キャスト
井沢 範人・・・・・・沢村 一樹
山内 徹・・・・・・横山 裕
小田切 唯・・・・・・本田 翼
南 彦太郎・・・・・・柄本 時生
早川 誠二・・・・・・マギー
板倉 麻衣・・・・・・田中 道子
町田 博隆・・・・・・中村 育二
田村 薫・・・・・・平田 満
東堂 定春・・・・・・伊藤 淳史
桜木 泉・・・・・・上戸 彩
脚本
浜田 秀哉/小川 正太/井上 聖司
演出
佐藤 祐市/城宝 秀則/光野 道夫
悪い奴らをタイホできない刑事たち
国家権力が、犯罪の未然防止を目的として国民の個人情報を取得できることが法的に認められたら、わたしは犯罪者予備軍、危険な思想の持ち主としてDランクの隅っこくらいにはリストアップされるかもしれない。
インターネットで購入する小説やオンデマンドサービスを利用して見るテレビドラマ、映画は凶悪な犯罪ものが圧倒的に多く、その嗜好の偏り具合は度を超えているという自覚があるし、アダルトコンテンツだってそれなりには見ているから『ヘンタイ』の烙印を捺されても不思議はないかなと思っている。
もっとも、前科はないのでマークは緩いかもしれないけど。
さて、このドラマは、2010年に初めて放送された『絶対零度』シリーズのseason3。前作までの主人公だった女刑事・桜井泉刑事は極秘任務なのか何なのかベトナムに渡ってよくわからないことになっており、彼女の相棒だった山内徹は別の部署へ異動して引き続き登場。
その舞台になるのが、警視庁の未然犯罪捜査チーム。超ハイスペックのコンピュータに集められた膨大な情報と過去15年分の犯罪データ、日本全国の監視カメラの映像、メールや電話の通信データなどをもとに、きわめて近い未来の殺人者予備軍を割り出して犯行を未然に防ぐ”ミハンシステム”の実用化を目指して極秘に設立された部署だ。
国民の個人情報や通信データを勝手に取得すること事態が違法なので、表向きは総務部資料課分室(古い捜査資料をデータ化するのが仕事らしい)という体裁をとっていて、オープニングメンバーとして集められたのは有終だがすねに傷を持つ面々。そんな彼らを束ねるのが主人公の井沢範人。公安部のエースだったが、ある犯罪者の逮捕時の過度な銃撃が原因で公安部を追われ、このミハンシステムの責任者である東堂定春に拾われた。
で、初回放送では政治家の殺人教唆の事実を突き止め、金塊密輸ビジネスの仕組みを暴くことで殺人事件に発展するのを防いだ。ミハンシステムを実用化するために、盗聴・盗聴他なんでもありの違法捜査を行っていることを捜査一課の連中には絶対に知られてはならないし、視聴者がしっかりついてくるまで「我々は悪い奴らをタイホできない刑事なんですよ」ということを伝えていかなければならない。
その点ではけっこうハードルの高い脚本になっていると思うが、嫁の至らないところを見つけたくて仕方がない姑ババアのように粗探しをしながら見てもすんなり受けいれられた。
殺人教唆という形で逮捕に至った政治家のケースも
小田切「東堂さん、どうやって処理してんだろ」
伊沢「ブラックボックス、教えようか?」
南「ボクはけっこう」
の台詞でうまく処理できちゃってる。
金塊密輸事件の方は、
東堂「逮捕、起訴状、面倒な手続きは――」
部長「心配しなくてもやっておくよ」
の台詞でミハンチームの位置づけについて念押し。そして・・・・・・
早川「富樫殺し、いきなりトップダウンで犯人から動機まで確定したってよ。なんだよそれ」
板倉「誰かが別で動いていたって、もっぱらの噂です」
この短いやりとりで捜査一課の刑事が納得していないということもわかる。
本来ならもっと不信感をあらわにしていいのでしょうけど、たたき上げの早川と9等身の美人刑事・板倉の凸凹コンビのキャラクターづけがうまくいっているので、これで十分って感じかな。
ストーリー#2以降も期待がもてそうです。
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