()ネタバレを含みます。ドラマを見てわからないところがあった時などにお役立てください。
レーナー・ヴェラリオンとの婚儀から10年後。レイニラはジャセアリーズ、ルケアリーズに続く3人目の子供ジョフリーを出産する。
アリセントは出産直後にレイニラを呼びつけてジョフリーを抱く。ヴィセーリスは上機嫌だが、レイニラの子供たちの出自を疑っているアリセントは、赤子の髪の色と顔を確認してレーナーにささやく。
「めげないで。いずれあなた似の子が生まれるわ」
自室に戻ったレイニラは、王都の守人(シティ・ウオッチ)の指揮官ハーウィン・ストロングにもジョフリーを抱かせる。ハーウィンが赤子をあやす姿は父親そのものだった。
ジャセアリーズは竜舎(ドラゴンピット)で、幼竜ヴァーマックスを制御する訓練を受ける。自らの指示で山羊を焼き殺したヴァーマックスを見てジャセアリーズは高揚感を覚える。
退屈な様子でそれを見ていたエイゴンは、まだドラゴンを所有していない弟エイモンドに豚をプレゼントする。ジャセアリーズとルケアリーズにも笑われたエイモンドは、ひとりで竜舎(ドラゴンピット)の奥へ侵入。巨大なドラゴンと対面し、慌てて退散する。
エイモンドがジャセアリーズとルケアリーズから屈辱を受けたと取ったアリセントは、レイニラの子どもたちは3人ともヴェラリオン家の血を引いていない、これは王とヴェラリオン家に対する侮辱だとヴィセーリスに話す。しかしヴィセーリスは「もうこの話はするな」と言って取り合わない。
アリセントはその不満を”王の楯(キングズ・カード)”のクリストン・コールにぶつける。かつてレイニラに恋の逃避行を提案して一蹴されているクリストンは「レイニラは恥知らずで獲物の中味を吸い尽くすクモです」と揶揄してアリセントに同調する。
それでもアリセントは危機感を払拭できない。レイニラが載冠して鉄の玉座に就けば、自身とその子どもたちは王位を脅かす敵と見なされ、排除されるからだ。アリセントは手淫にふけるエイゴンをつかまえ、弟に悪ふざけをしている場合ではないと怒鳴りつける。
レーナ・ヴェラリオンと結婚したデイモン・ターガリエンは、双子の娘ベイラとレイナを連れて自由都市ペントスを訪れる。そこで、プリンス・レッジオから手厚いもてなしを受け、南方で勢力を拡大しているライス・ミア・タイロシュの三頭市(トライアーキー)からペントスを守ってほしいと頼まれる。
王位継承争いとは無縁の地での快適な暮らしを気に入り、ドラゴンと金という単純な取引に魅力を感じたデイモンは前向きに考えると約束。しかし3人目の子どもを身ごもっているレーナは「ヴァリリアの血を引く私たちが田舎の領主に治まるなんて許されない。故郷のドリフトマークでこの子を産み、父上たちと一緒に育てたい」と言って反対する。
ヴィセーリスとライオネル・ストロングが見守るなか、王妃の息子たちはクリストン・コールから、王女の息子たちはハーウィン・ストロングから剣術を習う。
鍛錬を進めるうち、クリストンはエイゴンに勝つための実践的な戦い方を指南。それを受けてエイゴンは体格で劣るジャセアリーズに対して力任せの攻撃を続ける。見かねたハーウィンがエイゴンを制止すると、クリストンは王都の守人(シティ・ウオッチ)の指揮官に対して不服を隠そうともせずに言い放った。
「この稽古にやけにご執心だな。普通、それほど気にかける相手は兄弟か――息子だ」
ハーウィンはクリストンを殴り倒し「もう1度言ってみろ!」と叫ぶ。
噂は本当だったと確信したクリストンは血を流しながらほくそ笑む。
これで私の子どもの出自に対する疑惑がさらに強くなる・・・。
ハーウィンとライオネルの話を立ち聞きして剣術の稽古中に起きた事件を知ったレイニラは危機感を強め、昼間から愛人と泥酔しているレーナーに「悪い噂が立っている」と話す。
レーナーは10年にわたって自分の務めを果たしてきたと話し、賢い船乗りは嵐が来る前に針路を変えると返答。再び始まった踏み石諸島での戦いに参加すると主張するが、レイニラはこれを一蹴。「王都に残り私のそばにいなさい」と命じた。
自身が選んだ卵が8年待っても孵化せず、騎竜者(ドラゴンライダー)になれないレイナは「ドラゴンを持たない私は、プリンス・レッジオに必要とされていない。父上にも無視されている」とレーナーに話す。
幼い心を痛めている愛娘にレーナーは「私は15歳になるまでドラゴンがいなかった。でも今は世界最大のヴァーガーに乗っているのよ。騎竜者(ドラゴンライダー)の権利は自分で掴みとりなさい」と励ます。
ブラックウッド領の問題、踏み石諸島の戦況。小評議会において、レイニラとアリセントはことごとく対立する。
居心地の悪さを我慢できないレイニラは、王妃に詫びたうえでジャセアリーズとヘレイナの婚約を提案。シアラックスが卵を産めばエイモンドに1つ選ばせることも付け加えた。
ヴィセーリスは名案だと賞賛するが、アリセントは「王とよく検討する」と返答するに留め、散会後は「追い詰められた狐の妄言よ」と非難。そして「どうしてもそうしたいなら私がお墓に入ってからにして」とヴィセーリスに怒りをぶつけた。
そんななか、ライオネル・ストロングは、息子ハーウィンの不祥事の責任をとる形で”王の手”の辞任を申し出る。アリセントは当然だと受け止めるが、ライオネルを誰よりも信頼しているヴィセーリスは認めない。ハーウィンがすでに王都の守人(シティ・ウオッチ)の指揮官ではなくなったこともあり、ヴィセーリスはしばらく休暇を与えるという形でこの件を収めた。
アリセントの行き場のない怒りを静めたのは、ライオネル・ストロングのもう一人の息子ラリス・ストロングだった。
「こんなとき、父がいれば私に味方をしてくれたはず」
その言葉を命令だと受け止めたラリスは、縛り首が宣告されている犯罪者を使った謀略を企てる。
レーナは産気づくが、どれだけ息んでもお腹の子どもは出てこない。ペントスの助産師から母子とも助からないと告げられたレーナは、自らヴァーガーの前に歩み寄って何度も命じた。
「ドラカリス!」
ヴァーガーは戸惑いの表情を浮かべながらも主人の言葉に応え、炎に包まれた妻をデイモンは黙って見送った。
「必ず戻る」
ハーウィン・ストロングはレイニスの息子たちに約束して赤の王城(レッドキープ)を去った。
見送ったレイニラは、ドラゴンストーンに移るとレーナーに告げる。
後ろ指を指され続ける毎日に耐えられなくなったというのが、その理由だった。
恋人クァールの帯同を許可されたレーナーに反対する理由はなかった。
誰もが寝静まった夜更け。ハレンの巨城(ハレンホール)は炎に包まれた。
居室に閉じ込められたハーウィンとライオネルは煙と炎の中で生涯を終えた。
首謀者はラリス・ストロング。
アリセントは「こんなことを願ったのではない」と我が身を抱きしめるが、
「いつか私に褒美をあたえるはずです」とラリスは静かに笑った。
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