シャーロック・・・・・・竹内 結子
橘 和都・・・・・・貫地谷 しほり
礼紋 元太郎・・・・・・滝藤 賢一
柴田 達也・・・・・・中村 倫也
双葉 健人・・・・・・小澤 征悦
波多野 君枝・・・・・・伊藤 蘭
水野 孝之・・・・・・二階堂 智
水野 亜紀子・・・・・・水川あさみ
脚本
丸茂 周/小谷 暢亮/政池洋佑/及川 真実/森淳一
監督
森 淳一/瀧 悠輔/松尾 崇
遺体の腹に手を突っ込んで残留物を探す女
ボランティアの医療スタッフとして従事していたシリアから帰国した外科医師の橘和都を羽田空港をロビーで出迎えたのは、彼女の恩師である水野孝之だった。
「手紙、ありがとうございました。何度救われたかわかりません。わたしの心の栄養剤でした」
リュックから封書の束を取り出して誇らしげに見せる和都の前で、突然、何かが弾けた音がして、水野はその場に崩れ落ちる。「先生・・・・・!」和都が抱き起こすと腹部が血に染まっている。ためらうことなくワイシャツのボタンを引きちぎる和都。すると水野の腹部は内部から爆発したように大きな穴が空いていた。「先生ッ!」和都が呼ぶが、水野はすでに絶命していた。
「まるで悪魔の仕業だな」
水野の死体を確認してそう呟いたのは警視庁刑事部捜査一課の礼紋元太郎警部。部下の柴田達也巡査部長とともに現場検証に来ている。礼紋は遺体の写真を撮影して“あいつ”に送るよう柴田に命じ、詳しい話を聞くため和都を参考人として警視庁へ案内する。そこで待っていたのは、水野の妻・亜紀子だった。
「ごめんなさい・・・わたしを迎えにきて、あんなことに・・・」
自分を責める和都に亜紀子はただ、うつむき、弱々しく頭を振ることしかできない。
礼紋が亜紀子を遺体安置室へ案内すると、腕まくりをし、ゴム手袋をつけた両手で水野の腹の中をさぐり、残留物を取り出している女がいる。彼女の名はシャーロック。いきさつは不明だが、礼紋が全幅の信頼を置いている捜査コンサルタントだ。
「シャーロック。何をしている」
「検死に決まってるでしょ。経験値の少ない医師にピントのずれた検査をされたら、死因や犯人につながる証拠を見逃す」
「送った現場写真は見てくれたか」
「肝心なところが一切写っていない。あれなら観光客に撮らせた方がまし」
現場写真を撮った柴田が「はあっ?」と声を上げるが、それを気にもとめずゴム手袋をはずすシャーロック。遺族か来ているんだぞ、とたしなめる礼紋さえも無視して、初対面の和都と亜紀子の素性をピタリと言い当てる。
「確認していただけますか」
礼紋に促され、和都に付き添われながらドアの前から安置室の中央まで進み出た亜紀子は、血色を失った水野の顔を見て泣き崩れる。その姿を見下ろすように一瞥したシャーロックは、遺体に乗りかかって顔を突き出し、冷めた声で言い放つ。
「旦那さんの行動や様子について。奥さんにいろいろ聞きたいことがある」
「日を改めるわけにはいきませんか」
シャーロックを見上げ、涙に怒りをにじませながら請う和都。しかしシャーロックは猶予を与えることを許さない。
「捜査を急ぐの」
亜紀子の嗚咽がいっそう激しくなった。
液体爆薬『デビルズ・フット』による連続殺人事件
何者かが『デビルズ・フット』と呼ばれる超高性能の液体爆薬を体内に仕込み、遠隔操作によって爆破した。シャーロックは警視庁の会議室で水野の死因をそう結論づけた。そして亜紀子が医療関係者であることを見抜き、薬剤師であることを知ったシャーロックは、憔悴している亜希子へ矢継ぎ早に質問を浴びせる。
「子どもは?できないの、それとも作る気がないの?性交渉は週に何回?あなた外で処理するタイプ?」
心ない質問にショックを受けたのか、胸を押さえて泣き出す亜紀子。それ以上、話を聞くのは難しい状況になったため、礼紋はやれやれという顔になり、柴田と和都は絶句するが、シャーロックは「元気になったら教えて」と言い放ち、ひとりで部屋を出ていく。
「待ってください!」
階段で1階へ歩くシャーロックを呼び止めた和都は「警察だからって、ご主人を亡くしたばかりの亜希子さんに対して、あまりにも無神経だ」と訴える。
「それのどこがいけないの?それとわたし、警察じゃないわ」
悪びれることもなくそう告げるシャーロック。後を追ってきていた礼紋が静かに補足する。
「彼女は、言うなれば捜査コンサルタントです。犯罪心理学の専門家で、警察だけでは解決できない難解な事件を、独自に捜査してもらっているんです。わたしの権限で」
納得した和都は、シャーロックに向き直って訊ねる。
「どうしてわかったの?わたしが医者だって」
「スーツケースに縫合糸を巻く練習をした跡が残っている」
「シリアは」
「腕時計か時差で6時間遅れてる。3日前にシリアの病院が爆撃を受けてボランティアの医師団が一時帰国しているから、あなたもその一員。それと――」
階段を上ったシャーロックは、後ろで束ねている和都の髪の匂いを頬を寄せるようにして確かめ、耳元で呟いた。
「爆薬の匂い。RDXとアルミニウムの混合火薬―――もう、いいかな」
そう言い残し、シャーロックは後をふりかえることなく、階段を降りていった。
その姿を黙って見送った和都に、礼紋が言った。
「驚かれたでしょう。彼女はわたしの中指と薬指の間にできたちいさな擦過傷と、左手に比べて太い右手の親指から、わたしの趣味がボーリングであることを言い当てました」
医者や金持ち相手に商売して、ボロ儲けしている薬物依存症者の犯行か?
場末の安ホテルで寝泊まりしていた和都は、事件の真相を知るため礼紋に連絡をとり、シャーロックを訪ねる。彼女が暮らしているのは瓦屋根の門がある瀟洒なアパートで、茶色に塗られた扉には、白い文字で「22IB」と記されている。
応対してくれたのは管理人の波多野 君枝で、「シャーロックの両親にはとてもお世話になったから、ささやかな恩返し」と話す。それを聞いて和都は、期せずして抱えることになってしまった大きな疑問を解消しようとする。
「シャーロックって、本名ですか」
管理人は笑みを浮かべて答える。
「いえいえ、本名は別にちゃんとありますよ」
「どうして、そう――」
「ある出来事を境に、自分をそう呼ぶようになったの。それで周りもね・・・・・・・あとは、いつか本人に聞いて」
和都が部屋を訪ねると、シャーロックはすでにマイクロチップを入れた錠剤で体調管理ができる、という技術が開発されていることを掴んでいた。その矢先、礼紋から水野と同じ状態の死体が発見されたと連絡が入る。事件とはまったく関係がないファッションセンスを酷評されながらも「真相を究明したいから同行させてほしい」と頼む和都にシャーロックは言う。
「どうぞ。医師の意見なら聞いてあげる」
現場は繁華街のコインパーキングで、殺害されたのは栗本竜一、26歳。水野医師との関係は不明。目撃者の証言によると「悪魔が・・・」と呟いていたらしい。所持品のキータックから、シャーロックは栗本が薬物依存者であると推測。そして遺体をなめるようにしてスモークマシンの成分の匂いを嗅ぎ分け、栗本は舞台俳優かその関係者だと告げる。また左の手の甲にクラブの再入場用スタンプが押されていることもその場で明らかにした。
渋谷にあるクラブの関係者に聞き込みをしたシャーロックと和都は、栗本がクスリと名の付くものはすべて試さないと気が済まないジャンキーだったことを知る。そして昨夜はクラブのDJで裏ではドラッグの売人もやっている「クウヤ」という男が一緒だったという証言を得る。「医者とか金持ち相手に商売して、ボロ儲けしてるって話っす」
DJのクウヤが薬物に目のない栗本にドラッグ型の爆弾を手渡した。そう考えるのか自然だが「水野先生と関係があるとは思えない」と和都。あらゆる可能性を考えるべきであり、ストレスを抱えた医師が薬物に手を出すというのはよくある話だとシャーロックは突き放すが、和都は「水野先生は絶対にそんなことはしない」と譲らない。
水野の自宅を訪れた和都は、亜希子が胸のあたりを苦しそうにしているのを気にしつつも、医師をやめる決意をしたことを告白する。ボランティアの医師団として海外で仕事をしたが、無力で何もできなかったというのがその理由だった。それを黙って聞き「わたしにできることがあれば言ってほしい」と話す亜希子。力になるつもりで来ながら励まされてしまったことを恥じながらも、和都は亜希子のやさしさに感謝した。
帰り道。送ってくれた亜希子が道に落ちていた髪留めのゴムを拾って女の子の髪をうまくまとめるのを見て、和都は違和感を覚える。
10年前に薬物中毒者が起こした少女刺殺事件との関連性が浮上
「すぐに来て」
メールで呼び出された和都は、内閣情報調査室の内閣情報分析官を務めるシャーロックの兄・双葉健人を紹介される。
健人は二人をクラウドファンディングでデジタル錠剤の開発を行っている技術者のもとへ連れていく。そこでシャーロックは「あなたが発明したものが犯罪に使われている可能性がある」という理由で、高額出資者のリストを渡せと要求。健人は「サリンだってもともとは殺虫剤として開発されたわけですから」とフォローする。
そうして手に入れたリストには、クウヤ――桐嶋空也の名が。真犯人はクウヤ。デジタル錠剤の購入個数は3つ。
早く見つけ出さなければまだ犠牲者が出る、と和都は言った。
捜査へ向かう途中、シャーロックは礼紋の電話により、若い女性から警察に「恋人が薬物を使用した後、錯乱状態になって外へ飛び出していった」と通報があったことを知る。男の名前は桐嶋空也、22歳。シャーロックと和都は礼紋、柴田と合流して通報した女性・西川里奈のマンションへ向かう。
部屋にあったキーホルダーと里奈の証言から、桐嶋空也が品川にある薬物依存症の厚生施設にいたと確信したシャーロックは、礼紋にその厚生施設で最近、何か不審な出来事がなかったか問い合わせてほしいと頼む。
里奈によると桐嶋空也はタブレットで頻繁にメールをチェックしていて、突然、飛び出していったらしい。そのタブレットの閲覧履歴を調べたシャーロックは10年前の新聞記事を発見。牧島洋平という男がドラッグによって精神錯乱状態になり、当時6歳の女の子を刺殺した事件だ。牧島は品川の厚生施設でリハビリを終えたばかりだった。
品川の厚生施設に最近、抗議文が届いていたと知ったシャーロックたちはそこへ向かう。10年前に少女を殺害した牧島が出所して厚生施設に戻っているとしたら、今度はその牧島が狙われる?でも、なぜ――。
シャーロックたちが到着すると施設内は騒然としていた。階段を駆け上がると、乾いた発砲音がこだました。拳銃を手に入れた桐嶋空也が、牧島洋平を撃ったのだ。とどめを刺そうとする桐嶋空也の凶行を、柴田が間一髪で防いだものの、桐嶋空也は「こいつをやらなければ悪魔に殺される!」と泣き叫んでいる。
「この人が犯人なんじゃないの?」戸惑う和都に、シャーロックが言う。
「違う!空也も爆弾と知らずにドラッグを飲んでる!この人は真犯人の駒にされただけ。気をつけて!そいつのおなかに爆弾入ってるから!」
「マジかよ!早く言えよ!!」空也を押さえていた柴田が飛び退いて後ずさりする。
「大至急、救急隊を呼べ。それと爆発物処理班」
礼紋が命令した。
薬物依存者は口では反省していても同じ過ちを繰り替えす。厚生施設のプログラムは傷のなめ合いに過ぎない。そう書かれた抗議文を読んだシャーロックは、封筒に貼られた切手を見て、和都に聞いた。
「水野夫婦に子どもはいないんだよね」
「いない。先生はずっとほしがっていたんだけど、亜希子さんは子どもが嫌いなんだって。でも亜希子さん、子どもの扱いがとても上手なの。慣れた手つきで、女の子の髪を結ってあげたりして」
それを聞いたシャーロックは目を見開き、「そうか」と呟いて和都に笑いかけた。まるで「でかした」とでも言うように。
そして礼紋に、10年前、牧島が殺害した女の子の名前を調べてほしいと頼む――。
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ちょっとだけ言わせて
シャーロック・ホームズのファンならピンと来たと思いますが、主要登場人物はホームズの世界観を尊重して設定されています。橘和都はジョン・H・ワトスン(和都さん)、礼紋元太郎はレストレード警部、双葉健人はマイクロフト・ホームズ、波多野君枝はハドスン婦人、という具合に。もちろん、エピソードが進めばジェームズ・モリアーティ教授も登場します。ちなみに、シャーロックとワトソンを女性が演じるのは世界初だそうです。
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