二階堂ふみのフルヌードが話題に！『リバーズ・エッジ』の感想とおすすめの動画配信サービス

『リバーズ・エッジ』を観て

死者を前にすることで得られる実感がある。

人はその生涯で、親きょうだいや友人・知人を除けば、いったいどのくらいの数の死体と対面するのだろう。僕は2度しかない。最初は中学生の時。朝、通学路の脇道に見慣れない車が停まっていて、運転席には中年の男性が目を閉じて座っていた。眠っているのだろうと思い、そのまま学校へ行った。夕刻、部活を終えて戻ってくると、その車はまだ停まっていた。男性は朝と同じように目を閉じて座っていた。自宅に戻って親に知らせたら、じきにパトカーが来て、練炭自殺だと知らされた。

2度目は高校生の時。朝刊の配達先だったちいさな料理旅館の小径に、中年の男性が仰向けに倒れていた。表情は穏やかで目を閉じていたが、頭から出血していた。前夜の雨で浴衣が濡れており、胸と裾がはだけていた。亡くなっていることはひとめでわかった。小径を塞ぐように横たわっていた死体をまたいでいいものかと思案していると、玄関から女将さんが出てきて、死体越しに朝刊を受け取ってくれた。
「びっくりしたやろ。ごめんねえ。夜中に酔うて、落ちたんやと思うわ」
女将さんはそう言って2階の角部屋を見上げた。発見したのは読売新聞を配達している同級生だったらしいが、もうその場にはいかなかった。

『リバーズ・エッジ』は、1992～93年に雑誌『CUTiE』（宝島社）で連載されていた岡崎京子の同名漫画を実写化した作品だ。河原の深い茂みの中に、白骨化した死体があるという秘密を共有する高校生と、彼らを取り巻く同級生たちのむき出しの欲望と葛藤、焦燥を映し出す。

ゲイ、売春、いじめ、ドラッグ、喫煙、愛のないセックス、ひきこもり、過食生嘔吐症、自殺……。90年代のダークなキーワードをかき集めたような作品で、僕の青春時代とはあまりにもかけ離れているので当時に戻ったつもりで観ても登場人物の感情や行動を理解するのは難しかった。

そのなかで唯一、少しだけ共感できたのが主人公の山田一郎（吉沢亮）が、“宝物”と呼ぶ死体を前にして若草ハルナ（二階堂ふみ）に呟いた胸の内。
「自分は、生きているか死んでいるかいつも分からないけど、これを見ると勇気が出るんだ」
死体を見て勇気は出ないが、死者を前にすることでしか生きている実感を得られない、というのはあるかもしれない。
青春時代に2度、死体に対面した時、真っ先に頭によぎったのもそんな感情だったように思う。

公開前から話題になっていた二階堂ふみのフルヌードシーンは、絡みといえるほど濃いものではない。その代わり、ルミ（土居志央梨）と観音崎（上杉柊平）の絡みは盛りのついた犬のように激しいものになっているので、エロ目的の視聴でも満足できるはず。（tango）

『リバーズ・エッジ』あらすじ

若草ハルナ（二階堂ふみ）は、彼氏の観音崎（上杉柊平）が苛める山田（吉沢亮）を助けたことをきっかけに、夜の河原へ誘われ放置された＜死体＞を目にする。「これを見ると勇気が出るんだ」と言う山田に絶句するハルナ。さらに、宝物として死体の存在を共有しているという後輩でモデルのこずえ(SUMIRE)が現れ、3人は決して恋愛には発展しない特異な友情で結ばれていく……（引用元：Amazonプライムビデオ）

『リバーズ・エッジ』キャストとスタッフ

『リバーズ・エッジ』が視聴できる動画配信サービス

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2023.10.02