
キングズ・ランディング
慈悲
ラニスターの騎士と王都の守人(シティ・ウォッチ)は城内にいるスタークの家臣たちに次々と襲いかかる。剣術の練習中だったアリアはシリオ・フォレルのおかげでひとまず難を逃れ、散乱する荷物のなかからジョン・スノウに贈られた剣「針」(ニードル)を見つけ出し、連行しようとした少年の胸を迷わず貫く。
サンサはいち早く危機を察知したセプタ・モーディンの機転で逃げるタイミングを得たが、サンダー・クレゲインに見つかり、サーセイの元へ連行される。
地下牢に幽閉されたエダードは、水を差し入れにきたヴァリスによって、家臣が全滅したことと、アリアが城を出たこと、キャトリンがティリオンを解放したことを知る。ならば早く私を殺せと頼むエダードにヴァリスは「ロバートの死は、あなたの慈悲が招いたものだ」と言い残して去って行く。
サーセイと小評議会の3人(ヴァリス、ベイリッシュ、パイセル)の前に連れてこられたサンサは父と話をさせてほしいと頼むが「謀反人と何を話すのか」と却下される。そしてウィンターフェルのロブに今すぐ書けと要求される。内容は、
「ただちに王都へ赴き、新王に忠誠を誓え」
小評議会は謀反人エダード・スタークの投獄に貢献した王都の守人(シティ・ウォッチ)の隊長ジャノス・スリントを貴族に列し、ハレンの巨城(ホール)の領地を与えた。
また、キャスタリー・ロック城主で西部総督のタイウィン・ラニスターを”王の手”に任命。バリスタン・セルミーは年齢とロバートを守れなかったことを理由に”王の楯”総帥の任を解かれ、後任にはジェイミー・ラニスターが選ばれたと発表された。セルミーは”王の楯”の面々に剣を向け「君たち5人くらい軽く殺せる」と言い、ジョフリーに向けて剣を投げ捨てて去っていった。
サンサはその後、父エダードに対して慈悲与えてほしいと申し出る。エダードは怪我をして芥子の汁を飲んでいたために思考力が落ちて落ちていたために、ジョフリーに継承権はないと口走ってしまったと――。そんなサンサをヴァリスは「無邪気な子ども」と評し、パイセルは「反逆に変わりはない」と断じた。そしてジョフリーは「罪を認め、私が王だと宣言しない限り慈悲はない」と言った。

黒の城(カースル・ブラック)
よみがえる死体
大狼(ダイアウルフ)のゴーストが咥えてきた手首の持ち主は、ベンジェン・スタークとともに”壁”の北側へ偵察に出たメンバーの一人、ジェイファー・フラワーズのものであり、おなじく幽霊の森で見つかったオターの遺体とともに木ぞりで中庭に運ばれた。
遺体の損傷具合から死後かなりの時間が経っていると思われるが、サムが臭いがまったくないのはおかしいと主張したこともあり、総帥はメイスター・エイモンに調査を頼む。
ジョン・スノウは王都から総帥宛に届いた使い鴉によって、ロバート王の死と、エダードが反逆罪(レンリーらと共謀してジョフリーの即位を否認した)で投獄されたことを知る。ジョンは文面を読んで思わず席を立つが、総帥から「おまえの義務はここにある。妹たちは丁寧に扱われているはすだ」と諭す。
エダードと妹たちの無事を祈りながら雑用(スチュワート)として食事の支度をするジョンを、アリザーは「謀反人の落とし子」と揶揄する。ジョンは調理用の短剣で襲いかかるがサムたちに止められ、総帥にも厳しく叱責される。
夜、ジョンが寝付けないまま部屋で過ごしていると、部屋の外にむかってゴーストが激しく吠える。
「外に誰かいるのか?」
扉を開けると、ゴーストは勢いよく飛び出して総帥の部屋の方へ駆けだしていく。
そのあとを追うジョンに襲いかかってきたのは、遺体となって運び込まれたジェイファー・フラワーズだった。剣を突き刺しても目を光らせて起き上がってくるジェイファー。ジョンは部屋から出てきた総帥のランプを奪って投げつけ、ジェイファーが火だるまになった隙に総帥とともにそこを離れる。
オターとジェイファーの遺体は中庭で焼かれた。その炎を見つめながらサムが呟く。
「ホワイト・ウォーカーだ。奴らに触られて蘇ったから眼が青い。火で止める以外に方法がない」
サムはエイモンの図書室の本から習得した知識をもとにさらに続ける。。
ホワイト・ウォーカーは何千年も目の下で眠る。目を覚ました時――”壁”が高ければいい」
ウィンターフェル
決起
サンサからの手紙を受け取ったロブ・スタークは、全軍を率いてキングズ・ランディングへ向かうと決定。メイスター・ルーウィンにスターク家に忠誠を誓った全旗主を集めろと命じるが、手の震えが止まらない。
ウィンターフェル城の大広間には諸侯とその騎士たちが集結し、気勢を上げる。
ロブが先陣を任せなければ兵を引き上げると言った”グレイトジョン”ジョン・アンバーに対し「先陣はガルバード・グラヴァーが務める。それで兵を引き上げるというのなら、ラニスターを倒したあと城から引きずり出し、違約の罪で絞首刑にする」と君主の威厳をみせる。
「青草に小便をちびるような青二才が何をいうか!」と剣の柄に手をかけるアンバー公。その瞬間、ロブの大狼(ダイアウルフ)グレイウィンドが飛びかかり、左手の指二本を噛みちぎった。
「君主に剣を抜いた者は死罪にすると父上に教わった。おまえはわたしのために、テーブルの肉を切り分けようとしただけだよな?」とロブが聞くと、ジョン・アンバーはイスを蹴飛ばして「ええ、とても硬い肉ですな」と答えた。
そしていくつかの夜を越えた後、ロブはブランに別れを告げて南への進軍を開始した。
ブランは神々の森へ入り、ホーダーに水遊びをさせて1人になったあと『心の木』の前でロブと多くの兵士たちの無事を祈った。
そこへ歩いてやってきたのは足枷をはめられたオシャだった。
オシャは神々の声を聞くというのはどういうことかをブランに説明する。そして、ウィアウッドがすべて切り倒されてしまった南の地では、ロブは神々の助けを得られない。ロブは北へ進軍するべきだと言う。
高巣城(アイリー)
恐れ
手紙で状況を知ったキャトリンは、レディ・ライサにヴェイルの兵を出してスタークを奪還するために戦をするロブに加勢してほしいと頼む。しかしライサは夫ジョン・アリンを暗殺し、ブラン・スタークを亡き者にしようとしたラニスター家を敵に回すつもりはないと断る。
「大事なのは家族。それを守るためにヴェイルの兵はここに留まるのよ」
谷間(ヴェイル)
山賊たち
高巣城(アイリー)を後にして西へ向かって歩いていたティリオンとブロンは、仔山羊を焼いて野宿しているところを山賊に囲まれる。数は10人ほどで、首領らしき大男は石烏族(ストーンクルーン)のグルンの息(そく)ガンサーと名乗った。
ガンサーはブロンを始末してティリオンは雑用係として仕えさせろと命じるが、ティリオンは「山を越えさせてくれたら父が大金を払うから殺すな」と説得。高価な宝石を渡し「谷間(ヴェイル)の諸侯になりたくはないか?と持ちかける。
要塞(モウト)ケイリン~地峡(ネック)
負けたら全滅
ロドリックとともに高巣城(アイリー)を離れたキャトリンは、要塞(モウト)ケイリンの門番の塔にスターク家の旗印が翻っているのをみて思わず目を瞠った。
テントではロブとシオン、ジョン・アンバーらが現状の戦力について話をしていた。ジェイミー・ラニスターの進軍によって河岸の諸公はそろって退却。それを見たタイウィン・ラニスターはジェイミー軍を上回る数の第2軍を送り出していた。
キャトリンはここで皆に会うことになるとは予想もしなかったと言い、ロブと2人で話をさせてほしいと頼む。ジョン・アンバーはラニスターの喉元に剣を突きつけると約束して、ロドリックとの再会を喜びテントを出ていった。
キャトリンはロブの堂々たる姿を喜びながらもできることならウィンターフェルに戻ってほしいと願うが、ロブはサンサから届いた手紙をキャトリンに見せてアリアの無事はわからないと話した。それを聞いてキャトリンは勝つしか生き残る道はないと悟り、すべてをロブに託す気になった。
北部軍は地峡(ネック)を越え、双子城(ツインズ)の北側で作戦を練る。リヴァーランで河を越え、河岸の諸公を味方につけてジェイミーを叩くか、それてもタイウィンに挑むか――。そこへラニスターの拙攻が連行されてくる。ジョン・アンバーは生きては返さないと脅すが「おまえが金のくそをするか、2万の兵で確かめてやる」とタイウィンに伝えろと言って解放する。父エダードならそうした、というのが理由だった。
三叉鉾河(トライデント)
タイウィンの提案
三叉鉾河(トライデント)を望む十字路周辺に2万の軍勢を配備しているラニスターの野営地を訪ねたティリオンは、タイウィンと山賊たちを引き合わせる。
戦の火だねを作ったのが自分であることに後ろめたさを感じ、ロバートが亡くなりエダードが捕虜になっていること、ジェイミーが河岸の諸公を相手にめざましい戦果を挙げ、キャトリン・スタークの故郷であるリヴァーラン城包囲していることを知ってもティリオンは、彼らに3,000組の武器を与えてほしいと頼む。
しかしロブ・スタークが地峡(ネック)を越えて進軍していると報告を受けたタイウィンは「共に戦えば息子が約束した以上の報酬を与える」と持ちかける。そこでガンサーが「あんたの息子が一緒に戦うことが条件だ」と答えたため、ティリオンはロブ・スタークの軍を相手に戦うことになる。
ドスラクの海
変化
ドスラクの草原を進む数千頭もの羊を殺し、町を焼き払う――暴虐の限りを尽くしていたオゴの部族(カラザール)を襲い、王とその息子を倒したドロゴの部族(カラザール)は1万人もの奴隷を手にいれた。ミーリーンへ行って彼らを売れば船と船員を買えるとジョラー・モーモントは言う。
焼かれた町の至る所に搾取され殺された仔羊人の首が転がっている。そのおぞましい光景から目をそらすことなく振る舞うデナーリスだったが、男たちが気の済むまで女を犯し続けることを許すわけにはいかず、ジョラーとラカーロたちに命じてやめさせる。ジョラーはすべての女を救うことはできないと言うが、デナーリスは全員連れて帰ると言い張る。
デナーリスがドロゴのもとへ戻ると、リーダー格のマーゴが「女たちを奪われた」と文句を言いに来ていた。デナーリスが彼の言ったことは本当だと認めたうえで「女に乗るならそのすべてを妻にするべきだ」と訴えると、ドロゴは逞しくなったと目を細める。
そしてマーゴには別の女を探せと命じて話を終わらせようとした。
しかしマーゴは「よそ者の女に従う奴など王とは認めない」と言って半月刀を突きつけた。ドロゴはその挑戦を受け、格の違いを見せつけてマーゴを屍にするが、左の胸に小さな傷を負った。デナーリスはその傷を、救った女に命じて手当させる。
ゲーム・オブ・スローンズ シーズン1 『第8話/的は刃のように』地図と登場人物


コメント