よくわかる!『ツイン・ピークス』シーズン2あらすじ【第10章】ガラスの向こう側の男 | VODフリーク

よくわかる!『ツイン・ピークス』シーズン2あらすじ【第10章】ガラスの向こう側の男

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デヴィッド・リンチ「ツイン・ピークス」登場人物紹介
「ツイン・ピークス」には、序章から20名を超える人物が登場します。名前と関係を覚えるのはなかなか大変ですので、これを見ながら楽しんでみてはいかがでしょう?
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わたしもあんたのパパにこうされたのよ。

わたしもあんたのパパにこうされたのよ

24時間体制で監視していたにも関わらず、入院中のロネットの点滴に何者かが染料を混入し、爪の間に「B」の紙片を挿入していた事実が判明。クーパーは犯人の仕業だと断言し、蝶ネクタイの巨人から捜査のヒントを得たことを、ハリーとアーノルドに打ち明ける。

ドナがスミス邸を訪ねるとハロルド・スミスと名乗る若者が迎える。「食事宅配サービスをチェック」のメッセージについて聞くドナに、ハロルドはローラからドナに渡すように頼まれていたと言う。ハロルドは園芸家で自宅でランを育てている。理由あって外には出られないので「レディフリッパー」と名付けた自作のランをローラの墓に供えてほしいと頼む。

クーパーは、テレサ、ローラ、ロネットの3人の爪から見つかった「R」「B」「T」の紙片と蝶ネクタイの巨人の言葉には関連があると言う。さらに殺人鬼ボブはセーラ、クーパー、マデリーンが見ていて、似顔絵でパニックを起こしたロネットはおそらく実物を見ている。これは霊的な道だと言うクーパー。ハリーは真剣に聞こうとするが、アルバートは半ば呆れ、物的証拠の検査結果を報告する。

ジャームズのバイクから出てきたコカインはレオの家から見つかったものと同じ。これはレオの仕業(実際はボビーの仕業)だろうと推測。ブーツはサークル社製で新品。ロネットの爪から見つかった「B」は雑誌「肉体の世界」から切り取られた文字。殺人鬼ボブのような顔の男のデータはどこにもない。クーパーを撃った銃はワルサーPPK。あとは客室から採取した繊維質を調べてみるという。

ルーシーが「R」「B」「T」を含む言葉を書き出していると、ホーンズデパートの紳士服売り場に勤務するリチャード・トリメインが訪ねてきて、一緒にランチへ出かける。

ハリーたちが蝶ネクタイの巨人の身長について話をしていると、似顔絵を持ったリーランドがやってきて「この男を知っている」と言う。パール・レークスにある祖父の別荘の隣に住んでいた男で、名はロバートソン。クーパーが「R」「B」「T」すべてのアルファベットが入っていると指摘すると、リーランドはロバートソンが火を投げていたことを思い出す。”坊や、火で遊ぼう”と言ってマッチを擦り、投げていたらしい。リーランドが灰皿に投げたマッチの炎を見て、クーパーはそいつが犯人だと断言した。

ルーシーとリチャードは「ダブル・R・ダイナー」でランチ。一度寝たら6週間も連絡ひとつなかったことを責めるルーシー。「埋め合わせに社員割引でドレスを買ってやる」と笑うリチャードに、ルーシーは「だったらマタニティ・ドレスにしてよ」といって妊娠したことを告げた。

店内にはジェームズとマデリーンもいて、ジェームズはたばこを吸ったり、留置場で迫ってきたりと、最近ドナの様子がおかしいことをマデリーンに話す。ドナは親密そうに話している二人をみて嫉妬し、ハロルドとの出会いを持ち出す。

「片目のジャック」に潜入したオードリーは椅子に縛りつけられており、ブラッキー・オライリーは躊躇なく薬物を打ち、カメラを回す。早く始末するべきだと主張するバティスに、ブラッキー・オライリーは「ベンジャミンを脅して身代金を搾り取るから言われたとおりにしろ」と命令する。そして、朦朧とするオードリーを見下ろし「わたしもあんたのパパにこうされたのよ」と吐き捨てる。

あなたに憧れていたわ。その強さと勇気が欲しかった。

あなたに憧れていたわ。その強さと勇気が欲しかった。

保安官事務所へ靴の行商に来たジェラードは、部屋に置いてあったボブの似顔絵を見て目眩を起こす。どうやら見覚えがあるようだ。トイレに駆け込んで注射を打ったシェラードは「ボブ、近くにいるな」とつぶやく。

製材所で火災が発生したことに対して事情聴取を行うハリーに、シェリーは「レオの名誉に関わることだから何も言えない」と口を閉ざす。クーパーはあっさりと聴取をあきらめ「医学は進歩しているので、君が愛するレオもいつか目を覚ます時がやってくる」と言ってシェリーを帰す。クーパーは彼女が誰かの入れ知恵で保険金を受け取る気になったことを見抜いていたのだ。

オードリーが帰ってこないことを心配して声を掛けてきたクーパーに、ベンジャミンは男を夢中にさせる才能をもった娘と彼が特別な関係にあることを疑っているような発言をする。怒りを抑えて静かにその場を離れるクーパーの後を、謎の東洋人が追う。

朦朧としてベッドに横たわっているオードリーにジャック・ルノーの兄ジャン・ルノーがキャラメルを舐めさせ、さらに薬を打つ。ブラッキー・オライリーがベンジャミンから身代金を搾り取るために呼んだ助っ人で、すでにFBI捜査官だと分かっているクーパーを捕まえて弟の敵を討つつもりでいる。

ピートからの電話で、ハリーはジョシーが明日戻ってくることを知る。彼女に会って早く無実を確かめたいと焦るハリーに、クーパーは個人的な感情で動くべきではないと忠告する。そこへホークが来て、リーランドが話していた家は実在していて今は空き家になっていると報告する。

ボブの友人として夢に出てきたジェラードが戻らないことを気にしたクーパーはトイレを見に行くが、すでに姿はなく、床には注射器が落ちていた。「薬品なしで男は指さす」。巨人の言葉をクーパーはつぶやく。

自殺を図ったネイディーンは意識不明なのに鎖でベッドに縛り付けられている。理由を尋ねたエドに、主治医のウィリアムは、昨夜革製の器具を引きちぎったことと、アドレナリンの量が獣なみであると判明したことを理由に挙げた。祈るよりも歌ってやれと言われたエドは妻の手を握り「スモーキー・マウンテン」を唄う。その声が届いたのか、鎖を引きちぎって目覚めるネイディーン。その直後、エドは彼女の記憶が高校時代に戻っていることを知る。

クーパーとハリーはハワイ生まれの妻イオラニ・ジャコビーの協力のもと、病室のジャコビーに催眠術をかける。笑みを浮かべて眠りに落ちたジャコビーにエンジンオイルの臭いについて問うと、枕をジャック・ルノーに押しつけた人の顔を……。

ハロルドから預かったランの花束を供えたドナは、ローラの墓標に向かって話しかける。
「あなたに憧れていたわ。その強さと勇気が欲しかった」
墓地から戻ったドナは、ジェームズとマデリーンが抱き合っているのを見て車で出ていった。

「葬式に出るためにきただけなのにみんなが私をローラだと思ってしまうのがつらい」と涙するマデリーンをやさしく抱き寄せるリーランド。そこにやってきたクーパーとハリーは「ルノー殺害容疑で逮捕する」と告げる。

失意のドナが向かったのはハロルドの家。そこで目にしたものは、ローラのもうひとつの日記だった。

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