よくわかる!HOMELAND/ホームランド シーズン8(最終章)第12話『捕虜』 | VODフリーク

よくわかる!HOMELAND/ホームランド シーズン8(最終章)第12話『捕虜』

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よくわかる!HOMELAND/ホームランド シーズン8(最終章)第12話『捕虜』

)ネタバレを含みます。ドラマを見て確認したいことがあった時などにお役立てください。

よくわかる!HOMELAND/ホームランド シーズン8(最終章)第12話『捕虜』
アフガニスタンでワーナーが乗ったヘリを撃墜したのはジャラールであり、パキスタンがタリバンの新たな指導者となったジャラールを匿い、合衆国の特殊部隊を狙って国境で自爆テロを起こした。そう信じ込んでいるヘイズは、ISIの情報(時間を稼ぎたいソールがタスニーム・クレイシと取引をして官邸に届けた、ジャラールの潜伏先の偽座標)が嘘だったと知って激怒。強硬姿勢をさらに強める。

国連から戻り、ウェリントンからそのことを聞いたソールは、ヘイズに偽情報を掴ませたことはさらりと流し、「ロシアが絡んでいる。もはや合衆国とパキスタンだけの問題ではない」と手短に説明。ヘイズとの面談をすぐにセッティングしろとウェリントンに指示する。

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一方、ソールと協力しながら合衆国政府とは完全に敵対しているタスニーム・クレイシは、合衆国の戦闘機が領空侵犯したため、核兵器を配備したとニューヨーク・国連本部で表明。攻撃されれば徹底的に応戦すると断言した。

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タスニームの退場を見届けて会場を後にしたアンナ・ポメランチェワは、その内容をGRU幹部のセルゲイ・ミロフに報告。ミロフはパキスタンの反応によって一触即発の状況になったことを「朗報だ。ロシアの勝利は近い」と喜び、「大統領の通訳になる日が近づいたぞ」とアンナに語る。

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合衆国とパキスタンの戦争を防ぐには、ソールを拘束してクレムリンにいる協力者の名を吐かせるしかない――。覚悟を決めたキャリーはシャーロット・ベンソンを訪ね、即効性毒薬の使い方について説明を受ける。

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ヘイズとの緊急面談に臨んだソールを待っていたのは、外交政策コンサルタントのジョン・ゼイベルだった。
「1対1で話すのが怖いのか」
挑発されたソールは仕方なく受けて立ち、愚か者扱いされることは侵害だというゼイベルに「パキスタンは引き下がらない。2万の命を弄ぶのは愚か者どころか恥知らずだ」と話す。

その上でフライトレコーダーが見つかったこと、ヘリの墜落は事故だったこと、その証拠はロシアが握っていることを打ち明ける。そしてロシアがフライトレコーダーを渡さない理由を突き止めなければならないと話し、9.11後と同じ過ちを繰り返さないでくれと頼む。

しかしゼイベルはソールの話の信憑性を疑った上に「どんな戦争にも大義名分はある。サダム・フセインを倒したのは正しかった」と答える。

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ゼイベルに失望した(もともとアテにはしていない)ソールはウェリントンに電話し、ワシントンポストの記者との面談をセッティングするように頼む。ロシアがフライトレコーダーを渡さず、ヘイズが強硬姿勢を崩さない以上、パキスタンとの戦争を止めるにはメディアを使って国民に真実を伝えるしかないと考えたのだ。

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もう、後戻りはできない――。
ソールを拘束する決意を固めたキャリーは、マギーの自宅で偽造パスポートの束とクスリ、現金、そしてフラニーの写真をカバンにつめてソールの自宅へ向かう。

ソールにマギーとフラニーに会っていない点を突かれたキャリーは、戦争を止めるためにエフゲニー・グロモフと取引したことを明かし、独自の調査によってつかんだクレムリンの協力者像と赤いソフトカバーを使った情報交換について話す。

そして、その女性の名を明かせと迫る。しかしソールは協力者の存在は認めたものの、彼女はクレムリンにいる唯一の情報源(他の者はアリソン・カーが抹殺した)であり、彼女のような協力者を作るには10年かかるという理由で拒否。パキスタンとの問題は限定的だからメディアを使えば解決できると主張する。

しかし、キャリーはマスコミに戦争は止められないと反論。それでもソールが協力者を守るという姿勢を崩さず「民主主義を守るためには多少の犠牲はやむを得ない」と答えたため、2階へ駆け上がって素早く薬品を調合。部屋に入ってきたソールの首に、薬品を塗った指を押しつけた。

「何をした……!?」
首を押さえてそう聞いた直後、ソールがベッドの脇に倒れ込むのを見届けたキャリーは、手はず通り、表に待機しているGRUの諜報員に合図を送った。そして身体の自由は奪われたが言葉を発することはできるソールに「名前を明かせばGRUを止められる。言わなくてもいずれ私には分かる」と迫る。そして、協力者ひとりの命が、何十万もの命に勝ることはないと諭す。

やがてGRUの諜報員が2人、部屋に入ってきて、ソールを自室のベッドに運ぶ。そして注射器に薬液を注入し、足の指の間に狙いを定める。
「いいぞ」
キャリーは諜報員の合図でソールの耳元に顔を近づけ「こんなことをさせないで」と涙声で頼んだ。
それに反応したソールは、キャリーにもっと近づくように言う。
そしてキャリーはソールの言葉を耳元で聞いた。
「くそったれ。くたばっちまえ」
キャリーは諜報員たちを止め、プランを変えると言った。

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自宅に拘束したソールをGRUの諜報員に見張らせ、キャリーはヨルダン川西岸地区に設けられたユダヤ人入植地の集合体グーシュ・エツヨンに向かう。

ソールの妹ドリットを訪ねたキャリーは、ソールは昨日発作を起こして急死したと偽り「私に渡すように、とソールから預かっているものがあるはず」と聞き、USBメモリを受け取る。キャリーは、ソールなら私を後継者と考え、協力者の情報を引き継ぐ用意をしていると確信していたのだ。

ソールが残したメッセージから協力者の名前を確信したキャリーは、ドリットを見送った後、グロモフを招き入れ、ソールが残した動画を見せる。そのなかでソールははっきりと口にした。アンナ・ポメランチェワと。グロモフはその場でメールを送る。相手はGRU幹部のセルゲイ・ミロフだ。

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ミロフがグロモフからのメールを受け取ったのと、ソールが国連本部の会見場にいるスコット・ライアンにアンナの保護を指示したのは同時だった。

スコットはアンナを連れて会場を後にするが、GRUの局員たちに見つかって国連本部の地下の一室に追い詰められる。逃げ切れないと悟ったアンナはソールに電話を入れ、銃を渡すようスコットに命じてほしいと頼む。そしてアンナはGRUの局員がドアのバリケードを突破する直前、スコットの銃で頭を撃ち抜いた。「君は誰よりも勇敢だった」という、ソールの言葉をかみしめながら――。
電話越しに銃声を聞いたソールは嗚咽し、その場に崩れ落ちた。

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信頼してきた通訳を喪ったセルゲイ・ミロフは何事もなかったかのように予定通り会見を開き、ジャラールは2人の大統領の死に関与していないと発表。入手したフライトレコーダーに記録された最後の2分間の交信内容を、その場で再生した。

「誰もヘリを撃っていない。陰謀も破壊工作もパイロットの背任もなかった。恐ろしく悲劇的な事故だったのです。どうか大統領、軍や戦闘機の臨戦態勢を解いてください。もう戦う理由はない」

不確かな情報を鵜呑みにして戦争を始めようとしていたことを、こともあろうにロシアの次期大統領候補によって明らかにされ、諭された合衆国大統領は、絶句してテレビを切る。ソールの話を信憑性がないと言って退けた外交政策コンサルタントは、自身の身の振り方を考え、目を閉じる。

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そして――アンナの死を知ったキャリーは、グロモフとともにグーシュ・エツヨンを後にする。クレムリンで唯一の協力者をGRUに明かして甚大な損失をもたらしたキャリー・マティソンの居場所は、もはや合衆国のどこにもない。

グロモフはラマッラ(パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区中部に位置する都市)にいる仲間を頼り、シリアへ向かうと告げ、車を走らせる。

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2年後。キャリーはモスクワの高級住宅でグロモフと暮らしている。自慢のブロンドをかき上げ、入念にアイラインを作る。今夜はジャズセッションに出かけるのだ。

部屋には、CIA時代さながらに、自らが関わってきた祖国の行いが分かるよう、新聞や雑誌記事の切り抜きを張り付けている。デスクには一枚だけ持ち出してきたフラニーの写真を飾っている。それらを一瞥して、キャリーは、ネックレスをプレゼントしてくれたグロモフの腕に手を絡める……。

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その頃、転居の準備を進めていたソールのもとへ電話が入る。受話器を取ったのは手伝いに来ていた妹のドリットで、彼女はソールに伝える。
「間違い電話だった。ラビノウ教授のお宅ですか?だって。そんな人はいないと伝えたわ
ソールはすぐに自宅を出てなじみの古書店へ行き、店主からラビノウ教授宛の小包を受け取った。

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バンドメンバーの紹介が終わり、セッションがクライマックスに差し掛かったところで、前列の席にいた女性が立ち上がったのをキャリーは見逃さなかった。

「すぐ戻る」
キャリーはグロモフの膝を軽く撫で、席を立つ。
化粧室では黒髪の女性がひとり、鏡の前に立っていた。彼女は化粧直しを終えると、キャリーが置いたバッグを持って去っていった。キャリーは何事もなかったように化粧を直し、席へ戻る。

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ソールが受け取った小包の中身は、書籍だった。タイトルは『謎多き専制国家~なぜ私が祖国を裏切ったか~』。ロシアに亡命後、キャリーが書き下ろした本だった。ゆっくりとページをめくり、再び封筒の宛名に目を止めるソール。次の瞬間、ある可能性が頭をよぎった。
(まさか……!)

ソールはデスクの引き出しからルーペとピンセットを取り出すと、書籍の背表紙の隙間を探った。思ったとおり、そこには紙片が挿し込まれていた。ソールはピンセットで紙片を引き抜き、ルーペで文字を追った。

<モスクワから教授へ。ロシアがイランに売った防衛システムは侵入可能よ。崩せるわ。詳細はまた今度。お楽しみに>

(君はロシアで、こんなにも早く、アンナの代わりを見つけたというのか……!?)
ソールは顔を上げ、自らが見出し、育て上げた超一流の諜報員の姿を思い浮かべた。

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