黒の城(カースル・ブラック)
明け方、ゴーストの遠吠えを聞いて部屋を出たダヴォス・シーワースは、中庭に血だまりを作って絶命しているジョン・スノウを発見。その傍らに「反逆者」と書いた札があったことから、野人たちを”壁”の南側に引き入れることに反対していた守人たちの仕業と察した。エディソンは総帥の部屋に運ばれたジョンの亡骸を慈しむように撫で、すでに渇き始めていた瞳を手で覆って瞼を閉じてやった。そしてアリザー・ソーンの仕業だと断言した。
アリザーは食堂に守人たちを集め、マーシュ、ヤーウィックら指揮官たちと共謀して総帥を殺したと告白した。守人たちはアリザーらを反逆者だと罵倒するが、アリザーはジョン・スノウは守人を破滅に導いたと説得して彼らの気持ちを掴むことに成功した。
友を殺されて怒りが納まらないエディソンは数人の仲間とゴーストで敵を討つと言うが、ダヴォスは「無駄死にだ」と一蹴し、ジョンに恩のある者たち――野人を味方につけてアリザーと戦うべきだと進言。エディソンは部屋に閂をして誰も入れるなと命じ、野人たちのもとへ向かう。
アリザーは総帥の部屋をノックし、扉越しにダヴォスに告げた。
「我々が戦う理由はないはずだ。日没までに投稿した兄弟には恩赦を与える。サー・ダヴォスには南に行く自由と新しい馬を与えよう」
ダヴォスは時間を稼ぐために食糧を要求。アリザーは了承し、メリサンドルを連れて日没までに出ていけと伝える。
メリサンドルは鏡の前で一糸まとわぬ姿になる。豊かな髪。美しい乳房。くびれた腰……。それらはすべて魔力による幻想だった。メリサンドルは鏡に映った本当の自分の姿を恨めしそうに一瞥すると、しわだらけの身体をベッドに潜り込ませた。
ウィンターフェル城
ラムジー・ボルトンは犬舎長の娘・ミランダの亡骸の前で「おまえの痛みは1000倍にして返してやる」と誓うが、涙を流すことはなく遺体は犬に食わせろと命じる。
スタニス軍を一蹴しながらも王家の報復を恐れるルース・ボルトンは、北部を統率するためになくてはならない存在のサンサ・スタークを、鉄諸島の後継者もろとも逃がしてしまったことに言及。「おまえがいたぶったからだ」とラムジーを責め「サンサが捕まらなかった時は、ウォルダが男児を授かるのを祈れ」と言った。
ラムジーが放った猟犬に追われているサンサとシオン・グレイジョイは雪原を走り、身も凍るような冷たさの河を渡って北へ逃げる。しかし逃げ切れないと悟ったシオンは、サンサを逃がすために囮になることを決意。「北へ向かえ。ジョンは黒の城(カースル・ブラック)の総帥だ。助けてくれる」と言い残し、ボルトンの騎士たちの前に姿をさらすが、サンサとともにあっけなく捕まってしまう。
そんな二人を救ったのは、馬でサンサの行方を追っていたブライエニー・タースとその従士のポドリック・ペインだった。屈強なボルトンの騎士を退けたブライエニーは、今一度、サンサの前で跪いて言った。
「レディ・サンサ。お仕えします。背後の楯となり命を捧げることを、古今の神々に誓います」
それに応えるサンサの言葉をブライエニーは万感の思いを込めて聞き、そして立ち上がった。
キングズ・ランディング
冷たくなってドーンから戻ったミアセラと対面したサーセイは、魔女の予言どおりになったとつぶやき、これは運命なのだとジェイミーに言った。ジェイミーはそんなサーセイを抱き寄せ、復讐を誓った。
ウォーター・ガーデンズ
ミアセラの死を知ったドーラン・マーテルを、エラリア・サンドは躊躇なく手に掛けた。「エリアが犯され殺されても、オベリンが殺されても何もしなかった。ドーン人の恥よ。プリンスじゃない」
ドーランは息子トリスタンのことを気に懸けながら、血の海のなかで息絶えた。そしてトリスタンは船のなかでオバラとナイメリアに殺害された。
ミーリーン
デナーリスが不在のミーリーンを歩きながらティリオンはまちの停滞ぶりを嘆き、ヴァリスは小鳥たちを使ってハーピーの息子たちの背後にいる人物を洗い始める。
デナーリスの行方を捜すジョラー・モーモントとダーリオ・ナハリスは、草原でドラゴンに焼かれたと思われる山羊の骨を発見。やがて二人は遊牧民の足跡を見つけ、そのなかにデナーリスの指輪を発見。デナーリスはドスラクの遊牧民たちに連れ去られたと考える。
ドスラクの海
デナーリスは遊牧民の王カール・モロの奴隷として荒野を歩く。モロはデナーリスがカール・ドロゴの妻だったと知ると態度を改め、手縄を解く。デナーリスはミーリーンまで送り届けてくれたら馬1000頭を与えると話すが、モロは王を亡くした女王が向かう場所はひとつしかないと伝える。それは、ヴァエス・ドスラクの”ドシュ・カリーン”。死んだ王の妻たちと生涯を過ごすのが彼らの習わしと知り、デナーリスの表情は曇る。
ブレーヴォス
視力を奪われ、ぼろきれ一枚を纏って路上で物乞いをするアリアに、黒と白の館の娘は棍棒を投げつけて言った。
「立って戦え」
アリアは棍棒を握って闇雲に振り回すがあたるはずもなく、腹や顔を娘に好きなように打ち据えられて膝を折る。
「また明日」
娘は去っていく。
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