ネヴァダ
赤い部屋の炎に導かれるままに『シルバー・ムスタング・カジノ』でメガ・ジャックポットを29回続けて出し、みすぼらしい老婆にも幸運を分け与えたクーパーは、アライド・ケミカル社のビル・シェイカーと話す。
どこか様子がおかしい友人に「君の家はランスロット・コートの赤いドアだ」と教えるビル。クーパーは「またここに来ると約束してください」と念押しする支配人から大金を受け取り、カジノが用意したハイヤーで自宅に戻った。
運転手と一緒に所在なく表に立っている夫を見つけたのは、妻のジェーン”ジェイニー・E”ジョーンズだった。ジェイニー・Eは肩を震わせて夫に近づき「3日も連絡せず、会社にも行かず、サニー・ジムの誕生日も留守にして、いったい何をしていたの!?」と怒りをぶつけ、クーパーの首根っこをつかんで自宅へ連れ戻った。
髪を切り、見たこともない黒いスーツを身につけていることもあって怒りを押さえられないジェイニー・E。しかし、夫が持ち帰ったのがカジノで手にした札束だと知ると態度が一変。「これだけあれば借金が返済できる」と胸をなで下ろした。そして「今日は人生で一番素晴らしく、恐ろしい日よ」と言い、夫の額にキスした。
ペンシルバニア
ゴードン・コールは、首席補佐官のデニス・”デニース”ブライソンを訪ね、サウスダコタでデイル・クーパーが発見された。刑務所にいるので明日会いに行くと伝える。
すでに報告を受けていたデニースは驚かず、美人捜査官のタミー・プレストンを同行させることについて言及。女性好きのゴードンを暗に非難した格好だが、ゴードンは彼女が優秀だから連れていくのだと反論。そして「連邦捜査局に君以外の美人がいてもいい」と持ち上げてデニースを笑わせた。
ツイン・ピークス
保安官事務所。所長のフランク・トゥルーマンと電話で話をしていたルーシーは、話しながら現れたフランクが手にしているスマートフォンを見て卒倒する。慌てて駆け寄って介抱するアンディ。どうやら彼女は携帯電話が怖いらしい。
ルーシーに詫び、オペレーション・ルームでマギーから今日の事件について報告を受けたフランクは、保安官助手のボビー・ブリッグスに高校生のデニーが麻薬で死んだ件を確認した後、ホークと話すために会議室へ。
ホークからマーガレットのメッセージについて説明を受けるフランク。後を追って入ってきたチャド・ブロックフォードは、続いて会議室に来たアンディとルーシーを見て小さくため息をつき「丸太女は出入り禁止なのでは?」と呆れる。
「彼女に問題があるとすればガムだけよ」
「丸太から情報を得ているんだ」
反論するアンディ夫妻。しかしチャドは「ピノキオの友達かよ」と悪態をつき「松ぼっくりと話してくるよ」と吐き捨てて出ていった。彼はマーガレットとブレナン夫妻を認めていないらしい。
入れ替わりに入ってきたボビーは、テーブルに置かれたローラ・パーマーの写真を目にして涙する。しかしデイル・クーパーの名を聞くと気を取り直し「生前の父と最後に会ったのはクーパー捜査官で、その翌日、父は軍施設の火災で亡くなった」と話す。
その後、フランクは事務所に挨拶に来たウオーリー・ブランド——アンディとルーシーの息子と会い、とりとめのない、長い話をする・・・。
ネヴァダ
用意されたダギーの服に袖を通せないまま、ベッドにたたずむクーパーの前に赤い部屋が現れた。マイクはダギーが消滅したときに転がった金色の玉を見せて言った。
「君は罠にかけられた。今、君たちの一人が死なねばならない」
トイレを済ませ、鏡と向き合うクーパー。ブラック・ロッジから戻りグレート・ノーザン・ホテルの部屋で目覚めたときとは違い、ボブは出てこない……。
夫の身支度を済ませてジェイニー・Eは朝食の支度をする。ダギーの息子のサニー・ジムはクーパーの姿を見てサムアップする。クーパーも笑顔で代名詞だったサムアップを返す。そしてクーパーは大好きだったコーヒーをひさしぶりに味わい、感激する。
サウスダコタ
バックホーン警察署の鑑識課員コンスタンス・タルボットは、ルース・ダヴェンポートの部屋に見つかった男性の遺体の指紋がデータベース上の誰かと一致したが、軍が極秘扱いにしているので誰なのかわからないと、担当刑事のデイヴ・マッコレーに伝える。
サウスダコタ
アルバート、タミーとともに刑務所へ到着したゴードンは、地元の捜査官から「彼は車中で毒性のものを吐いていた。内容は分析中だが、その毒に吸い込んだ警官が病院に運ばれた」と報告を受ける。
3人は、逮捕時の所持品(コカイン、マシンガン、犬の脚)を確認した後、手錠をはめられた”ミスターC”と窓ガラス越しに対峙する。ゴードンはひとしきり再会を喜んだ後、これまでどで何をしていたのかと問う。”ミスターC”はフィリップ・ジェフリーズと一緒に秘密の活動をしていたと答え、このことを報告するためフィラデルフィアへ向かった矢先、事故を起こしたと説明した。そしてフィリップに安全だと知らせるためにメッセージを残したという。
抑揚のない口調。繰り返される言葉。様子がおかしいのは明らかで、アルバートは何も聞こうとはしない。ゴードンは「君を本部に連れ帰り、話を聞けるように手配する」と言って尋問を終了した。そして所長のマーフィーに彼に電話を許可し通話内容を聞けと指示した。
屋上に出てタミーを外させたゴードンは、聴診器のボリュームをあげ、声を潜めてアルバートに聞いた。
「君はクーパーを見て変な反応をしていたな。何か言いたいことがあるのか?」
アルバートはすこしためらってから答えた。
「すみません…実は、フィリップがクーパーに情報を渡すのを許可しました」
「どういうことだ?フィリップは失踪したままだ」
「昔の話です。フィリップが電話してきた。その言葉から、クーパーがまずいことになっていると思いました。至急だと言ったんです。で、クーパーに情報が必要だと。でもクーパーとは話していない」
「渡したのはどんな情報なんだ?」
「コロンビアにいる男の名を伝えました……彼は一週間後、殺された」
「アルバート・・・・・・」
「……」
「今日のクーパーの様子を見ると・・・嫌な予感がする。なにかがおかしい。事故のせいだとは思えない。彼の話し方はまともではなかった。しかし、何一つ理解できない」
「青いバラ」
「まさにそれだ」
ゴードンは頷き、操作に取りかかる前に、ある人物をクーパーに会わせようと提案する。アルバートは賛成し、彼女は今、酒場にいると言った。
ツイン・ピークス
『Bang Bang Bar』では、Au Revoir Simone が “Lark” を演奏している。
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