シャーロック・・・・・・竹内 結子
橘 和都・・・・・・貫地谷 しほり
礼紋 元太郎・・・・・・滝藤 賢一
柴田 達也・・・・・・中村 倫也
双葉 健人・・・・・・小澤 征悦
波多野 君枝・・・・・・伊藤 蘭
入川 真理子・・・・・・斉藤 由貴
灰谷 玲子・・・・・・安藤 聖
椎名 亜里沙・・・・・・紺野 まひる
椎名 由麻・・・・・・木南 晴夏
米山 俊夫・・・・・・田中 圭
脚本
小谷 暢亮/及川 真実/森淳一
監督
森 淳一
レターケースに記された21桁の数字
今回、君枝が連れてきた案内人は、灰谷玲子。小さな製薬会社で新薬の開発を行っている研究者だ。その彼女の元にヘッドハンターから連絡があったという。紹介先は業界最大手のモーソン製薬。女性のヘッドハンターとの面談後に100万円の支度金が振り込まれためすっかり信用して研究論文と未発表のデータを渡したところ、そのヘッドハンターと連絡が取れなくなった。女の名は椎名亜里沙。海外の専門誌に紹介されるほど、世界的に有名なヘッドハンターらしい。シャーロックは玲子が持参したその雑誌のインタビュー記事の数枚の写真から、いとも簡単に椎名亜里沙の自宅を特定した。
シャーロックと和都、玲子の3人が椎名亜里沙の自宅を訪問すると、華やかな美人の亜里沙とはまったく違うタイプの地味で無口な妹・由麻が出て応対する。玲子は亜里沙と連絡をとってほしいと頼むが、由麻は気が進まないようで、亜里沙の部屋へ案内する。そこで由麻は姉とは服従関係であることを示唆する。幼い頃はとても仲の良い姉妹だったが、ある頃から亜里沙の人格が変わってしまったのだと由麻は話す。
由麻がノートPCのビデオ電話ソフトで呼び出すと、亜里沙は「今何時だと思っているの」と不機嫌きわまりない顔で出てくる。どうやらニューヨークにいるらしい。玲子がPCの前に立つと態度を一変させて「日本に戻ったらすぐに話を進める」と詫びるが、玲子は今の会社に残ることに決めたので研究論文とデータを返してほしいと頼む。
由麻から論文とデータを受け取った玲子はシャーロックと和都に感謝して椎名姉妹の自宅を後にするが、エレベーターのなかでシャーロックが論文とデータが入ったレターケースに21桁の数字が記されているのを発見する。21桁の数字は証券会社が管理者コードとして使うことで知られている。玲子が書いた憶えがないというので、シャーロックは不審に思う。
廃人同然の姿で発見されたのは精神薬理学の博士
数日後、都内の高架下で倒れていた中年男性が病院に搬送される。男の名は綿貫弘。椎名亜里沙が灰谷玲子に紹介したモーソン製薬の研究室主任だ。精神薬理学の世界では有名な博士で、3日前から行方がわからなくなっていたという。生きているが廃人同然の状態になっており、入院先の病院で柴田から状況を聞き、検証写真を見たシャーロックは、拘束された後に脳内で高圧電流を流された–何者かに拷問を受けたのだと断言する。
礼紋から捜査依頼を受けたシャーロックと和都はモーソン製薬を訪ねる。10年以上、綿貫の助手を務めている研究員の真田によると、綿貫は精神安定剤の副作用についての研究を行っていたらしい。シャーロックは拷問を受けていることから、綿貫は画期的な新薬か表に出せないものを発明していた可能性があると指摘するが、真田はたとえそうだとしても助手が博士の研究内容をすべて把握しているわけではないので答えられないという。
モーソン製薬から引き上げる直前、シャーロックは真田のネックストラップの色が他の研究員と違うことに気付き、理由を聞く。「このストラップは特別研究員用で、特別研究員は研究所内のすべての情報にアクセスできる権限があります」と真田。そして特別研究員になるには海外の専門誌に論文を発表するなどの社内規定があり、現在は特別研究員の数は6名。真田が7名と言いかけたので理由を聞くと、最近、一人退職したからだと言う。その女性の名は灰谷玲子。シャーロックが写真を見せて確認すると『間違いない』と真田。しかしその写真は、椎名亜里沙のものだった。椎名亜里砂が灰谷玲子をヘッドハンティングした本当の目的は、特別研究員のIDカードを手に入れて研究所内の情報を収集するためだったのだ。
『恐怖を消す薬』
和都は自立した生活を送るため、司書として図書館で働き始め、作家を目指している米山という男に好感を持つ。その図書館で文献を調べていたシャーロックは、綿貫博士が『恐怖を消す薬』の研究をしていたことを知り、椎名亜里砂が手に入れたかったのはこの研究データだろうと考える。
再びモーソン製薬の真田を訪ねたシャーロックと和都は、絶対に公表しないと約束した上で、戦争や虐待で心に傷を負った人から恐怖を消し去ることは綿貫の悲願であり、『恐怖を消す薬』の開発は政府マターの極秘プロジェクトだったという事実を聞き出す。その薬には強い副作用があり、使い方を間違えると、感情のない冷酷な殺人マシーンを作り出してしまうことも・・・・・・・。
双葉健人に会ったシャーロックはこの件から手を引けと忠告を受ける。『恐怖を消す薬』はすでに完成していて、そのデータは1カ月前に盗まれている。犯人はデータを開くパスワードを聞き出すために綿貫を拉致して拷問したのだ。しかしそのパスワードにはトラップが仕掛けてあり、誤ったパスワードを入力するとデータは消滅するという。だから今は犯人がそのトラップに引っかかることを願うしかないのだ。公安部も動いているからおとなしくしていろと健人は説得するが、シャーロックは聞く耳を持たない。
操作と仕事の合間を縫って、和都は入川真理子のカウンセリングを受け、図書館で仕事を始めたこと、そこで米山という作家志望の男に出会ったことを話す。たわいもない話を愉しそうに聞いてくれる鞠子の存在が、和都のなかで少しづつ大きくなっていく。
灰谷玲子のレターケースに書かれた12桁の数字は『恐怖を消す薬』のデータを開くパスワードで、書き留めたのは椎名亜里沙。そう確信したシャーロックは椎名由麻の職場を訪れ、亜里沙が事件にかかわっていることを告げる。由麻は小学生の時に両親が離婚して、亜里沙は彼女を引き取った父親からひどい虐待を受けていたと話す。その後、父親は転んだ拍子に傘が目に突き刺さるという痛ましい事故で亡くなったが、由麻は亜里沙がやったに違いない、亜里沙は虐待を放置した社会そのものを恨んで生きてきたから、いつかこんな日が来ることを覚悟していたと打ち明ける。シャーロックは亜里沙が戻ったら必ず連絡するように言い含める。
シャーロックにパスワードを解かせたのは
由麻から連絡があった朝、『オスバチを惹きつける媚薬』を拝借して出かけようとする和都を呼び止めたシャーロックは、その瓶の中身は水虫の薬だと言ってそれを取り上げ「あなたがほしいのはこっちでしょ」と言って、和都の首の後ろに媚薬を染みこませた錠剤を貼り付ける。図書館で仕事をしている間、その効果はまったく感じられなかったものの、和都は米山からランチに誘われる。
シャーロックが椎名姉妹のマンションを訪れると、リビングの窓にルージュで「adamas」と書かれていた。ギリシャ語で「何事にも屈しない」という意味だが、これをパスワードを解くヒントと考えたシャーロックは、その場で12桁の数字を合わせて解析を始める。そして「Lily of the vallay=スズラン」がパスワードだと結論を出す。綿貫が著書のなかで『恐怖を消す薬のことをスズランの花に例えており、その花言葉は幸福の再来だから、というのがその理由だった。
由麻に亜里沙の行き先について聞くシャーロックは、不意にティッシュケースがリビングに移動していることに気づく。灰谷玲子と一緒に来た時は、亜里沙の部屋にあったのだ。シャーロックがケースを調べると、中には盗聴器が仕掛けられていた。
和都が米山とランチをとっていると、シャーロックが突然現れ「今すぐ一緒に来て」と告げる。綿貫からパスワードの一部しか聞き出せなかった亜里沙は、シャーロックに解かせて答えを盗聴した。だからすぐに亜里沙を探さなければならないのだ。何事かと戸惑う米山を一目見て、シャーロックは「この人はやめた方がいい」と忠告する。マリンボーダーのシャツにロレックスのバブルバッグ、ビーンブーツ。ヘミングウェイをまねて大作家になったつもりでいるナルシスト。キーボードで文章を書く時代にパーカーの万年筆を持っているくせにペンだこはない。その正体は作家気分を味わっているだけの中途半端なフリーターで、貢いでくれる女を捜しているヒモ男・・・・・・それを聞いて和都は激怒し、シャーロックを罵る。「あ、そう」とシャーロックは去り、正体を見抜かれた米山も、支払いを和都に任せてその場から逃げるように立ち去った。
亜里沙がシャーロックに解かせたパスワードをノートPCに打ち込むと、さらに4文字のワードを入力する画面が現れる。制限時間は60分、チャンスは3回。失敗するとデータが消失する仕掛けになっている。亜里沙はその状況を何者かに電話で報告する。その口調から、相手は上司のような存在と推測できるが・・・・・・。
一方、シャーロックはタクシーで移動中に由麻からの電話を受ける。「今、姉から連絡があって、ホテルで一緒に食事をしないかって」と由麻。そのホテルに向かったシャーロックは亜里沙によって客室に迎えられ、最後のパスワードを解いてほしいと頼まれる。断るシャーロックに亜里沙は言う。
「あなたは断れない。わたしが許しても、妹が許してくれないの――」
<ここから先はドラマをご覧ください。残り14分です>
ちょっとだけ言わせて
「捜査なんかして真相を見誤ったらどうする」と言い放った礼紋に柴田が「え、捜査なんか・・・」と絶句するシーンは笑いましたねー。それはさておき、このエピソードから、続発する事件の背後でうごめいている得体の知れない力をシャーロックは感じるようになります。いわゆる物語の横線ですね。ひどい目に遭わされながらも絶体絶命のピンチを救われたことによってシャーロックに対する和都の信頼も高まっていきますが、それもラストエピソードへの伏線になっていきます。
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