出口へ向かうが、聖兵たちに行く手を阻まれる。

ランセルが最期に見たのは、液だまりに灯った綠色の炎だった。次の瞬間、それはランセルの身体を跡形もなく焼き払い、無数の木樽に詰め込まれた『鬼火(ワイルドファイア)』を誘爆。荒れ狂う凶暴な炎は出口を求めて上に向かい、七芒星が描かれたフロアを突き破り、ベイラー大聖堂を内側から吹き飛ばした。爆発によって天高く舞い上がった鐘は、民家を砕き、道行く人々を肉片に変えた。

ベイラー大聖堂が炎に包まれ、土煙を上げながら崩れていくさまを、サーセイは赤の王城(レッド・キープ)の居室で見届けた。聖堂の地下に眠る『鬼火(ワイルドファイア)』。これこそが、クァイバーンの小鳥たちによってもたらされたサーセイの切り札だったのだ。

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サーセイの身勝手な復讐の仕上げは、聖堂の暗黒房と贖罪の道行きで”世話になった”司祭女ユネラを辱めることだった。赤の王城(レッド・キープ)の地下に仰向けに縛りつけた司祭女ユネラの顔にワインを浴びせると、サーセイは言った。
「告白なさい。気分がよかったと。わたしを飢えさせ、いたぶり、怯えさせ、辱め…・・あれはわたしの贖罪のためにやったんじゃない。気分がよかったからよ。その気持ちはわかるわ……わたしも同じだから」

サーセイはユネラを拘束しているロープをさらにきつく縛り、彼女の全身を撫でながら続ける。
「お酒を飲むのは快楽のため。夫を殺したのも快楽のため。弟と寝るのも快楽のため。寝ていないと嘘をついたのも同じ。忌々しい偽善者から息子を守るのが快楽だからよ」

手を握られぎょっとするユネラに、サーセイはさらに言葉を浴びせる。
「雀聖下(ハイ・スパロー)と聖兵たちを殺した。司祭も司祭女もみんな。焼けるのを見るのは快楽だった。苦しむ姿を想像するだけで気分がいい。これまでの何よりも愉快だったわ」
「……」
「死ぬとき、最後に見るのはわたしの顔だと言ったでしょ」
「――ええ。見られてよかった。覚悟はできている」
「何?今日?そう簡単には死なせないわよ」
ユネラの表情に怯えが浮かんだのを見て、サーセイはグレガーを呼んだ。グレガーは顔を覆っていた兜を脱ぎ、ユネラに手を伸ばす。やがて彼女は絶叫した。
「辱めを」
サーセイはそう言って、扉を閉めた。

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サーセイと同じ光景を居室で見ていたトメンは、マージェリーが亡くなったと聞いても表情を変えることはなかった。わかりきっていたことだからだ。彼は使いの者が部屋を出ていくと王冠を外し、再び窓辺に戻ってきた。そしてためらわずに身を投げた。

トメンの亡骸と対面したサーセイは「火葬して、彼の祖父と兄、姉とともに眠らせて」とクァイバーンに頼んだ。自らの所業が彼の死を招いたというのに、一滴の涙も流すことはなかった。

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リヴァーラン遠征から戻ったジェイミーは、焼け落ちた大聖堂を見て愕然とし、赤の王城(レッド・キープ)の玉座の間を歩むサーセイの姿を見て何が起きたのかを理解した。彼の目の前で、サーセイは鉄の玉座についた。快楽のために生き、邪魔なものをすべて破壊した者が女王となったのだ。

双子城(ツインズ)

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リヴァーラン城が奪還され、ウォルダー・フレイは上機嫌で祝杯を挙げた。宴席にはジェイミー・ラニスターも出席しており、ウォルダーはエドミュア・タリーを地下牢に戻したと話す。

ジェイミーは戦場に出て剣を振るったこともないくせに、戦士の目線で”ブラックフィッシュ”の最期を語るこの老人が気に入らない。ウォルダーは嘲笑されても気にしないと言い「わしを笑ったタリーとスタークは今、どこにいる?」と話す。

確かにそれは一理あるが「我々は王殺し(キングスレイヤー)同士だ」という言葉には我慢がならなかった。
「いいか。敵が恐れるのはラニスターだ。おまえらは単なる城代。また戦に負けて土地を奪われるようなら、おまえらは不要だ」
ジェイミーはそれだけ言うと席を立った。

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ウォルダー・フレイは用意させた夜食を前に、息子のローサーらがリヴァーラン城から戻ってこないことに苛立つ。すると美しい給仕係の女が言った。
「彼らはもうここに来ています。ほら、ここに」
女はそう言ってウォルダーの目の前に置かれたパイを示した。

ウォルダーは怪訝な顔をして中を改めた。すると、そこには人の指が。
「刻むのは大変でした。特にブラック・ウォルダーは」
女は顔に手をかけ、給仕係の顔を剥ぎ取った。
ぎょっとして視線を上げたウォルダーに、その女は言った。
「わたしはアリア・スタークだ。心に刻め。おまえが死の間際に見るのは、ほくそ笑むスタークだ」
アリアは逃げようとする老人の襟首を掴んで引き戻し、短剣でその喉を切り裂いた。母がこの場所でされたように――。

オールドタウン・知識の城(シタデル)

ゲーム・オブ・スローンズ シーズン6『第10話 冬の狂風』ネタバレ解説

ジリ、赤ん坊とともに知識の城(シタデル)に到着したサムウェル・ターリーは、冥夜の守人(ナイツ・ウオッチ)総帥ジョン・スノウの書面を受付係らしき学匠に渡して滞在を願い出る。

知識の城(シタデル)に届けがある内容と異なっているため、滞在については大学匠(アーチメイスター)に判断を仰ぐことになったが、図書館の使用許可は出た。サムはジリを受付に待たせたまま館内を歩いた。巨大な吹き抜けの建物に見渡す限り書物が並んでいるのを見て、サムの探究心ははち切れんばかりに膨らんだ。

ウィンターフェル城

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ダヴォス・シーワースはボルトンとの決戦前夜、野営地の近くで拾った木彫りの牡鹿をメリサンドルに渡し、鬼の形相でシリーンの身に何があったのかと問う。
メリサンドルは壊滅状態のスタニス軍を救うため、スタニスとセリースの同意のもと、神の意思に基づいてで火あぶりにしたと告白。
「それならばおまえの神は邪悪だ!何の罪もない少女をおまえは殺した!」
怒り狂うダヴォスは、メリサンドルを処刑する許可をくれとジョン・スノウに懇願。ジョンはホワイト・ウォーカーとの戦いでは必ず役に立てると弁明するメリサンドルの追放を決定。すぐに南に向けて発てと命じた。

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城の上からメリサンドルを見送ったジョンは、サンサにボルトンとの戦いで窮地を救ったピーター・ベイリッシュについて言及。ベイリッシュを信じるほど愚かではないと前置きして谷間(ヴェイル)への援軍要請を黙っていたことを詫びるサンサに、改めて言った。
「俺たちは信用し合うべきだ。周りは敵だらけだ。反発している場合じゃない」
納得したサンサは、ジョンに知識の城(シタデル)から白い使い鴉が来たことを告げる。父エダードが生前、何度も言っていた冬が来たのだ。

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「鉄の玉座に着いたわたしの隣に、あなたがいることです」
サンサを追ってウィアウッドまで来たベイリッシュは「望みは何?」と訊かれてそう答え、サンサを引き寄せようとする。

サンサはその腕を押しとどめ、スターク家につくと表明したベイリッシュに言った。
「どの家につくと表明しようと、あなたが仕えるの自分自身だけだわ」
「それは過去のことです。過去に縛られず、未来に備えなければ。あなたこそがスターク家の未来です。北部を率いるべきは、ネッドとキャトリンの娘か。それとも南部で生まれた落とし子か」

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ボルトン家との戦いを終え、冬を前に集まった北部の諸侯たちを、熊の島(ベア・アイランド)の幼き女公リアナ・モーモントは厳しく断罪した。
「マンダリン公は息子を殺されたにもかかわらず今回の戦に加勢しなかった。グラヴァー公はスターク家に忠誠を誓いながら、最も必要な時に求めに応じなかった。サーウィン公、あなたもだ。父君の皮をラムジーに剥がれておきながら求めに応じなかった。だがモーモント家は覚えている。北部は覚えている。我々が知る王は、北の王ただ1人!その名はスターク!落とし子だろうと構わない。ネッド・スタークの血が流れている限り、わたしの王だ。この日より、その最後の日まで!」
62名の兵を出した女公の言葉に静まりかえる諸侯たち。

沈黙を破ったのは、最初にやり玉に挙げられたマンダリン公だった。マンダリン公は求めに応じなったことは間違っていたと詫び、裏切り者を打ち負かしたジョン・スノウこそが我らが北の王だと言い、剣を抜いてひざまづいた。グラヴァー公、サーウィン公もそれに続いた。そして集まった諸侯たち、ダヴォスも。こうしてジョン・スノウは満場一致の支持を受けて新たな白き狼――北の王となった。

ウォーター・ガーデンズ

ゲーム・オブ・スローンズ シーズン6『第10話 冬の狂風』ネタバレ解説

サーセイへの復讐に燃えるエラリア・サンドは、息子のメイス、孫のロラスとマージェリーを遺体も残らない方法で殺されたレディ・オレナを招き、手を組もうと持ちかける。そして同意したオレナに鍵となる人物を紹介する。呼び鈴に反応して現れたのは、ミーリーンを離れたヴァリスだった。

”壁”の北側

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ベンジェン・スタークは”壁”からほど近いウィアウッドの前でブラン・スタークとミーラ・リードを馬から下ろした。ミーラは一緒に来てほしいと願うが「おれはここまでだ」とベンジェン。

”壁”には死者の通行を防ぐために古の強い魔法が刻み込まれていて、ホワイト・ウォーカーと同じ方法で生かされているベンジェンも通ることができないのだ。
「大きな戦が来る。俺はまだ戦わなければならん。生きている人間のため、できうる限りな」
そう言い残してベンジェンは、再び北へ向かっていった。

三つ眼の鴉として生きていく覚悟を決めたブランは、その場所で綠視力を使って過去へ飛ぶ。

『喜びの塔』ではエダードの妹リアナが深手を負ってベッドに横たわっている。リアナは枕元で見守るエダードに頼み事をした。リアナはこう言ったのだ。
赤ん坊を産んだことを、ロバートには言わないで――。
王になったロバート・バラシオンに知れたら、赤ん坊は、この落とし子はきっと始末される。だからエダードに守って育ててほしいと頼んだのだ。
この子こそが、ジョン・スノウだった。

ミーリーン

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ウェスタロスへ進軍する準備が進むなか、デナーリスはダーリオ・ナハリスに”次子(セカンド・サンズ)”とともにミーリーンに残り、市民が指導者を決める間治安を守ってほしいと話す。

デナーリスはウェスタロスを支配するには同盟が不可欠であり、その最善策が結婚と考えていた。その相手が誰であれ、愛人を傍には置いておけない。最も愛する人だからこそ連れていけないのだと言って理解を求めた。

ダーリオは「あなたが誰と結婚しようが構わない。あなたを幸せするために俺は戦う。だからウェスタロスへ連れていってほしい」と頼むが、デナーリスは首を振った。その瞬間、ティリオンの進言があったと悟ったダーリオは「理屈では奴に叶わない。向こうで俺は無用だ」と認めて引き下がった。

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辛い決断をしたデナーリスに、ティリオンは「あとはずっと欲していたものを、その手につかむのみです」と激励。そして「怖いのは当然。この状態を恐れないと父上の”狂王”と同じです」と付け加えた。そして「大事な人に別れを告げたのに何も感じないことが怖い」というデナーリスに「あなたを愛する者はこれから先も必ずいます」と話した。

「まったく慰めにならないわね」
苦笑しながらもデナーリスは「あなたのために作らせていたの」と言い、懐から出したものをティリオンの襟元に付けた。それは”王の手”のバッジだった。
「ティリオン・ラニスター。汝を”女王の手”に任命する」
ティリオンはデナーリスの前でひざまずく。
どうしようもないほど彼女に惹かれていることを悟られないように……。

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そして――”穢れなき軍団(アンサリード)”と血盟の騎士たちを乗せた船団は、ウェスタロスに向けて抜錨した。裸同然でエッソスに逃れたデナーリスは、ついにウェスタロス侵攻――七王国制圧の時を迎えたのだ。

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