ドレッドフォート城
ラムジー・スノウはゲームを楽しむ。存在が邪魔になった女を森に放ち、腹を空かせた獰猛な猟犬に後を追わせるというゲームだ。そこにはもうひとりの女も射手として加わる。矢と猟犬の追撃から逃れ、森から脱出すれば勝ち。だが存在が邪魔になった女は矢で大腿を射貫かれ、動けなくなったところを猟犬に襲われて絶命した。シオン・グレイジョイはゲームを見届け「お見事です」と感嘆した。
傭兵のロック、巨漢妻ウォルダらを引き連れ、北部総督として帰還したルース・ボルトンは、城主代行として勝手にベイロン・グレイジョイと交渉して失敗したラムジーに対し「おまえを信頼しすぎた」と憤怒。シオンを男でなくしてしまった今では、鉄の民に占拠されている要塞(モウト)ケイリンと交換することもできないからだ。
信頼を取り戻さなければならないラムジーは、ルース・ボルトンの前で、シオンにカミソリで髭を剃らせる。いつでも首を切ることができるのに、私の隷になった彼はしない――それをルーズ・ボルトンに見せつけるためだ。
そしてラムジーはシオンの口からスターク家のブランとリコンは生きていて黒の城(カースル・ブラック)に向かったと言わせ、ロブ・スタークが死んだことを教える。ルース・ボルトンはロックに黒の城(カースル・ブラック)へ向かわせ、ラムジーには名誉挽回のために要塞(モウト)ケイリンを奪えと命じた。
ドラゴン・ストーン城
スタニスは『光の王』(ロード・オブ・ライト)に不信心なアクセル公を火炙りにして処刑。その場に立ち会った妻のセリースは「光の王が天に昇っていくのが見えた」と感激する。
食事の席でセリースは、娘のシリーンが恐ろしいと発言。頑固で無愛想で罪深い。だから神も顔に印をつけたのだと。ムチでうつべきとまで言ったセリースをスタニスは恫喝するがセリースは「メリサンドルに任せる」と他人事のように言った。
メリサンドルは地下室で暮らすシリーンのもとを訪ね、彼女が信じている七芒星(しちぼうせい)は嘘八百で、神は愛と幸せに満ちた光の神と、邪悪で争いを好む闇の神の2柱しかいないと話す。
”壁”の北側
ブランは”壁”を越えてからサマーに潜ってばかりいる。潜っている間は空腹を満たすために狩りをすることができるし、雪原を自由に走り回ることもできるからだ。
ジョジェンは「気持ちはわかる」としながらも、長く潜れば人間らしさを忘れてしまうと警告。ミーラも「私たちのことも父上、母上、兄弟姉妹、そしてウィンターフェルのことも自分のことも忘れてしまう」と諭した。
ブランは心の木に手を当てて過去をみた。そしてハッキリと言った。
「行き先はわかった」
キングズ・ランディング
右手をなくし「もう戦えない」と嘆くジェイミー・ラニスターに、ティリオンは戦えるように鍛えればいいと励まし、稽古役としてブロンを紹介する。そして、ジェイミーは、人気のない海岸で、ブロンを相手に模造剣を使って剣術の練習を始める。
シェイの存在をサーセイはもう知っているしいずれタイウィンにも話すつもりでいると言うティリオンに、ヴァリスは「彼女を海の向こうへ逃がすべきだ。さもないとタイウィンに始末される」と警告する。そしてサーセイからその存在を聞いたタイウィンは、婚儀の前に王の手の塔へシェイを連れてくるように命じた。
その席でティリオンは、ジョフリーにクランドメイスター・ケイスの著書「四王の生涯」を献上。タイウィンは鋳造したばかりのヴァリリア鋼の剣を進呈した。受け取ったジョフリーは、その剣で「四王の生涯」を真っ二つに切り裂き「スタークの首を切り落とした気分だ」とサンサの目の前で言った。
もはや一刻の猶予もないと感じたティリオンは、部屋を訪れたシェイにペントスへ行けと言い、いうことをきかない彼女に罵詈雑言を浴びせて別れを望んでいると思わせようとする。しかしシェイは迎えにきたブロンの手を払いのけ、泣きながら部屋を出ていった。
ジョフリーとマージェリーの婚礼の儀は何事もなく終了し、新たな王妃が誕生した。
宴の席に下りていく途中、ティリオンはブロンから報告を受ける。シェイは確かに船に乗ってキングズ・ランディングを去ったと。これを知っているのはヴァリスだけで、もう何の心配もない。彼女のことは忘れて飲めとブロンは肩をたたく。
ドントスに渡された首飾りを付けて宴席にいるサンサのもとをレディ・オレナが訪ねてロブ・スタークの件でお悔やみを述べる。そして戦が終わり平和が訪れたのだからハイガーデンを見に来たら?と誘った。
マージェリーは宴の残り物は貧しい民に差し出すことを宣言して喝采を浴びる。
”王の楯(キングズ・カード)”として護衛についているジェイミーは、ロラスに「サーセイと結婚すれば、おまえは彼女に絞め殺される。彼女に種を植え付ければ、きっとその子も殺す。しかし結婚をしなければそんなことは起こらない」と話す。ロラスは「おまえとも結婚はしないがな」と言ってその場を離れる。
ブライエニー・タースはマージェリーにお祝いの言葉を述べたあと、サーセイにつかまる。ジェイミーを連れ戻したことを感謝するサーセイに「私の方が助けられました」と話しすとサーセイは「レンリーとキャトリンと弟に忠誠を誓うなんて楽しい人生ね」と笑顔で嫌味をぶつける。挙げ句に「ジェイミーを愛しているの?」と訊かれて、ブライエニーは絶句した。
さらにサーセイは、性懲りもなく若い女性を口説いているメイスター・パイセルをつかまえ「いますぐ厨房へ行き、宴席の残り物はすべて犬に食わせるよう伝えなさい」と命じる。パイセルは王妃の指示に背くことになると反対するが、地下牢から出してもらった恩があり逆らえるわけもなかった。
王妃でも太后でもなくなったサーセイのアタックはさらに続く。オベリン・マーテルが紹介したエラリア・サンドに対して「落とし子の姓ね」と言い放ち、隣にいたタイウィンをも呆れさせる。オベリンは「落とし子を蔑む土地もあれば、子女を犯し殺すのを悪趣味と考える土地もある」と言い、オベリンの姪と甥を殺害したタイウィンを牽制。サーセイに対しても「ご息女のミアセラは後者の土地にいる。幸運でしたな、元摂政太后」とやり返した。
やがて、こびとの劇団が登場し「5王の戦い」をコミカルに演じた。ティリオンは同じ体をもつ彼らに、一人あたり金貨20枚を渡せとポドリック・ペインに命じ「ジョフリーには別の手段で感謝する」と呟く。
こびとたちは喝采を浴びて終演となるが、ジョフリーは涙を流して笑い続け、ティリオンに「勝ち残った王に挑戦してはどうだ?」とすすめる。ティリオンは「戦は一度で十分です」と断ってから言った。
「陛下が戦われてはいかがです?戦場では誰よりも勇敢に戦われました。この私が証人です。鋳造したてのヴァリリア鋼の剣で、真の王の戦いを見せてください」
祝宴の場は静まりかえり、ジョフリーはティリオンの頭にワインを注いだ。そしてさらに臆病で戦えないのであれば酌取りになれと言い、ゴブレットを蹴飛ばしてはティリオンに拾わせる。一度はサンサが拾ってティリオンに渡した。
ゲストたちが固唾をのんで見守るなか、ジョフリーに命じられるままにワインで満たしたゴブレットを渡そうとするティリオン。しかしけっしてひざまずくことはない・・・・・。
そこへ巨大な鳩のパイが運ばれてきた。ジョフリーはティリオンの手からゴブレットをひったくるように奪い、ワインを飲むとヴァリリア鋼の剣で鳩のパイを斬りつけた。
ジョフリーはそのパイを食べ、ティリオンに命じて酌とりをさせる。そしてティリオンがサンサとともに祝宴の席を辞そうと頭を下げた次の瞬間、ジョフリーが激しく咳き込み、喉を押さえて立ち尽くした。
「窒息してる!」
マージェリーが叫ぶ。うつ伏せに倒れて嘔吐するジョフリーにジェイミーとサーセイが駆け寄る。
呆然と立ち尽くすサンサの傍に来たのはドントスだった。彼はサンサに「生きていたければここを出るのです。一緒に来てください」と告げる。
傲慢で非情な少年王は鼻から血を流し、目を真っ赤に充血させ、ゴブレットを拾い上げるティリオンの方に腕を伸ばした後、サーセイの膝の上で息絶えた。
「あなたが息子を毒で殺した。王を殺したのはあの男よ!つかまえなさい!!」
サーセイは絶叫した。
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