キングズ・ランディング
王妃の苦悩
命名日を祝う赤の王城(レッド・キープ)の剣術大会に酔って出場してきたホラード家のドントスをワインで溺死させようとしたジョフリー王をサンサが止める。命令されたと思ったジョフリーは腹を立てるが、サンダー・グレゲインの助言によって事なきを得る。
ブロンと山賊たちとともに赤の王城(レッド・キープ)に入ったティリオンは、父を亡くしたサンサを慰め、それができず戦場にも出てこないジョフリーを子ども扱いする。
さらに”王の手”の代理に任命されたことを証明するタイウィンの書状を持って開催中の小評議会に割って入り、ジョフリーがエダード・スタークを処刑するのを止められず、アリアを逃がしてしまったサーセイを責める。サーセイがタイウィンの期待を裏切ることを何よりも恐れていることを承知の上で。
そしてティリオンは”王の手”だったエダードが使っていた部屋でシェイとともに暮らし始める。
ティリオンに痛いところを突かれたサーセイはピーター・ベイリッシュにアリアの行方を捜してほしいと協力を求めるが、ベイリッシュはヴァリスに聞いた方がいいと暗に断る。サーセイがベイリッシュとキャトリンの昔話を引っ張り出して嫌みを述べれば、ベイリッシュはサーセイとジェイミーの不義の仲についてさりげなく言及。最期はサーセイの力にベイリッシュが屈する形になった。
ターガリエンの色が残る玉座の間の改装を独断で始めたジョフリーに、サーセイはジェイミーの奪還にはアリアが必要だから軍を使って捜索するべきだと進言。
しかしジョフリーはジェイミーが捕まったのはタイウィンの失策だと言い、サーセイとジェイミーの関係やロバートの落とし子についても言及(自分たちの出生は疑っていない)。職人たちの前で手をあげたサーセイに「今のは死罪に値する。二度とやるな」と凄む。
王都の守人(シティ・ウォッチ)の指揮官ジェノス・スリントは、ベイリッシュの娼館へ乗り込み、赤子を抱いている娼婦を発見。自らその赤子の命を絶つ。その子はロバート王の落とし子バルラだった。
その他の落とし子たちも次々と殺される。そして武具屋だった男はジェンドリーが冥夜の守人(ナイツ・ウオッチ)になる罪人たちと一緒に王の道を北に向かっていることを白状する。
ウィンターフェル
城主代理
エダードを喪い、ロブとキャトリンが不在の間もウィンターフェル城にはスターク家に忠誠を誓っている北部の諸公たちが陳情に訪れる。メイスター・ルーウィンの助けを借りながら城主の代理としてそれに対応するブランは、彼らが若い君主のロブを軽くみていると感じる。
レッドウェスト
疲弊
仔羊人(ラム・メン)に襲われドラゴンを奪われる危険がある南、最初に会う部族(カラザール)に襲われるに違いない西を避け、東に向かったデナーリスと彼女の民たちは果てしなく続く赤い荒野で疲弊していた。誰もが歩き疲れ、飢え、渇き、結婚式でドロゴに贈られた白馬も力尽きて倒れた。事態を打開するためにデナーリスはラカーロら数人に偵察を命じる。隊商、水、塩の海・・・生きる助けになる何かを見つけてくれることを期待して。
クラスターの砦
娘が妻
”壁”の北側へ出た冥夜の守人(ナイツ・ウオッチ)の偵察隊は、無人の村を6つ通過してクラスターの砦にたどりついた。サムはひさしぶりに若い女性を目にして胸をときめかせるが、彼女たちはすべてこの砦の主人クラースターの娘であり妻だった。娘を妻にしてまた娘を作る。クラスターはそれを繰り返して生きている。ジョン・スノウは「息子はどうなる?」と聞いたが、答えられる者はいなかった。
ジオー・モーモント総帥と上官たちを迎え入れたクラスターは、ベンジェン・スタークを見たのはもう3年も前だと言った。そして野人たちはもっと北でマンス・レイダーと行動を共にしていると話した。そして、マンス・レイダーはどの王よりも強大な軍隊を率いて南に侵攻するだろうとも。
モーモントはここにいるのは危険だと忠告するが、クラスターは「女たちと自由に生きるのが一番だ」と意に介さない。そしてジョンを睨みつけ「好きなだけ泊まって豚を食っていけばいいが、女に手を出したら腕を切り落とす」と警告。モーモントも絶対に勝手な真似はするなと言い含めた。
ドラゴンストーン城
紅の女
ロバート・バラシオンの弟でドラゴンストーン城主のスタニス・バラシオンは、エソスのアッシャイで生まれ育った女祭司(祭典や宗教上の職務をつかさどる者)で”紅の女”の異名を持つメリサンドルに導かれ、王位奪還の準備を進めていた。
メリサンドルは彼女にとってただ一つの神である『光の王』(ロード・オブ・ライト)の力があればスタニスを鉄の玉座につかせることができると確信していて、スタニスもその力を信じて全幅の信頼を寄せている。
しかし、長年にわたってスタニスに仕えてきたメイスター・クレッセンにとってメリサンドルはスタニスを拐かしている影魔道士か魔法使いでしかない。そこでスタニスが七王国中に自らが正統な後継者であることを知らしめる手紙を作成していた夜、周到に準備をしてきた毒でメリサンドルを亡き者にしようと画策するが失敗。スタニスが彼の死を悲しむこともなかった。
リヴァーラン城
王の成長
タイウィン軍と一攫千金を目指す諸公たちに居所をつかませないため、ロブは一夜ごとに野営地を変えながら捕虜にしたジェイミー・ラニスターを拘束している。
ジェイミーはロブを子ども扱いして揺さぶるが北の王は動じず、大狼(ダイアウルフ)の『グレイウィンド』に威嚇させながら、スタニス・バラシオンが使い鴉を使って七王国中に吹聴していることを伝える。
「ジョフリーは真の王ではなくバラシオン家の後継者でもない。おまえと王妃の不義の子だとな」
ジェイミーは認めないが「父はそれを知ってしまったために処刑され、おまえは王妃との仲を知ったブランを突き落とした」と主張。そして今回の戦いで捕虜にしたジェイミーの従兄弟アルトン・ラニスターを和睦の使いに出すと伝えた。
「父が受け入れるわけがない」というジェイミーの鼻先で、クレイウィンドが牙をむく。
ロブがアルトン・ラニスターに伝えた和睦の条件は(1)アリアとサンサの解放(2)エダードと家臣たちの遺骨の返還(3)北部の放棄(独立国家として認めること)。
飲まないと言うのならラニスターどもを殺す――。
作戦会議が散会した後、シオン・グレイジョイはサーセイとジョフリーがあの条件を飲むことはないと言い、船で海から攻め込んで王都を落とすべきだとロブに進言。200隻の船を持つ父の力を借りてエダードの敵を討ちたい、唯一の息子である自分が頼めば聞いてくれると話す。
キャトリンは、シオンの父ベイロン・グレイジョイの力を借りることに反対する。しかしロブは「現在の我々は当時のグレイジョイ家と同じ反乱軍であり、何より、ジェイミー・ラニスター1人ではサンサ、アリアと交換できない」と主張。
ならば・・・と半ば諦めた表情をして「ブランとリコンが待つウィンターフェルに戻る」とキャトリン。しかしロブはそれも許さず、レンリー・バラシオンとの交渉役に指名する。10万の軍を持つレンリーを味方につけることができれば数でラニスターを圧倒でき、脅威を与えれば和睦も早くなる、というのがロブの考えだった。
「みんなで帰りましょう、ウィンターフェルへ」
キャトリンは日に日に逞しくなっていく息子の頼みを聞かないわけにはいかなかった。
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