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【ネタバレ解説】ツイン・ピークス:リミテッド・イベント・シリーズ 第14章『私たちは夢見人のよう』 

【ネタバレ解説】ツイン・ピークス:リミテッド・イベント・シリーズ 第14章『私たちは夢見人のよう』

サウスダコタ

【ネタバレ解説】ツイン・ピークス:リミテッド・イベント・シリーズ 第14章『私たちは夢見人のよう』 

ツイン・ピークス保安官事務所のフランク・トルーマンへ電話をかけたゴードン・コールは、ハリーの様子を聞いた後、副所長のホークがローラ・パーマーの日記の失われたページを見つけたこと。そして、そこには2人のクーパーについての記述があることを知る。ゴードンは「今のところこの件ついては何も言えないが、本当に感謝している」と伝えて電話を切った。

【ネタバレ解説】ツイン・ピークス:リミテッド・イベント・シリーズ 第14章『私たちは夢見人のよう』 

アルバート・ローゼンフィールドは、タミー・プレストンに青いバラ事件の発端を伝える。
「1975年―――ワシントン州で殺人事件を調べていた2人の捜査官が、ロイス・ダフィーという女を逮捕するためにモーテルへ向かった。銃声を聞いてドアを蹴破ると、中には2人の女性がいた。1人は腹を撃たれていて瀕死の状態。もう一人は持っていた銃を落とした。撃たれた女がロイス・ダフィーだった。彼女は最後にこう言い残した。”私は青いバラのよう”。そして彼女は微笑み、息を引き取った。ロイスの死体はその場で消え、部屋の隅で悲鳴を上げた女もロイス・ダフィーだった。彼女に双子の姉妹がいたという事実はない。彼女は殺人を否認し、裁判を待つ間に留置場で自死した。逮捕したのはゴードン・コールとフィリップ・ジェフリーズだった。さて、そこで――君がすべき質問は何か?」
「……青いバラは何を意味するのか」
「その答えは?」
「自然界に青いバラはない。不自然なものよ。死んだ女性も不自然。魔法みたい。化身(トゥルパ)よ」
「見事だ」
アルバートは満足して頷いた。

【ネタバレ解説】ツイン・ピークス:リミテッド・イベント・シリーズ 第14章『私たちは夢見人のよう』 

その直後、ゴードンとダイアン・エヴァンスが部屋に入ってきた。
「君が最後にクーパーと会った夜、彼はガーランド・ブリッグス少佐について何か言っていたか?」
ゴードンは聞くがダイアンは答えるのを固辞。しかし、ブリッグス少佐について話したことは暗に認めた。

アルバートはダイアンに、少佐は25年前、政府施設の火災で死亡しているが、数日前、バックホーンで遺体が発見され、胃の中に指輪が残されていたと話す。指輪の文字は”ダギーへ 愛を込めて ジェイニー・E”。
「なんてこと……」
ダイアンはため息をついた後、ジェイニー・Eは母親違いの妹だと打ち明けた。
「彼女の夫はダグラス・ジョーンズ。ダギーと呼ばれているわ」
ダイアンは妹はラスヴェガスにいるが、仲がいいわけではなく何年もまともに口を聞いていないという。
ゴードンはFBIのラスヴェガス支局に連絡を入れ、ダグラス・ジョーンズとその妻について情報を集めろと指示した。

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ダイアンが部屋を出て行くのを見届けたゴードンは、ツイン・ピークスのフランクから聞いたローラ・パーマーの日記に関する情報をアルバートとタミーに伝え、昨夜、モニカ・ベルッチの夢を見たと話し始める。
「私がパリで捜査していると、モニカが電話で”カフェで会いたい。話したいことがある”と言ってきた。カフェにはクーパーがいたが、彼の顔は見えなかった。モニカはご機嫌で、彼女の女友達も一緒にコーヒーを飲んだ。そして、モニカは古い決まり文句を口にした。”私たちはみんな、夢のなかに生きているようなものよ”」
ゴードンが分かったと答えると、モニカはこう続けたという。
「でも、その夢を見ているのは誰?」

ゴードンの夢のなかに登場するモニカ・ベルッチは実在するイタリア人のファッションモデル・女優さんです。『007 スペクター』(2015年)に出演しています。

【ネタバレ解説】ツイン・ピークス:リミテッド・イベント・シリーズ 第14章『私たちは夢見人のよう』 

ゴードンは続ける。
「強烈な不安に襲われていると、モニカの視線が動いたので私は背後を振り返った。私はそこで見た。私自身の姿を。そこにいたのは、旧フィラデルフィア支部にいた頃の私だった。当時、私は夢について心配するクーパーの話を聞いていた。クーパーが夢で見たという2月16日の午前10時10分に、フィリップ・ジェフリーズが現れたんだ……いや、現れなかったというべきなのか……ジェフリーズは確かにそこにいて、彼はクーパーを指さして私に尋ねた。こいつを誰だと思っているんだ?と。そうだ……そのことをすっかり忘れていた」
「そうだ。私も思い出してきた」
アルバートが呟く。

旧フィラデルフィア支部でデイル・クーパーとフィリップ・ジェフリーズが登場するシーンは『最期の7日間』で描かれており、フィリップはコンビニの上での出来事を思い出しながらこう言うのです。”僕らは夢のなかで生きている”と。ゴードンはその言葉に着目していますが、ツイン・ピークス ファイナル・ドキュメントでタミーはフィリップがクーパーを指さして言った”こいつを誰だと思っているんだ?”(who do you think this is their)という言葉を重視しています。『最期の7日間』の通常版では削除されていますが、デヴィッド・リンチが未公開シーンを監督・編集し、ひとつの映像作品としてまとめた『もうひとつのローラ・パーマー最期の7日間』では、フィリップは年月日を訊いた直後、明らかに様子がおかしくなっています。そして、初対面のクーパーに対するこの言葉。真冬のフィラデルフィアに夏服で現れ、突如として消えたことからもこの時点でフィリップは異空間を移動して時空を超える能力を身につけていて、クーパーのドッペルゲンガーとすでに会っていたのではないかとタミーはレポートに記載しています。

ツイン・ピークス

【ネタバレ解説】ツイン・ピークス:リミテッド・イベント・シリーズ 第14章『私たちは夢見人のよう』 

保安官事務所。フランクは子どもをひき殺し、保育士のミリアム・サリヴァンを殺害しようとしたリチャード・ホーンに協力して手紙を盗んだチャド・ブロックフォードを逮捕。アンディ・ブレナンとボビー・ブリッグスに留置場へ連れていけと命じた。

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その後、フランク、ボビー、ホーク、アンディの4人は、ブリッグス少佐が託したメッセージが示す場所をめざして山へ入る。先頭を歩くのはボビーだった。ボビーは父親との思い出話をしながら、3人を”ジャック・ラビットの宮殿”に案内する。そこは巨木が根と高さ2mほどの幹の一部を残して朽ちた場所だった。
「幼い頃、父とここに座り、途方もない作り話を考えた」と懐かしそうに語るボビー。
ブリッグス少佐が示した場所は、ここから東に253ヤード(231m)。4人は付近の土をポケットに入れて歩き始めた。

【ネタバレ解説】ツイン・ピークス:リミテッド・イベント・シリーズ 第14章『私たちは夢見人のよう』 
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やがて、ホークが霧が立ちこめている場所で足を止める。そこには瞼を縫い付けられた全裸の女性――ナイドが倒れていた。ナイドは懸命を何かを訴えるが誰にも聞き取ることができない。そうしているうちに、フランクの腕時計が2時53分を刻む。その瞬間、深い森の中空に渦巻が発生。ナイドの手を離して立ち上がったアンディは異空間に飛ぶ。

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アンディを迎えたのは巨人だった。巨人は自らを”消防士”と名乗り、右手を上げた。巨人が手を下ろすとアンディの手に不思議な形をしたものが……。そしてアンディは、頭上の鏡でエクスペリメントがボブを創出した瞬間、コンビニに集い「火はあるか?」と語りかけるウッズマンの映像を見る。

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次に現れたのは天使に見守られたローラ・パーマーだった。そして、ナイド、交差するクーパーと”ミスターC”……。点滅する電話のボタン、愛する妻ルーシー。もう一度ナイドが現れ、最後はナンバー”6”の電柱だった。それらは煙になってアンディが手にしている不思議な物体のなかに収まり、アンディの意識と肉体は現世へ戻った。アンディはナイドを抱き上げ「重要な人だし、命を狙われている」と言い、留置場で保護しようとフランクに提案した。

【ネタバレ解説】ツイン・ピークス:リミテッド・イベント・シリーズ 第14章『私たちは夢見人のよう』 

グレート・ノーザン・ホテルの警備員フレディ・サイクスは、右手に緑色の園芸用手袋を着けている理由を、今日が誕生日だという仕事仲間のジェームズ・ハーリーに打ち明ける。

ロンドンのイーストエンドの実家で暮らしていた6カ月間前のこと。友達と飲んで自宅に戻る途中、フレディは、近道しようとして知らない路地へ入り、人生を無駄にしているという想いに支配された。何もせず、誰の役にも立たず、毎晩パブで飲んだくれていると。

そんな自分がイヤになったフレディは、面白半分で路地に積み上げられていた箱に飛び乗った。すると次の瞬間、彼は空気の渦でできた巨大なトンネルに吸い込まれたという。
「気がつくと、僕は空中に浮かんでいた。何もない虚空の上に。そこに男がいたんだ。彼は”消防士”と名乗った。そして言ったんだ。”近所のホームセンターに行け。緑色の園芸用手袋がある。開いているパックに右手用だけが残っている。それを買ってはめろ。お前の右手はくい打ち機のようなパワーを得る”と」
翌朝、部屋で目覚めたフレディは近所のホームセンターへ行き、手袋の棚に右の手袋だけが残っている開いたパックを見つけた。

【ネタバレ解説】ツイン・ピークス:リミテッド・イベント・シリーズ 第14章『私たちは夢見人のよう』 
「僕がそれを買おうとすると、店員が言ったんだ。”それは売れない。未開封のものを買え”と。でも僕はどうしてもそれが欲しかったから”片方だけ欲しい。代金はひと組分払うから”と頼んだ。それでも店員はダメだというので、僕が生まれたところではそういういヤツを”範囲外野郎”と呼ぶんだと言ってやった。人の望みを妨げて喜ぶ連中のことだ。そして僕はそいつにもう一度言った。僕はこれを買うと。そしてお金を置いて出口に向かった」
それでも店員は”開いているパックは売れない”と叫んで後を追いかけてきたという。フレディは手袋をはめた。しかしその隙にタックルを受けて倒された。

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「そのとき自衛本能が働いて、僕は手袋をした右手でヤツの頭を殴った。何かが割れる音がした。彼は頭を揺らして何かを話そうとしたけど、首の骨が折れたようだった」
フレディが思い出したのは、空中で出会った”消防士”と名乗る男の言葉だった。
『手袋をはめたらツイン・ピークスへ行け。合衆国のワシントン州にある町だ。そこでお前は運命を見出す』
「だから僕は、あんたの誕生日にここにいる」
ジェームズはすごい話をありがとうと礼を言った後、フレディに訊いた。
「なぜその”消防士”は君を選んだのかな?」
「いい質問だね。実は僕も彼に訊いたんだ。彼はこう答えた。”君じゃダメなのか?”」
フレディはすでに用意されていた航空券でツイン・ピークスにやってきたのだ。

【ネタバレ解説】ツイン・ピークス:リミテッド・イベント・シリーズ 第14章『私たちは夢見人のよう』 

ジェームズは配達物の受け取りとサインをフレディに任し、ホテルのボイラー室へ入った。ジェームズはそこで何かが共鳴しているような不思議な音を聴いた。

【ネタバレ解説】ツイン・ピークス:リミテッド・イベント・シリーズ 第14章『私たちは夢見人のよう』 

一人でロードハウスへ来てバーのカウンターでブラッディ・マリーを飲み始めたセーラ・パーマーは、隅のテーブルで飲んでいた長髪の男が隣に座るのを見て静かに言った。
「私に構わないで。お願い」
セーラはタバコの煙を吐き出し、向こうに戻ってと頼む。
しかし男はどこで飲もうと自由だと言い、下卑た言葉で罵った。

【ネタバレ解説】ツイン・ピークス:リミテッド・イベント・シリーズ 第14章『私たちは夢見人のよう』 

男の正面に向き直ったセーラは、仕方がないという表情をして右手を拡げて顔に当てた。セーラの顔がドアのように開き、その奥の暗闇から発せられた声を男は聞いた。
「これとファックしたいのか?」
次の瞬間、男はノドを噛みちぎられて絶命した。
セーラは自ら叫び声を上げ、駆け寄ってきたバーテンダーに言った。
「いきなり倒れたの」

ツイン・ピークス ファイナル・ドキュメントによると、セーラの本名はセーラ・ジュディス・ノヴァク・パーマーで、ワシントン州ベルビューで生まれた彼女は1943年にニューメキシコ州のロス・アマロスへ転居しています。父親がマンハッタン計画にかかわる末端業務を請け負っていたためです。一家は終戦後もその地にとどまり国防総省の仕事をしていましたが、11年後の1956年に事件が起きています。地元のAMラジオ局がホームレス風の男に襲撃され2名(DJと受付係)が死亡。この夜は放送を聞いていたリスナーが何人も失神しており、そのなかには当時13歳だったセーラも含まれていました(第8章)。翌朝意識を取り戻した彼女は病院で検査を受け、異常なしという診断でしたが……セーラの悪魔のような力は、あの、ゴキブリとバッタとカエルを足したような化け物を受け入れたことで生まれたと見て間違いないでしょう。あの日、ウッズマンが繰り返し唱えていたマントラもそれを証明しています。『馬は白目だ。そのなかに闇がある』。セーラはこれまでに白馬(蒼ざめた馬/ヨハネ黙示録第6章第8節にあらわれる、死を象徴する馬)の幻を何度も見ています。”そのなかにある闇”はこの夜のセーラそのもの。そして何より気になるのは名前にジュディが含まれていることです……。
問題は、その娘ローラも赤い部屋でクーパーと会ったとき、顔をドアのように開いて見せていること(第2章)。セーラのようにダークなイメージはありませんが、亡くなったローラもこの力を受け継いでいたのでしょうか?あるいは、セーラは闇、ローラは光ということでしょうか…?

【ネタバレ解説】ツイン・ピークス:リミテッド・イベント・シリーズ 第14章『私たちは夢見人のよう』 

ボックス席では二人の女性が話している。
ビリーを見た?」
「この2日見ていない」
最後に見たのはあんたよ
「すごく怖かった。キッチンに私とママと…おじさんもいたかな。窓の外にビリーが見えた。180センチの柵を跳び越え裏庭に着地して裏口に突進した。そのときに私を窓越しに変な目で見て、よろめくようにキッチンへ入ってきた。私もママも悲鳴を上げたわ。彼の鼻と口から血が出てた。シンクに頭を出すと血が滝のように流れた。私たちをみた彼は変な目つきで血だらけ。そして外に飛び出していった。どうなってんの?って感じよ」
「誰にも言ってないの?」
「分からないから対処のしようがなくて。ママと彼はいい仲だし」
「マジで?」
「少なくとも最近までは。ママの顔を見ればわかった。彼の名前を聞くとニヤついていたもん」
「……ママの名前は?」
ティナ
「……外に駆け出したの?」
「そうよ。彼はキッチンに10秒ほどしかいなかった。そしてすごい勢いで走ってった。後で見ると床と壁に血がついてた。私とママで苦労してきれいにしたわ。あのとき、おじさんはいたっけ…?」

ようやく、オードリー・ホーンとチャーリーの不毛な議論の背景が出てきましたね。キャスト名から判断すると、髪の短い女性はソフィ(演じるのはエミリー・ストーフ。デヴィッド・リンチの奥さんです)。もう一人の女性が言う”おじさん”がチャックかな。そしてビリーは『鼻と口から血』『変な目つきで血だらけ』という特徴から、浮かび上がるのは、保安官事務所の5号室に収監されているあの男…(エンドロールに表示される役名はDrunk)。

やがて、演奏がはじまった。Lissieの”WILD WILD WEST”だ。

Lissie – Wild West (Official Audio)
ツイン・ピークス:リミテッド・イベント・シリーズ 登場人物紹介
ぜんぶで124名!

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