よくわかる!『ツイン・ピークス』シーズン2あらすじ【第13章】悪魔 | VODフリーク

よくわかる!『ツイン・ピークス』シーズン2あらすじ【第13章】悪魔

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デヴィッド・リンチ「ツイン・ピークス」登場人物紹介
「ツイン・ピークス」には、序章から20名を超える人物が登場します。名前と関係を覚えるのはなかなか大変ですので、これを見ながら楽しんでみてはいかがでしょう?
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デヴィッド・リンチ演じるFBI捜査官ゴードン・コール登場!

デヴィッド・リンチ演じるFBI捜査官ゴードン・コール登場!

ドナとマデリーンは危機一髪のところでジェームズに助けられてハロルド邸から脱出するが、日記の奪取には失敗。危機を脱したことで絆を強めたジェームズとドナを見下ろすマデリーンの瞳に嫉妬の炎は見えない。汚れ傷ついたハロルドはユリの手入れをしながら咆哮を上げる。

ブックハウスのベッドに寝かせたオードリーの腕にはヘロインを打たれた痕がいくつもあり、呼吸も脈も弱くなっていたが、クーパーの声に応えて意識を取り戻す。ヘロインは致死量寸前だったようだ。
ハリーは過去の犯罪者リストからジャンの写真を探し出し「こいつがブラックローズを殺害した」といってクーパーに見せる。「カナダを縄張りにして賭博・麻薬などなんでもアリの危険人物が狙っているのは、おそらく君だ。オードリーを餌にして弟ジャックの仇を取るつもりだったのだろう」とハリーは推測する。
過去の教訓を忘れてオードリーを危険な目に合わせたと自分を責めるクーパーを、ハリーは「君は僕が出会ったなかで最高の警官だが、考えすぎるところがある」と慰める。

ブックハウスを尋ねてきたベンジャミンに、クーパーはオードリーが「片目のジャック」の売春宿にいたこと、そこの女主人(ブラッキー)も誘拐に関係していたが、ジャンに殺されたと告げる。ジャンが逃げたと聞いても顔色ひとつ変えず、身代金が全額戻ってきたことに安堵するベンジャミン。しかし、オードリーがヘロインを打たれていたと聞くと動揺を隠せない。

シェリーとボビーはレオを引き取り、介護できる環境を整えて保険金を手にするが、小切手の額面は月5,000ドルのはずが、わずか700ドル。医療費が高騰しており、税金、医療器具の代金、人件費を差し引くととそうなると言われ、ボビーはがっくりと肩を落とす。「仕事を辞めたのにどうするの!?」とボビーを責めるシェリー。滑稽な二人の前で、植物状態と診断されたはずのレオがちいさなうめき声を上げる。

ドナは「ローラのもうひとつの日記をハロルドが持っている。証拠品だから捜査してほしい」とハリーに頼む。しかしハリーは彼女たちの勝手な行動によってジャコビーが倒れて入院している事実を重く受け止めており「何も約束はできないが、誰かを行かせよう」と話すに留めた。

そこへクーパーの上司であるFBIのゴードン・コール捜査官が、ハリーの名を呼びながら取り調べ室へ入って来る。声がやけに大きいのは耳が遠いためで、両耳に補聴器のイヤホンを着けている。彼は部下の仕事ぶりを視察にきたついでアルバートの伝言を伝えると言い、クーパーが撃たれた朝、部屋の外に落ちていた繊維はビクーニャのコートのものだという。また、ジェラードが落としていったと見られる注射器に残っていたのは、アルバートでさえ見たことがない合成薬品らしい。そして殺人現場近くで見つかった紙片は、日記のものだ──と、ゴードンが言うと同時に、ホークがジェラードを連行してきた。ジェラードはまったく身に覚えがないようだが、ハリーは表情を引き締めてオフィスに来るように言った。

迎えに来てやさしい言葉をかけるベンジャミンに、オードリーは「いろんなことを知ってしまった。あとで二人だけで話したい」と顔をそむけ、クーパーと一緒に帰るという。しかしベンジャミンは、みんなで一緒に帰ろうと笑う。二人にしたくない理由があるのだろう。

殺人鬼ボブはグレート・ノーザン・ホテルにいる!

殺人鬼ボブはグレート・ノーザン・ホテルにいる!

情事のあとらしい。背中のファスナーが下ろされたドレスでソファに横たわるジョシーに、ジョナサンは香港行きの片道キップを投げつけ、ワイシャツのボタンを止めながら荷物をまとめるように言う。今夜出発するというジョナサンに「保険金がまだ手に入っていない。ホーンのお金も回収する。5年も待ったのよ」と反論するジョシー。しかしジョナサンも「エッカート氏が待っているんだぞ」と譲らない。
「お金が先よ」と背を向けるジョシー。ジョナサンはそれを惚れた保安官と一緒にいたいがための言い訳と見抜いており「今夜一緒に発たなければヤツもお前も殺す」と脅す。

「幼いころからよく似ていて、お互いに何を考えているか解っていた。だから、みんなが私をローラとして見てくれるのが──ローラになることができてうれしかった」。ドナとジェームズの絆がより強くなったと感じたマデリーンは、明日ツイン・ピークスを離れることをジェームズに告げる。

ジョシーはピートがサインをした製材所の土地譲渡に同意する契約書を持ってベンジャミンのオフィスを訪れ、約束のお金をもらうまで帰らないという。「私の金庫にはアンドリューパッカードが単なる事故死ではない証拠が揃っている」というベンジャミン。「私になにかあったら、貸金庫の扉が開いてあなたを3回終身刑にできる証拠が世に出る」とジョシー。ベンジャミンは500万ドルの小切手を渡し「お見事」と褒める。

アルバートから現状を聞いてきたゴードンは、クーパーがピッツバークと同じ悲劇を繰り返すのではないかと心配するが、「あの時とは状況が違う。問題はない」とクーパー。それを聞いたゴードンは懐からクーパーあてに届いた匿名の手紙を出してなかを見せる。「ポーンをK4へ ウィンダム・アール」チェスの手だ。身辺に注意しろ、とゴードン。

ベンジャミンは顧問弁護士のリーランドを呼び、「アイスランドから入金があり、アジアの投資家タジムラからは出資の申し出があった。それで弟は東京へ行って投資家の周辺を調査している。私はこれからアジアの投資家と会食だが、時間をかせぐいい方法はないか」と聞く。リーランドは「土地の再測量をしてから、役所の調査が入ると言う。その間に入ってくる金は為替で稼ぎ、必要なら本契約を先に延ばせばいい」とアドバイスする。

ハリーがジョシーを訪ねると、彼女はジョナサンと香港へ発つところだった。慌ててジョナサンを助手のリーだと紹介するジョシー。話を合わせて出ていくジョナサン。「製材所を売ったから香港に発つ」とジョシー。「愛しているから行くな」とハリー。ジョシーはコートの前を合わせて出ていった。

ホテルでの会食の席でタジムラは「500万ドルを用意したのに返事がないのはなぜだ」と問う。ベンジャミンは「ここは小さな町で、我々はあなたをよくしらない。だから慎重に進めている」と説明。「時間のムダだ、手を引く」というタジムラを、懸命に説得するベンジャミン。そのさなか、リーランドがマイクを握って歌い出す。席を立ったタジムラに、カウンターで飲んでいたピートが「ミルクはどうだ?」と聞く。

注射器に残った液体からハロペリドールの成分が検出されたことから、ゴードンはジェラードが多重人格者であること疑う。薬を投与していない状態で連れて来られたジェラードは、事情聴取の最中に発作を起こし別人格が現れる。

「君は誰だ」とクーパーが聞くと、「俺の名はマイク。人に宿る霊だ。ジェラードは俺の宿主だ」と答えた。マイクはボブと仲がよく、だから一緒にクーパーの夢に現れたらしい。その正体について聞くと「どこから来たのかはいえないが、ボブは楽しみたいんだ。ボブは寄生虫のように人間にとりつき、恐怖と快楽を食べて生きている。俺もボブに似ている。以前の相棒だ」とマイク。そしてこう言った。
「火よ、我とともに進め。だが神の御前に立って俺は清められた」と。

マイクは続ける。「腕を切り離しながらこの殻(身体)は捨てなかったのは、この体に宿り人の近くにいる必要があるからだ。そしてその目的は、ただひとつ。ボブを阻止するためだ」
そしてボブの似顔絵を見て言った。
「これは彼の真の姿だ。しかし、この顔が見える者はわずかしかいない。神に選ばれた者と、呪われた者だ」。

「彼は近くにいるのか」とクーパーが聞くと「40年前からいる」とマイク。そこは木造の大きな家で、木に囲まれている。同じような部屋がたくさんある。毎晩、違う魂がそこにやってくる──。そこまで聞いて、クーパーは目を見開いた。
「グレート・ノーザン・ホテルか」

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