よくわかる ! ゲーム・オブ・スローンズ シーズン2 『第9話/ブラックウォーター』 | VODフリーク

よくわかる ! ゲーム・オブ・スローンズ シーズン2 『第9話/ブラックウォーター』

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よくわかる ! ゲーム・オブ・スローンズ シーズン2 『第9話/ブラックウォーター』

よくわかる!ゲーム・オブ・スローンズ【シーズン2】登場人物と相関図
シーズン2は物語の展開に合わせて城やエリアを軸に紹介します。
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キングズ・ランディング/ブラックウォーター湾

決戦を前にして

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間もなく決戦の時。ブロンは酒を飲み、女を抱き、ラニスターの衛兵たちと唄い、気持ちを高める。

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サーセイはパイセルに頼んで『夜の翳り』と呼ばれる薬液を手に入れた。ワインに一滴垂らして飲めばたちまち気持ちが落ち着くというが・・・・・・。

スタニスの艦隊は順風を帆に蓄えて赤の王城(レッド・キープ)の城門に面したブラックウォーター湾に入っていく。船の数は王都軍の10倍。兵の数は5倍。ダヴォス・シーワースの息子デヴァンは、『光の王』(ロード・オブ・ライト)の加護を信じきっており、勝利を確信している。

「王都が陥落したらスタニスはラニスターをひとり残らず焼き殺す。そりゃあ怖いさ」シェイの隣で眠れない夜を過ごしていてティリオンは今の心境を正直に話す。シェイは私が守ってあげるといい『毎度、人生最後の夜のように乱れろ』という、最初に会った時の約束をこの夜も果たそうとする。

サーセイはグランドメイスター・パイセルから『夜の翳り』と呼ばれる薬液が入った小瓶を手に入れる。一杯のワインに1滴でたちまち心が落ち着き、3滴で夢をみることなく熟睡できる。しかし10滴となると――サーセイはその先は言われるまでもないと言ってパイセルを帰した。

ブロンは酒を飲み、女を抱き、ラニスターの衛兵たちと唄っていた。そこへサンダー・クレゲインが入ってきて「豪傑気取りか?」と聞いた。ブロンは「ここにはうまい酒があり、いい女もいるのに、おまえは俺たちを墓場に送ることしか考えていない」と応戦。サンダーは「おまえも人殺しが何よりも好きなはずだ」と言って立ち上がり、ブロンを見下ろしながら剣に手をかけた。
「小鬼(インプ)が惜しむ」
その言葉にサンダーの本気を感じ取って女に離れるように言ったが、ブロンが剣に手をかけた時、スタニス艦隊の襲来を知らせる鐘の音が鳴り響いた。

少年王の虚勢

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「逃げずに戦うわよね、王なんだから・・・・・・」。サンサにそう言われたのも同然のジョフリーは新たな剣を手にして強がるが・・・・・・。

従士のポドリック・ペインに鎧の装着を手伝わせながらティリオンは、ヴァリスが見つけておいてくれたキングズ・ランディングの地下道の地図を拡げる。狂王(マッドキング)と呼ばれたエイリス・ターガリエンは、包囲戦に備えて町の地下に全長80kmにおよぶ地下道を作っていたのだ。
ヴァリスはティリオンに「あなたは戦に向いていらしゃる」と称え、緊張した面持ちで言った。
「暗黒の力を信じる者が鉄の玉座につく――そんな事態を止められるのは、あなたしかいない」

けたたましく鳴り響く鐘の音を聴き、ダヴォスは「太鼓を叩け」と全艦隊に指示。勇ましく猛々しいその音に包まれて、スタニスは笑みを浮かべる。

『メイゴルの天守』へ避難する前に、サンサはシェイとともに聖堂でジョフリーを待っていた。戦場に出る王を見送るように命じられたからだ。

ジョフリーは真新しい剣を”ハート・イーター”だと言って抜き、サンサは命じられるまま鈍く光る刃に唇をあてた。刀にならいくらでもキスしてあげるわ、と思いながら。そして精一杯の皮肉を込めて聞いた。
「城門から出て前線で戦われるのですか?」
ジョフリーは目を泳がせて答える。
「王がどう戦うかを、愚かな娘に話したりするものか!」
サンサはひるむことなく続ける。
「前線へ行かれるに決まっていますよね。偽りの王である兄ロブ・スタークでさえ、先頭に立って激戦区へ出ていくのですから」
ジョフリーはサンサを睨みつけて言った。
「いずれ奴とも戦う。その時は”ハート・イーター”に付いた、奴の血を舐めろ」

シェイは短い言葉を交わしてティリオンを見送り、後に続く兵士たちの背中を追った。
「あのなかにはもう戻らない人もいるわ」
「ジョフリーは戻る。悪者は残るのよ」
サンサは静かに呟き、『メイゴルの天守』へ向かった。

ブラックウォーター湾を見下ろす城壁に登ったジョフリーは、味方の艦隊が見えないことに不安を覚え、激しく動揺する。ティリオンは「向かっている」とだけ言ってその理由を教えようとはせず、漆黒の海を凝視した。

鬼火(ワイルド・ファイアー)

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スタニスの艦隊を焼き尽くした鬼火(ワイルド・ファイアー)。想像以上の破壊力にティリオンらも言葉を失った。

ダヴォスは夜襲で敵の虚を衝いたと浮かれる副長のマットスに「ヴァリスはおまえの朝食のメニューまで把握している。虚を突くなどあり得ない」と諫める。

『メイゴルの天守』で、サンサがジョフリーが見送りを命じた理由をシェイに訊いていると、イリーン・ペインを伴ってサーセイが入ってきた。サンサはサーセイに注がれたワインを飲む。そこへ王都の守人(シティ・ウォッチ)の騎士が「馬と金を盗んで逃げようとした馬丁と女2人を捕らえました」と報告に来る。サーセイはイリーン・ペインに処刑して首をさらすように命じ、サンサに言う。
「謀反を防ぐには下々の者に自分を怖れさせるしかないのよ。憶えておきなさい」

太鼓を鳴らして迫ってくるスタニスの艦隊を肉眼で捕らえたティリオンは、弓矢隊を待機させる。

やがて一隻の船がスタニスの艦隊へ向かっていくのが見えた。

一隻の船が直進してくるのを見て、ダヴォスは弓矢隊を待機させる。そして敵の船を十分に引きつけるが、甲板には誰もいない。

そして――注意深く船体を見ていたダヴォスの目に映ったのは、船尾の底から吹き出している綠色の液体だった。船は舵を固定して艦隊に突っ込んでくる。
「鬼火(ワイルド・ファイアー)だ!!待避しろ!!」

鬼火(ワイルド・ファイアー)を満載した船が敵の艦隊に突っ込んだのを確認したティリオンは松明を投げて合図を送る。

それを見たブロンは火の点いた矢を力一杯引いて、スタニスの艦隊がひしめくブラックウォーター湾に向けて放った。

火矢はダヴォスが指揮を執るブラック・ベータ号のそばに着弾し、綠色の炎が海上を舐めるように走った。そして次の瞬間、その周囲にいた十数隻の船が閃光を発して粉々に砕け散った。

その炎は瞬く間に後方の艦隊も飲み込み、すべてを焼き尽くしていく。それはティリオンやサンダー・クレゲインが言葉を失うほとの破壊力であり、火術師のハラインとジョフリーは笑みを浮かべた。

不屈

鬼火(ワイルド・ファイアー)を二度はない小技と言い放ち、ガレー船で城門を目指すスタニス。戦を知っている王は逃げずに先陣を切る。

謀反人の娘だと貶めておきながら、サンサを近くにおいて話をしたがるサーセイ。私のようになってはいけないと言いたいのだろうか・・・・・・。

どうにか難を逃れたスタニスは「城門はまだ遠く、犠牲が増えるだけです」と部下の忠告を無視してガレー船に乗り込む。
「私に続け!王都を取れ!!」
兵士たちは拳を突き上げ、気勢を上げた。

サンサは他の貴婦人たちと手を取り合い、神々に対して祈り捧げる。サーセイは戦いが始まってからワインを飲み続けており、泥酔に近い状態でサンサを呼び、ここに座って一緒に飲めと命じる。そしてスタニスが勝利した場合、ここにいる女性たちがどんな目に遭うのかを話す。「男たちにとってあなたは食べてくれといわんばかりのこちそうよ」と言われたサンサは、グラスのワインを一気に飲み干す。

オールを漕いで河を突き進むスタニス軍を目の当たりにしてジョフリーは数が多すぎると震え上がった。ティリオンは「不屈だな」と敵を称え、弓矢隊に火の雨を降らせろと命じ、サンダー・クレゲインには隊を率いてスタニス軍を迎え撃てと指示した。そして王の門にいる兵を泥の門に集めろと伝えてポドリックを走らせた。

河岸にとりつき、城門を目指すスタニス軍に雨のように火の矢が降り注ぐ。城壁にとりついたと思ったら岩石が降ってきて頭を砕く。部下たちの血を浴びながらもスタニスは泥の門へ兵を進め、サンダー・クレゲイン率いる王都軍と激突する。

酒を飲んでサンサを話しているうちにサーセイはシェイの視線に気付く。そして貴族の作法を知っているかどうか試し、ロラスから赤の王城(レッド・キープ)へ来た経緯を訊いてシェイの嘘を見抜く。ティリオンに連れて来られ一緒に住んでいるとは言えないシェイは口を閉ざすしかない。

窮地に追いこまれたシェイを救ったのは、負傷して後退したランセル・ラニスターだった。ランセルがスタニスが城壁に迫っていることを報告すると、サーセイはジョフリーを城内に戻すよう指示。ランセルは士気が下がることを怖れて反対するが、サーセイは強い口調で「行け」と命じた。

そしてサンサに言った。「イリーン・ペインがここにいる本当の理由は、スタニスに負けた時、私たちを処刑するためよ」

人殺しの世界

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全身を炎に包まれた兵を見て兄に顔を焼かれた恐怖がよみがえり、戦意を喪失したサンダー・クレゲイン。サンサには北に行くことをほのめかし、キングス・ランディングを去った。

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一度も城外に出ることなく、ジョフリーはサーセイに言われるがままに安全な部屋に逃げ帰る。

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おれは半人前と言われるが、おまえたちは何なんだ!?少年王の姿が見えず士気が上がらない兵隊たちに問いかけ、戦えと鼓舞するティリオン。

兄によって心と顔に刻まれた忌まわしい過去そのものと言える炎を前にして、サンダーは戦闘意欲を失って後退。

「はしごをかけろ!!」
数に勝るスタニス軍が一気に攻勢に出る。一番乗りを果たしたのはスタニス・バラシオン。兜も被らず、鬼神のように敵をなぎ倒していく。

城内に戻ったサンダーは水筒に入ったワインを流し込んで一息つき、「どうして戻ってきた!」と叫んだジョフリーと「つまみを持ってこさせようか」と皮肉ったティリオンに向かって吐き捨てた。
「半分がやられた。”王の楯(キングズ・カード)”がなんだ。町がどうした。王など知るか!」
戦いに怖れを抱いた”ハウンド”は、その場から去っていった。

スタニス軍ははしごを駆けて城壁を登る一方で、破城槌(はじょうつい)を陸揚げし、泥の門へ殺到した。丸太をぶつけられるたび、扉が悲鳴を上げる。

サンダーを呆然と見送ったジョフリーのもとへランセルが来て、サーセイの伝言を伝える。ティリオンは王として町を守れと檄を飛ばすが、ジョフリーはマンドン・ムーアら”王の楯(キングズ・カード)”に「叔父と残って王の代わりを務めよ」と言い、城内に逃げ帰ってしまった。

劣勢に立たされている上に王の姿がどこにも見えず、士気が上がらない王都軍を鼓舞したのはティリオンだった。ティリオンはマンドン・ムーアに王の旗を持てと命じ、眼下の兵隊たちに門以外の出口を使い、敵の背後を突くと宣言。そして「おまえらの町を守れ、家族と財産と女たちを守れ!俺たちの門を壊している奴らをぶっ殺してやろう!」と叫んだ。兵隊たちは剣を掲げて雄叫びを上げた。

『メイゴルの天守』に戻ったランセルは「王が去るのを見て皆、戦意を失いました。戦場に戻すべきです」と進言。しかしサーセイはそれを許さず、矢で傷ついたランセルの腹部を殴りつけて出て行った。

のたうち回るランセルの姿を見て落ち着きを失った貴婦人たちを鎮めたのは、サンサだった。
「はね橋は上げられているからここは安全です。唄いましょう」
女たちは祈りの歌を唄い始めた。

シェイはサンサに小さく声をかけた。
「逃げて。部屋に閉じこもるのです。スタニスより先にイリーン・ペインに殺される」
サンサは一緒に逃げようと言うが、シェイは私は自分の身を守れるから大丈夫と言って、イリーン・ペインに気付かれないようにサンサを送り出した。

サンサが部屋に戻ると、いつからそこにいたのか、サンダー・クレゲインがベッドに腰掛けて水筒のワインを呷っていた。
サンダーは火のないところへ行くと言い、ウィンターフェルまで連れて行ってやろうかと訊く。俺となら安全だぞと――。

サンサが「スタニスは殺さない」と答えると、サンダーは血まみれの顔を近づけて言った。「スタニスもラニスターの連中も、おまえの親父も兄貴も人殺しだ。おまえの息子もそうなる。この世は人殺しの世界だ。だからよく見て慣れておけ」
そして彼は、静かに部屋を出ていった。

加勢

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阿鼻叫喚の戦いのさなか、”王の楯(キングズ・カード)”のマンドン・ムーアに狙われたティリオン。地べたに転がりながら援軍が来たことを知った。

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「戦は終わった」そう言って玉座の間に入ってきたのはタイウィン・ラニスターだった。

エイリス・ターガリエンが作り上げた地下道を通って泥の門へ出たティリオンたちは、背後からスタニス軍に襲いかかった。そして破城槌(はじょうつい)を覆っていたガレー船を焼き払った。泥の門は興奮のるつぼと化し兵隊たちはティリオンと称えて合唱した「ハーフマン!」と。

ところが新手が大挙して現れ、泥の門はまたしても敵と味方が入り乱れて血しぶきを上げる戦場となった。小さな身体で懸命に敵の攻撃を受け止め、一歩も引かないティリオン。その前に立ち塞がったのは、”王の楯(キングズ・カード)”のマンドン・ムーアだった。味方がいきなり振り下ろしてきた剣を後ろに下がって交わしたティリオン。しかし額から頬にかけて皮膚を切り裂かれた指揮官は、マンドンを一撃で仕留めたポドリックの腕に倒れ込んだ。

サーセイは鉄の玉座にトメンとともにすわり、獅子の母と子の物語を話して聞かせる。そうしている間にも命がけで戦っている男たちの咆哮や叫び声、剣がぶつかる音がどんどん近づいてくるのがわかる。

王都は陥落する――そう確信したサーセイは、懐から小瓶を取り出し、手のなかでフタを外す。中味はパイセルに言って取り寄せた『夜の翳り』だ。10滴垂らせば確実に死に至る・・・・・。サーセイはその瓶をトメンに握らせて――。

次の瞬間、玉座の間の扉が開き、騎士たちが飛び込んできた。二手に分かれた彼らの間から歩み出てきたのはタイウィン・ラニスター。脇を固めているのは、レンリー・バラシオンの死後、ハイガーデン城に戻っていた“花の騎士”ロラス・タイレルとその家臣たちだった。

サーセイはトメンに握らせていた小瓶を粉々に砕いた。

よくわかる ! ゲーム・オブ・スローンズ シーズン2 『第9話/ブラックウォーター』地図

よくわかる ! ゲーム・オブ・スローンズ シーズン2 『第9話/ブラックウォーター』キングズ・ランディング地図

映像では海上(湾内)で鬼火(ワイルド・ファイアー)が炸裂したように見えましたが、原作小説(「氷と炎の歌2・王狼たちの戦旗・下巻」)では、ブラックウォーター河で使われたことになっています。参考までに。

コメント

  1. Yasu.Y より:

    前略 いつもお世話になっています。そして、このブログに出合せていただきとても感謝しております。
    私は最近このドラマを見始めした。まだシーズン5の途中で色々疑問がありましたが、貴殿のブログで理解することが出来、とても感謝してます。
    もしよろしければお教え頂きたいのですが、ブラックウォーターの戦いで使われたワイルド・ファイアーは、当初はサーセイが主導だったのがティリオンが主導権を握った経緯がイマイチ理解出来ません。若くないもので理解力が不足していると思いますが、お時間あれば教えていただけたらと思います。
    このブログにとても感謝しております。ありがとうございました。

    • momoco momoco より:

      コメントありがとうございます。
      ブラックウォーター湾の戦いを前にして、サーセイはすでにジョフリーを制御できなくなっていました。それでもスタニスに負けることは許されないし、息子を死なせたくもないので、
      ティリオンが愛する娼婦を人質に取って、ジョフリーを守れと命じました。
      サーセイが人質にしたのはシェイではなくロスでしたが(人違いだったのでしょう)、
      ジョフリーを守らなければシェイの身が危ないと確信し、ワイルド・ファイアーの
      作戦を立てた……というところではないかと。

      今、シーズン5ですか。
      物語を楽しむためのお役に立てているなら幸いです!

      • Yasu.Y より:

        お忙しいところ、早々のお返事をいただき、ありがとうございます。
        サーセイがワイルドファイアーをどの様に使う予定だったのか。ティリオンがサーセイを説いてどう作戦変更したのか。その経緯が分からなかったので……。すみませんでした。
        本当にに貴重なお時間を頂きありがとうございました。
        今後もプログを楽しみにさせて頂きます。